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サイゴンから来た妻と娘 の商品レビュー

4.5

34件のお客様レビュー

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2012/04/23

ベトナム勉強シリーズ。開高健、コッポラに続く第3弾。 30年ぶりの再読。 きっとその頃よりもいろんな意味での機微がよく理解できたと思う。 情景が鮮やかに浮かんでくる確かな筆致と、軽妙な語り口。それと、全編を包む近藤さんのやわらかな愛情。 ルポルタージュっても、人柄がこんなにも表...

ベトナム勉強シリーズ。開高健、コッポラに続く第3弾。 30年ぶりの再読。 きっとその頃よりもいろんな意味での機微がよく理解できたと思う。 情景が鮮やかに浮かんでくる確かな筆致と、軽妙な語り口。それと、全編を包む近藤さんのやわらかな愛情。 ルポルタージュっても、人柄がこんなにも表れるものかね。 いいな~この本。

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2012/04/18

1970年代初頭、戦火のサイゴンで日本の新聞記者が子連れのベトナム女性と結婚。その顛末を描いたドキュメンタリーであるが、描写と文化考察がすばらしく、単なるカルチャーギャップ論に終わっていない。サイゴンでの長屋の生活風景、妻の食物へのこだわり、娘へのスパルタ教育、年頃になってゆく娘...

1970年代初頭、戦火のサイゴンで日本の新聞記者が子連れのベトナム女性と結婚。その顛末を描いたドキュメンタリーであるが、描写と文化考察がすばらしく、単なるカルチャーギャップ論に終わっていない。サイゴンでの長屋の生活風景、妻の食物へのこだわり、娘へのスパルタ教育、年頃になってゆく娘の変化が生き生きと描かれてゆく。「ベトナムは社会主義国の看板は守りながらも、お得意のたてまえと本音をたくみに使い分けて、(中略)実質資本主義国家として」と、30年以上も前に現在のベトナムを予言しているところは、さすがに第一線のジャーナリストというべきだろう。残念なのは著者が46歳の若さで亡くなったこと。現在のアジアを見て欲しかった。

Posted byブクログ

2012/02/26

ベトナム戦争時、戦争特派員としてサイゴンに勤務するなか知り合った妻と、その連れ子・ミーユンちゃんとの東京での日々を中心に描いたもの。異国の妻の生活力の強さ、スパルタンな子育てぶり、爛漫さ、肝っ玉の太さに、時にタジタジとなりながらも愛し惹かれている近藤氏の筆になる話は読んでいて気持...

ベトナム戦争時、戦争特派員としてサイゴンに勤務するなか知り合った妻と、その連れ子・ミーユンちゃんとの東京での日々を中心に描いたもの。異国の妻の生活力の強さ、スパルタンな子育てぶり、爛漫さ、肝っ玉の太さに、時にタジタジとなりながらも愛し惹かれている近藤氏の筆になる話は読んでいて気持ちいい。 一方で、ベトナム人の国民性とかにも、こうではなかろうかと実体験から得た論を展開したり、陥落直前後のサイゴンの様子を描く文章からは一級のジャーナリストの目と筆が光っている。ベトナムの国民性かのように述べているところで、中国でも韓国でも感じられるように思われ、それは裏返せば日本がアジアの中ではよほど特殊かつ、欧米に寄ってきたということを感じさせる。 ともあれ、妻と娘に対する近藤氏の眼差しがやさしげでいい。男であるなら、人であるなら、大切な人をこんなふうに愛したいものだ。

Posted byブクログ

2012/02/13

 ベトナム戦争末期、特派員としてサイゴンに駐在し、現地でベトナム人の妻と娘ができた作者の、家族との奇想天外(?)な生活の記録。今でこそ「国際結婚」を巡るコミックエッセイなどが数多く出版され、人気を博しているが、この本はその先駆けかも。日常の描写だけでなく、低い目線からベトナム人気...

 ベトナム戦争末期、特派員としてサイゴンに駐在し、現地でベトナム人の妻と娘ができた作者の、家族との奇想天外(?)な生活の記録。今でこそ「国際結婚」を巡るコミックエッセイなどが数多く出版され、人気を博しているが、この本はその先駆けかも。日常の描写だけでなく、低い目線からベトナム人気質、歴史を鋭く考察していて、後半にかけてぐいぐい引きつけられた。  この秋仕事で2週間ほどホーチミンに滞在し、「したたか」と言われるベトナム人とがっつり向き合った経験があるが、この本は仕事に行く前に読んでおけば良かったと思った。  特に、「戦争」に対する日本とベトナムの認識の違い(国土が豊かだからこそあんなに長く戦争が続いたのかも・・・という考察)は、新鮮だった。だからといって戦争を肯定するわけではないが、ベトナムという国を見るとき必ずどこかに陰を落としている「戦争」について、日本人の感覚で見てはちょっとズレが生じるのかもしれないと感じた。  ベトナム難民に対する日本国の受け入れ姿勢についての記述については、大学時代、憲法の授業で机上の勉強はした記憶があるのだが、現場でどのようなやりとりがあったのか、彼らがどんな思いでこの地を目指したのかが分かるにつれ、胸が詰まった。まだまだ知らない世界があることを痛感。今読んでも全く古さを感じない一冊。  

Posted byブクログ

2011/01/26

既に最初に出版されてから33年ほどたっている。しかしその内容は古びず、今読んでも人物表現、そしてベトナム戦争に対する筆者の鋭く、正確な見識には敬服する。当事者としてこの大きなうねりの中にいてそれでいながら、客観的に状況を把握し論じている。確かにジャーナリストとして超1級の人である...

既に最初に出版されてから33年ほどたっている。しかしその内容は古びず、今読んでも人物表現、そしてベトナム戦争に対する筆者の鋭く、正確な見識には敬服する。当事者としてこの大きなうねりの中にいてそれでいながら、客観的に状況を把握し論じている。確かにジャーナリストとして超1級の人である。しかし、小難しい政治論や戦争論ではなく、自分の身に降りかかった(?)ベトナムという国、人を一個人として書いている。妻となった人のたくましさにも舌を巻く。この筆者だからこの女性と結婚し、日本まで連れてこられたのだろう。最近になってやっとベトナムも外に向かってひらかれた国となってきた。そうなるまでに30年余りかかっている。この戦争の爪痕の深さをつくづく感じた。

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2019/01/16

この人の本は私の人生の宝物。サイゴンから日本へ連れてきた妻と娘の日常を描いたエッセイですが、全く文化の違う、言葉も通じない国で平然と暮らす妻の強いこと。日本人が外国に行ったら、ああは出来ません。 自分の芯に信仰(この場合はお釈迦様ですが)があるというのは、こんなにも人を強くするの...

この人の本は私の人生の宝物。サイゴンから日本へ連れてきた妻と娘の日常を描いたエッセイですが、全く文化の違う、言葉も通じない国で平然と暮らす妻の強いこと。日本人が外国に行ったら、ああは出来ません。 自分の芯に信仰(この場合はお釈迦様ですが)があるというのは、こんなにも人を強くするのでしょうか?信仰の無い一日本人としては羨ましい気がしますが、さりとて一心に何かを信じるなんて今更無理な話なんですね…。 書き手の近藤さんには辛い過去がありますが、この妻のこの超然に救われていたのだろうなと、思います。作者が早くに亡くなってしまった事が本当に残念です。

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2010/11/20

産経新聞記者だった近藤紘一の自伝。良書。ベトナム人の子連れ女性との結婚生活や、当時の国際情勢、ベトナム人の気質を描いた「妻と娘」3シリーズの1作目。サイゴン陥落の描写も興味深い。旅行に行ったホーチミンでこんなことが、と思いはべらす。

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2010/05/15

貸して貰って読み嵌った本。 自分の結婚した妻と娘と文化と なかなかハードなようで奥さん怖ぇと思った。 文化の差を感じずにはいられない一冊。 というかシリーズ

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2009/12/24

「妻と娘」シリーズ3部作の1作目。時代を越えて読み継がれるであろう、色褪せることのない名作。1971年から1975年までをサンケイ新聞サイゴン特派員としてサイゴンに勤務した近藤さんの、「私自身がこの土地とそこに住む人々の生きざまに深く惹かれた」という想いからはじまる人生の軌跡です...

「妻と娘」シリーズ3部作の1作目。時代を越えて読み継がれるであろう、色褪せることのない名作。1971年から1975年までをサンケイ新聞サイゴン特派員としてサイゴンに勤務した近藤さんの、「私自身がこの土地とそこに住む人々の生きざまに深く惹かれた」という想いからはじまる人生の軌跡です。 全体を通して、異文化理解の在りかたを堅苦しくなく綴っていますが、やはりそこに垣間見られるのは近藤さんの「なみはずれて量の多い愛」で、その文章に、優しさが滲み出ています。

Posted byブクログ

2009/10/07

サイゴンの一番長い日を表紙買いし、面白かったのでこの本も読んだ。彼がベトナム人をポジティブに捉えた部分を書いているのではないかと思う。妻のたくましさがおかしかった。

Posted byブクログ