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月長石 の商品レビュー

3.8

18件のお客様レビュー

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ミステリの古典中の古…

ミステリの古典中の古典。分厚いボリュームで読み応えのある作品です。ミステリをかなり読んでいる人にも、原点回帰として読んでいただきたいですね。

文庫OFF

2024/07/12

1868年発表。ウィルキー・コリンズによって生み出された、推理小説史に残る不朽の名作。登場人物たちによる寄稿(証言)によってのみ構成される白眉の章立て、珍妙かつ驚愕のトリック、大どんでん返し、ユーモアもユーモアな執筆者たち、まるで多重(多段)解決の原型かのような瞠目すべき構成、心...

1868年発表。ウィルキー・コリンズによって生み出された、推理小説史に残る不朽の名作。登場人物たちによる寄稿(証言)によってのみ構成される白眉の章立て、珍妙かつ驚愕のトリック、大どんでん返し、ユーモアもユーモアな執筆者たち、まるで多重(多段)解決の原型かのような瞠目すべき構成、心安らぐロマンス、などなど現在普及しているミステリの全ての源泉はここにある。完走するのに1ヶ月もかかってしまったが、読むことができて本当に良かった。

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2024/05/09

盗まれたインドの秘宝「月長石(ムーンストーン)」を巡る大作。上下合本700ページ超で、重い。文庫本なのに腕が疲れた。 各登場人物がそれぞれの視点で事件について回想を書き繋いでいくという構成。一人一人の癖が強くて面白い。「あの時の意味不明な行動言動はこういう背景があったのね……」と...

盗まれたインドの秘宝「月長石(ムーンストーン)」を巡る大作。上下合本700ページ超で、重い。文庫本なのに腕が疲れた。 各登場人物がそれぞれの視点で事件について回想を書き繋いでいくという構成。一人一人の癖が強くて面白い。「あの時の意味不明な行動言動はこういう背景があったのね……」と腑に落ちる。 確かに長かったけど、ヴィクトリア時代イギリス上流階級の仲間入りをしたつもりで物語の流れに身を任せてゆったりじっくりと読み進められた。謎解きよりも人間模様が魅力的。 あと、『ロビンソン・クルーソー』読んだことないって言うと彼に怒られそうなので、いつかタイミングを見つけて読んでおきたい。

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2024/04/19

2024/2/2~2024/4/18 インドの秘宝月長石がレイチェルの誕生日の夜に盗まれた。アヘンにより夢遊夜行症状になったフランクリン・ブレークが盗み出すが取り落とし、それを見ていたゴドフリーが詐取し、銀行に保管する。ゴドフリーは自分の借金の返済に充てようと変装して銀行から受け...

2024/2/2~2024/4/18 インドの秘宝月長石がレイチェルの誕生日の夜に盗まれた。アヘンにより夢遊夜行症状になったフランクリン・ブレークが盗み出すが取り落とし、それを見ていたゴドフリーが詐取し、銀行に保管する。ゴドフリーは自分の借金の返済に充てようと変装して銀行から受け出したが、月長石奪取を目論むインド人どもに殺され、インド人どもは逃走する。今や奪われた月長石はインドの神殿に飾られているという数奇な運命を辿る月長石の物語。

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2023/09/13

2022/7/20読了 本作の発表は1868年、シャーロック・ホームズよりも時代は早い(『緋色の研究』の発表は1887年)。長編推理小説の興隆は第一次大戦後という認識だったが、こんな超・長編もあったのだね。そして、この長~いお話の大部分の語り部であり、主家に忠実で、『ロビンソン・...

2022/7/20読了 本作の発表は1868年、シャーロック・ホームズよりも時代は早い(『緋色の研究』の発表は1887年)。長編推理小説の興隆は第一次大戦後という認識だったが、こんな超・長編もあったのだね。そして、この長~いお話の大部分の語り部であり、主家に忠実で、『ロビンソン・クルーソー』を信仰する老執事ベタレッジには、是非是非長生きして欲しいと思った。

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2022/06/10
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「最初の、最大にして最良の推理小説」という惹句そのまんまの良作だった。 複数人による報告の体を取っている大部の小説だが、それぞれのキャラクターがどれも個性的で生き生きした魅力に満ちていて、途中ダレることもなく最後まで読み切らせる筆力は流石だと思う。 ただ、古い時代の常識で書かれているので、肝心の部分の仕掛けが現代の目で見ると怪しいものになってしまっているのは少し残念。

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2021/09/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ムーン・ストーン。宝石というのは人を惑わす。惑わされ振り回される人物一人一人の個性と描写が活き活きしていて面白いし色褪せない。日本は明治時代。比較すると世界を縦横無尽に飛び回る壮大さに驚いてしまう。読んでいるうちにページが割れ始めたので、上下巻のほうが読みやすそう。『白衣の女』は読もうと思う。

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2020/05/07

長編推理小説の始祖と呼べる古典なのだそうな。 このジャンル、第一走者からして本作のような完成度であるのだから、2世紀を経た現代になるともう伸びしろ的に厳しそうだな、などということを思いながら、まったりと読了。

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2018/11/10

1868年発表の古典ミステリ。長くて表現古めかしいけど意外に読みやすかった。ロビンソン・クルーソーオタクの老執事(前半の語り手)が可愛い。すぐ聖書みたく引用するの。ミステリ面より英国階級社会の人間ドラマのが面白かった。

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2023/12/01

700ページを超す大作である。インド寺院の秘宝、黄色のダイヤ(月長石=本書のタイトル)が盗まれ、その行く末とともに物語が展開していく。 秘宝を守るべく宿命付けられてきた3人組のインド人、彼らは何世代にもわたり、秘宝を追って取り返すべく暗躍している。彼らの活動は通奏低音のように物語...

700ページを超す大作である。インド寺院の秘宝、黄色のダイヤ(月長石=本書のタイトル)が盗まれ、その行く末とともに物語が展開していく。 秘宝を守るべく宿命付けられてきた3人組のインド人、彼らは何世代にもわたり、秘宝を追って取り返すべく暗躍している。彼らの活動は通奏低音のように物語のなかを流れている。 イギリスへダイヤが渡っていくが、令嬢の誕生日のプレゼントとして突然登場、だが、その夜のうちに忽然となくなってしまう。誰が盗んだのか? 登場人物の手記を通じて、事件が追いかけられていくが、そこにはドラマがあり、謎解きの推理が刺激されていく。一人の視点だけでなく、多くの登場人物の視点を通じて、輻輳する事件が解きほぐされていく。そのプロセスには斬新さがあり、その先に驚くべき真相が待ち構えている。 十分楽しめる重厚さが魅力である。

Posted byブクログ