樽 の商品レビュー
汽船の積荷の落下で、…
汽船の積荷の落下で、樽からこぼれ出た金貨と女の手。魅力的なほど派手な謎に始まるが、捜査は地味にこつこつと。しかし緻密なプロットと鮮やかなアリバイ崩しは圧巻。アリバイ崩しの真骨頂を是非この名作で味わってください。見事です。
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アリバイトリックの古…
アリバイトリックの古典的名作。鮎川哲也の「黒いトランク」と読み比べるのもいいでしょう。
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クロフツの傑作ミステ…
クロフツの傑作ミステリ。ホームズのような天才的推理を好む人やテンポの速い作品を好む人には向いていないかもしれませんが最後のアリバイ崩しは見事です。
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古典的名作。 地味な捜査の連続だが、中弛みはしない。 後半探偵役が私立探偵になるけど、パリとロンドンの警察官の捜査を個人の探偵が洗い直して、突破口を見つけるのは難しいのでは。 コツコツと積み上げていくような捜査では、人海戦術が使える警察に、敵わないのでは?
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米澤穂信氏おすすめの本。米澤氏は親から勧められたというが、私もかなり昔から文庫本の後ろについているラインナップ紹介で題名だけは知っていた。 パリからイギリスの港についた大きな頑丈な樽。受取り会社の事務員が出向くと樽には少し割目があり金貨がでてきた。さらに死人の手らしきものが見え...
米澤穂信氏おすすめの本。米澤氏は親から勧められたというが、私もかなり昔から文庫本の後ろについているラインナップ紹介で題名だけは知っていた。 パリからイギリスの港についた大きな頑丈な樽。受取り会社の事務員が出向くと樽には少し割目があり金貨がでてきた。さらに死人の手らしきものが見える。ラベルには「彫刻在中」とあるのだが・・ かくして不思議な樽の調査がロンドン、パリをまたいで始まる。 「樽」の初版は1920年6月だが、物語は1921年3月末の事件として設定。当時すでに鉄道と電話と車もあるのだが、陸路での運搬はまだまだ馬車も使われていた。ここらへんの当時の社会情勢が伺えるのがおもしろい。御者が樽の運搬の参考人として調べられるが、馬車会社があり御者はその会社に雇われている。御者は今でいうなら運転手。馬車会社が今だと○○運輸になるのだろう。御者の雇い主も運輸会社だったり、製造会社だったり。 また送り主がパリなので、パリでの容疑者の足取りは、ちょっと思いつくと列車に乗ってベルギーに行ったりしている。またパリからロンドンへの航路も何パターンかある。冒頭にその地図がついている。 ロンドン警察でのメンバーに「ヘイスティングス」という名の巡査部長が出てくる。ちょっとしか出ないのだが、名前は単に同じだっただけか。 最初はひとつの「樽」だったのが、走査が進むにつれ、あれ、一つではない? と航路がややこしくなる。が、そこらへんは刑事が整理する形で分かりやすく書かれている。結果が分かれば、ああそうだったのか、と言う感じだが、冒頭の埠頭で樽から金貨と死人の手が見えてくるあたりはどきどきする。 1920発表 1965.12.24初版 1986.112.5第51版 図書館
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アリバイ物の古典名作として、作品名は何度か目にしていたのですが、やっと読む事ができました。 最初の舞台はロンドンの港、積み荷として運ばれた1個の樽の中から金貨と人の手が見つかったところから始まります。 一度は行方が分からなくなった樽が見つかり、殺された人物が判明したところから、...
アリバイ物の古典名作として、作品名は何度か目にしていたのですが、やっと読む事ができました。 最初の舞台はロンドンの港、積み荷として運ばれた1個の樽の中から金貨と人の手が見つかったところから始まります。 一度は行方が分からなくなった樽が見つかり、殺された人物が判明したところから、英仏の探偵と警察が協力し、容疑者を追い詰めていくことになります。 所謂、天才的な探偵の閃きにより解決に向かうのではなく、地道な捜査により少しずつ事件の全貌が明らかになっていくため、もどかしさはあるものの、中弛み感は感じませんでした。 惜しむらくは、通勤時間に読んでいたため、読了まで2週間ぐらいかかってしまい、アリバイがキーポイントになっていることを知っていながら、登場人物の時間軸の動きが整理しきれなかったことです。まとまった時間をとって一気に読めば、もう少し面白さを感じられたのではないかと思いました。
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『スタイルズ荘』と同時代の作品である、古典的名作ということで、読んでみた。いろいろ流石ではあるけれど、いささかまだるっこしかったなあ。
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図書館で。 古い作品なのでなんていうのか捜査がゆっくり。 警察官は午前様まで仕事して朝の4時に電話でたたき起こされて現場に直行…と言うような作品をこの頃よく読んでいたので午前中ちょっと聞き込みに行ってランチをゆっくり食べて9時に会議をしたあとミュージックホールに行けるような平和な...
図書館で。 古い作品なのでなんていうのか捜査がゆっくり。 警察官は午前様まで仕事して朝の4時に電話でたたき起こされて現場に直行…と言うような作品をこの頃よく読んでいたので午前中ちょっと聞き込みに行ってランチをゆっくり食べて9時に会議をしたあとミュージックホールに行けるような平和な時代だったんだなあ…としみじみ思いました。 お話的にはどう見てもあの人怪しいよね。まあ疑われた方もかなり怪しい行動してるけど。探偵役が最後に変わってびっくりしました。
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まさにミステリ黄金時代にふさわしい大傑作。名手クロフツのデビュー作である。大昔に一度読んだはずだったが、読んでみたらどうやら初読。手を出さなかったら、すごく損をしたところだ。 船から降ろされた樽の中から金貨と女性の死体が発見される発端はとても印象的だ。消えた樽の追跡、犯人の...
まさにミステリ黄金時代にふさわしい大傑作。名手クロフツのデビュー作である。大昔に一度読んだはずだったが、読んでみたらどうやら初読。手を出さなかったら、すごく損をしたところだ。 船から降ろされた樽の中から金貨と女性の死体が発見される発端はとても印象的だ。消えた樽の追跡、犯人の割り出し、そしてアリバイ崩しと、物語は読者の興味をつかんではなさない。クロフツ作品というと、地味で退屈という先入観を持ちがちなのだが、なかなかどうして、飽きさせない。 確かにトリックなどにはけれん味がなく、探偵役もきわめて常識的な人たちだ。でも、この作品が書かれてからずっとあとで読む身には、むしろマクベイン風の警察小説の味わいもあって楽しめた。 さすが名作。すばらしかった。
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乱歩が選ぶ黄金時代ミステリーBEST10の9番目、但し再読したのは創元推理文庫版、実は読んでいるのにあまり印象に残っていませんでした。ミステリーとしては非常に地味な作品です。しかし改めて読んでみると面白かったです。犯人がAでなければB、BでなければAという、容疑者が2人しかいない...
乱歩が選ぶ黄金時代ミステリーBEST10の9番目、但し再読したのは創元推理文庫版、実は読んでいるのにあまり印象に残っていませんでした。ミステリーとしては非常に地味な作品です。しかし改めて読んでみると面白かったです。犯人がAでなければB、BでなければAという、容疑者が2人しかいない、第1部と第2部の主人公は刑事、彼らが捕まえた容疑者を今度は第3部で弁護士がその容疑者から弁護を依頼され真犯人の鉄壁のアリバイを崩していくと言う展開です。ドーバー海峡を行き来する樽、ベルギー、フランス、イギリスと3国にまたがったアリバイをどう崩していくのか、スリリングでありミステリーとしても堪能できました。またオリンピック男子サッカー、スペイン戦が行われたグラスコーも登場してきて「おお」と思いました。
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