りかさん の商品レビュー
「人形のほんとうの使命は生きている人間の、強すぎる気持ちをとことん整理してあげることにある。木々の葉っぱが夜の空気を露にかえすようにね。気持ちは、あんまり激しいと濁っていく。いいお人形は、吸い取り紙のように感情の濁りの部分だけ吸い取っていく。試練を積んでいない人形は、持ち主の生...
「人形のほんとうの使命は生きている人間の、強すぎる気持ちをとことん整理してあげることにある。木々の葉っぱが夜の空気を露にかえすようにね。気持ちは、あんまり激しいと濁っていく。いいお人形は、吸い取り紙のように感情の濁りの部分だけ吸い取っていく。試練を積んでいない人形は、持ち主の生気まで吸い取りすぎてしまうし、濁りの部分だけを持ち主に残して、どうしようもない性悪にしてしまうこともあるし。だけどこのりかさんは、今までそりゃ正しく大事に扱われてきたから、とても、気だてがいい。」
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産後の朦朧とした頭では理解するのに時間がかかった。でも絶対深くて面白いのはわかる。落ち着いたら再度読み直してみようと思う。
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「西の魔女」だが、相変わらずの梨木ワールドを堪能できる。人形と心を通わせるお婆さんと孫娘が、関わる人形に込められたストーリーを紐解き、思いを解放していく。人形に限らず、古いものというのはいろいろな「もの」がこびりつくのだから、接する方(人間)が正しくないと、物もひねくれてしまう。...
「西の魔女」だが、相変わらずの梨木ワールドを堪能できる。人形と心を通わせるお婆さんと孫娘が、関わる人形に込められたストーリーを紐解き、思いを解放していく。人形に限らず、古いものというのはいろいろな「もの」がこびりつくのだから、接する方(人間)が正しくないと、物もひねくれてしまう。こういう考え方好きだなあ。
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人形が喋るのがすっと受け入れられる。 私が無くしてしまった・または持ってなかった憧れていた世界観です。
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魅かれた。 惹き込まれた。 気づいたらその世界の中にいるような感覚だった。 他の作品にも触れてみたい。
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古い市松人形が話すという、なんだかちょっと怖いような設定。 それが、ようこという女の子の目線と語り口によって解きほぐされ、気持ちは徐々に、人形たちが背負ってきた悲しみの方へ。 特に印象的なのは緊迫感をもって迫ってくる「アビゲイルの巻」 自分に子どもがいたら知っておいてもらいたいで...
古い市松人形が話すという、なんだかちょっと怖いような設定。 それが、ようこという女の子の目線と語り口によって解きほぐされ、気持ちは徐々に、人形たちが背負ってきた悲しみの方へ。 特に印象的なのは緊迫感をもって迫ってくる「アビゲイルの巻」 自分に子どもがいたら知っておいてもらいたいできごとだな。 個人的には併録されている「ミケルの庭」の方が響いた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「からくりからくさ」を読んだら、こちらも読みたくなるのでいつもセットで読み直している。 ようことりかさんの出会いと、人形たちの世界を覗くお話。 人形やいろいろなものとお話しする、心のうちを共有する、そういうのが大好きで空想していた子供だった私にはたまらない。 この小説はそんな「不思議」の話だけではなくて、やりきれない悲しみ、慈しみを受けることも与えることもできない苦しみ、嫌な相手との付き合い、感情の処し方、そういうことをうまく処理できないときのやり方をそっと見せてくれている。必要な人だけはっとして身を乗り出してよく眺めることができるような感じ。その辺りは「西の魔女が死んだ」に近いかもしれない。 その優しさがいつも私に染み入る。 冠と価値観の話とか、さりげなくこういうこと盛り込んでくるのがすごい。 全く理解できないのに、春の野原のような人形の笑い声を聴くことをうらやましいと思った、いつか子供たちがそれを聞けるようにと願ったマーガレットおばあちゃん。やっぱり子供もその子供も、ついでにその子供もあなたみたいな人間なのだ。同じことを追い求め続けていつも途方に暮れている。 でも子供の子供のマーガレットはちゃんと、遠い未来に、幸福に包まれて人形の笑い声を聞くのだ。 大量生産とか化学染料にちくりと刺すようなことも書いてあって、確かにそういう類の思いを私も抱くことはあるが、だからと言ってそんな風に判じるのは保留したいような複雑な気持ちがある。 例え個性の全くない工業製品でも、私の手に収まった時に特別な一つになって、心を通わせられるような気持ちになったりするし、そういう瞬間が好きで……。梨木さんもそれを否定は全くしないと思うけど。「いろんな枠組みの世界が重なり合って」いる、「全部合わせてそこそこ平均がバランスとれればいい」って、おばあちゃんの言葉に、そうだよね、と改めて思ったりする。
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リカちゃんが欲しいと頼んだようこに、おばあちゃんから 贈られたのは黒髪の市松人形のりかだった。 けれど、おばあちゃんが送ってくれた説明書を読んで、 人形を幸せにする為にお世話をすることにした。 りかさんと話が出来るようになった時、人形達の声が聞こえる。 それををおばあちゃんとりか...
リカちゃんが欲しいと頼んだようこに、おばあちゃんから 贈られたのは黒髪の市松人形のりかだった。 けれど、おばあちゃんが送ってくれた説明書を読んで、 人形を幸せにする為にお世話をすることにした。 りかさんと話が出来るようになった時、人形達の声が聞こえる。 それををおばあちゃんとりかさんと一緒に解決していく。 哀しすぎる思いが詰まった人形達。 思いは形を変えて受け継がれていく。 不思議で優しくて悲しくて温かいお話しでした。 「ミケルの庭」は、からくりからくさの続編なので 「からくりからくさ」を読んでから、ミケルの庭を読むことをお勧めします。
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メインのキャラは主人公よう子とおばあちゃん、2人と意思をかわすことができる市松人形りかさん。 ストーリーは人形と会話するということで読み始めは若干ホラーを感じたがそんなことはなく、他に登場する人形たちのストーリーも面白く読めたし、特に自分はおばあちゃんのよう子への終盤の言葉にすご...
メインのキャラは主人公よう子とおばあちゃん、2人と意思をかわすことができる市松人形りかさん。 ストーリーは人形と会話するということで読み始めは若干ホラーを感じたがそんなことはなく、他に登場する人形たちのストーリーも面白く読めたし、特に自分はおばあちゃんのよう子への終盤の言葉にすごく胸を打たれた
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