サイゴンから来た妻と娘 の商品レビュー
サンケイ新聞(現・産経新聞)記者の近藤さんの文章が軽妙でいい。 そしてベトナム人の妻と娘のあっけらかんとした明るさ! 実に楽しい。ベトナム性はたくましいわ~。 彼女たちの日々の行動から文化の違い、考え方の違い、歴史や風土の違いが浮き彫りになるとともに、近藤さんなりの見解や意見も随...
サンケイ新聞(現・産経新聞)記者の近藤さんの文章が軽妙でいい。 そしてベトナム人の妻と娘のあっけらかんとした明るさ! 実に楽しい。ベトナム性はたくましいわ~。 彼女たちの日々の行動から文化の違い、考え方の違い、歴史や風土の違いが浮き彫りになるとともに、近藤さんなりの見解や意見も随所にあって、とても興味深い。 もちろん1978年に書かれた本書は価値観とか時代背景とか、かなり古くて今とは異なる。 でもそれがまた面白い。 冒頭で描かれるのは1975年4月30日のベトナム戦争終結、サイゴン陥落。 近藤さんは記者としてその時まさにかの地に駐在しており、 その様子を克明に描いていて臨場感があるし、歴史的価値がある。 続編も2作品あって「3部作」と言われているらしい。これらも読みたい。 (※調べてみて驚いたのだけど、近藤さんは1986年に45歳という若さで亡くなっるのですね。)
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ベトナムについて、自らの体験や考えをユーモラスに書いた本。 同じ人間なのに、こうも違うのかといった異文化への驚きと、作者の反応がまた面白い。 作者のベトナム妻への愛情をひしひしと感じた。
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インドシナ、ベトナムはフランス占領下にあったことから、フランス文化の影響が残る町なんだろうなとずっと頭の片隅にあった。 ちょっとご縁を感じて、旅の計画(妄想!?)をし始めて、ベトナムのことが書かれた本を読み始めて、苦手な戦争のコトに真正面から向き合って、この国を生半可な気持ちで...
インドシナ、ベトナムはフランス占領下にあったことから、フランス文化の影響が残る町なんだろうなとずっと頭の片隅にあった。 ちょっとご縁を感じて、旅の計画(妄想!?)をし始めて、ベトナムのことが書かれた本を読み始めて、苦手な戦争のコトに真正面から向き合って、この国を生半可な気持ちで旅することなんてできないな〜とかんじていたところ、いっちばんココロの襞に触れた一冊。 食にまつわるウサギや雷魚の話は絶品。 ベトナム流にフランスの精神が加味されたスパルタ子育て論も、日本のお父さんの優しさの眼差しを通して描かれているところがなんとも良い。 バンコクやパリでの続編もあるようなので、読んでみようと探し中。1970年~80年代の話なのに、ちっとも色褪せでない文章、言葉の使い方が感動。
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ベトナム(サイゴン)の風土が伝わってくる一冊。ベトナム女性の強さが印象的。ベトナム人はたいそう食いしん坊だそうで,ベトナム料理が楽しみになりました。
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サイゴンの一番長い日を読んで、続けて同作を読みました。夫婦はやはりスタートは他人、国際結婚は特別でもあるが、文化、考え方、スタイルの違いは当然ある。残りの作品も読んでみたい。
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再読。20年ぶりぐらいに読み返してみても、ジャーナリストとしての作者の才能と、人間としての優しさに感動する。開高健、そして近藤紘一、僕がベトナムに行こうと思ったきっかけ。
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うさぎおいしかのやま。『もの食う話』に収録されていた抄出が面白かったので読んでみた。冷静で的確な文章で、すこしおかしな国際結婚の顛末が語られている。
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[異国で三人四脚]戦地特派員としてベトナムに送り込まれていた筆者は、その地で出会った「年齢不詳」の女性と恋に落ち、生活を共にすることになる。しかし、1975年のサイゴン陥落により、現地にとどまることに危険を覚えた2人とその娘は、出国を決意し、日本での生活を試みることに。見慣れぬ文...
[異国で三人四脚]戦地特派員としてベトナムに送り込まれていた筆者は、その地で出会った「年齢不詳」の女性と恋に落ち、生活を共にすることになる。しかし、1975年のサイゴン陥落により、現地にとどまることに危険を覚えた2人とその娘は、出国を決意し、日本での生活を試みることに。見慣れぬ文物や風俗に戸惑う妻と娘であったが、同時に筆者にとっても文化の差から、戸惑いを覚える結婚生活が始まるのであった......。大宅壮一賞を受賞したノンフィクション。著者は、サンケイ新聞(当時)の記者として活躍された近藤紘一。 別にとんでもない事件や事態が発生するというわけではないんですが、それにしてもこの夫婦の生活が面白すぎる。食生活や買い物、そして娘への教育論など、筆者とその奥さんの間に横たわる考え方の溝が「でーん」と読者の前に放り出され、考えさせられると同時に、第三者の話であるからかどこか滑稽。それでいてその日常生活からぐぐっと文化論まで深入りしていく筆者の考え方の自由さに恐れ入りました。 1970年代後半に初版が発行されていますので、いくらか割り引いて読まなければいけないところもあるのですが、異文化に対する日本の向き合い方など、現在に照らし合わせても「なるほど」と思わせてくれる指摘が多々ありました。もちろん、国際結婚をお考えの方には、その生活の1つの実例として読んでいただいてもいいのではないでしょうか。 〜信じられるものを持つことは、やはりこの世を平然と生きるうえで、結構なことなのだろう。〜 近藤氏の『サイゴンのいちばん長い日』もオススメです☆5つ
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
(1987.03.02読了)(1987.02.16購入) 第10回(1979年) 大宅壮一ノンフィクション賞受賞 内容紹介 amazon 戦火のサイゴンで子連れのベトナム女性と結婚した新聞記者が東京へ帰って来た。家庭内で巻き起こる小事件を通してアジア人同士のカルチャーギャップを軽妙に描く。第10回大宅賞受賞作品
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ヴェトナム人女性の「かかあ天下」ぶり、逞しさに圧倒されてしまいます。実体験を交えているためか、著者のヴェトナムに対する文化的考察に妙な説得力を感じます。
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