りかさん の商品レビュー
中学の頃に読んだ西の魔女が大好きで、12.3年ほど経った今、自然を感じられる本を読みたい気分になり、西の魔女を思い出して梨木さんの本を手に取った。 本書は、自然を感じる要素は多くなかったが、祖母と孫、りかさんを中心とした人形たちが織りなす純粋で不思議なファンタジーな世界観に魅了...
中学の頃に読んだ西の魔女が大好きで、12.3年ほど経った今、自然を感じられる本を読みたい気分になり、西の魔女を思い出して梨木さんの本を手に取った。 本書は、自然を感じる要素は多くなかったが、祖母と孫、りかさんを中心とした人形たちが織りなす純粋で不思議なファンタジーな世界観に魅了されなた。 これまで読んだ梨木さんの本に出てくるおばあちゃんは自然で、まっすぐで、強くて、聡明で、しなかやで、自分もこんな年の取り方をしたいと思わされる。 みなさん集合して住んだらどんな感じになるんだろうか、、
Posted by
子どもに読ませてあげたい本だと思う。西の魔女が死んだの本と似ている感じで祖母との不思議な交流や小さな子にも分かる説明。ファンタジーなのに学ぶことが沢山ある本だと思った。
Posted by
お雛様の時期に読みたいお話。私はお人形やぬいぐるみによく名前をつけていましたが、言葉が通じたらどのような話をしていただろうか。なんだか懐かしくて、毎年読みたくなります。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「からくりからくさ」で、不思議な存在感をもって蓉子たちを見守っていたりかさん。 これは、そのりかさんと幼い頃の「ようこ」、そしてまだ元気だったおばあちゃんのお話です。 『りかさん』 梨木香歩 (新潮文庫) リカちゃん人形が欲しい、と頼んだようこのところへおばあちゃんから送られてきたのは、なんと、おかっぱの黒髪に総ちりめんの振袖を着た市松人形だった! 古い油紙で包まれたお人形の箱には、筆で「りかちゃん」と書かれた半紙が一緒に入っていた。 「こんなのリカちゃんじゃない。」 ようこはがっかりする。 これが、ようことりかさんの最初の出会いだった。 ようこはりかさんと話すことができる。 りかさんが一緒にいると、他の人形たちの声も聞こえるのだ。 人形たちが語る過去をようこは聞く。 内裏雛の嘆き、ビスクドールの悲しい思い出。 汐汲(しおくみ)人形が台座の中で大切に守り続けていた黒こげの西洋人形「アビゲイル」は、戦争中、敵性人形として竹やりで突かれ、焼かれた辛い過去を持ったお人形だった。 この本は、ハードカバー版では児童書に分類されているそうだ。 でもこれは、子供だけのものにしておくのはもったいないと思うな。 大人こそ楽しめる不思議世界だ。 自分が体験したことのない世界や、よく分からない不思議な出来事に対する畏敬の念を持つことは、子供にとって必要なことだ。 ようこは子供の代表として、そんな世界に一歩を踏み込む。 頼りになるりかさんと一緒に。 ところで、文庫版には、書き下ろしの「ミケルの庭」が併録されている。 この短編は「からくりからくさ」の後日譚になっているので、「りかさん」しか読んでいないと、少し内容が分かりづらいかもしれない。 ミケルというのは、あの火事の夜にマーガレットが産んだ赤ちゃんなのだが、なんとこの物語はミケルの視点で書かれている。 「からくりからくさ」の深い地下水脈のイメージと違い、こちらは、高いところから世界を俯瞰しているような広さを感じる。 ただこれは、紀久のための物語でもあると思うので(紀久の心の問題は前作では解決していなかったんだよね) 、「りかさん」よりも「からくりからくさ」とくっつけた方がいいんじゃないのと思った。 時系列でいうと、 りかさん→からくり→ミケル の順番だ。 これまでの事情を知るためだけなら、「りかさん」を先に読んだ方が効率が良く合理的かもしれない。 でも、「からくりからくさ」を読むための知識としてだけ「りかさん」を読むのは、あまりに味気ない。 ぜひ「からくりからくさ」のフィルターを通して「りかさん」を読むべし。 “りかさんの不在”ということがどういうことかがよく分かります。 ところで、梨木さんの小説には、“母性”があまり描かれない。 「西の魔女が死んだ」も「からくりからくさ」も、“おばあちゃんと孫娘”の物語であり、“母親”はその他大勢の登場人物の中の一人でしかない。 今回の二編も、ようことりかさんとおばあちゃんの世界では、母親は完全な部外者だし(というよりも、むしろ分かり合えない対極の者として描かれている)、ミケルの母親であるマーガレットは、物語の初めから終わりまでずっと留守のままなのだ。 確執というほどではないにせよ、この作者の物語に登場する母と子の間には、目に見えない齟齬がある。 そういうもやもやも含めて、人間の代々の血の繋がりを見続けてきたお人形に、魂があるというのは頷ける。 ようこのおばあちゃん曰く、 「人形の本当の使命は、生きている人間の強すぎる気持ちをとんとん整理してあげることにある。」 吸い取り紙のように、人間の濁った感情を吸い取るのだそうだ。 これからは人形の見方が変わるなぁ。 でも、決して怖くはない。 市松人形が怖い人は、一度読んでみるといいかも。
Posted by
「りかさん」 誕生日におばあちゃんがくれたのが、欲しかったりかちゃん人形ではなく、市松人形の「りかさん」だったことから始まる。雛人形、賀茂人形、這子、紙雛、ビスクドール、色々な人形の思いや持ち主の思いををりかさんから教えられる。戦争中の日米親善大使としての人形の悲劇を改めて思い知...
「りかさん」 誕生日におばあちゃんがくれたのが、欲しかったりかちゃん人形ではなく、市松人形の「りかさん」だったことから始まる。雛人形、賀茂人形、這子、紙雛、ビスクドール、色々な人形の思いや持ち主の思いををりかさんから教えられる。戦争中の日米親善大使としての人形の悲劇を改めて思い知ることもできた。 「ミケルの庭」 赤ん坊の命を預かるということは、覚悟をもってやらなければと思った。ミケルの眼にまた景色が広がったときは心からよかったと思った。
Posted by
みんなが持ってるリカちゃん人形とは違う。 でもりかさんのほうが良い。ようこがそう思ってくれてコチラも嬉しく感じた。よかった。 心が清々しくなる優しいお話。 青い目の人形の話は辛かった。 傷つけられるために生まれた人形など居ないのに。 無抵抗のものに暴力を振るった人の狂気がとても...
みんなが持ってるリカちゃん人形とは違う。 でもりかさんのほうが良い。ようこがそう思ってくれてコチラも嬉しく感じた。よかった。 心が清々しくなる優しいお話。 青い目の人形の話は辛かった。 傷つけられるために生まれた人形など居ないのに。 無抵抗のものに暴力を振るった人の狂気がとても怖くて、悲しかった。
Posted by
リカちゃん人形が欲しかったようこは祖母にそのことを話したのだが、贈られてきたのは日本人形のりかさんだった。 最初こそがっかりしたようこだったが、徐々にりかさんの持つ魅力にすっかり虜になっていく。 多感な少女がりかさんを通して成長していく様が、清々しく描かれている。 小さい頃にた...
リカちゃん人形が欲しかったようこは祖母にそのことを話したのだが、贈られてきたのは日本人形のりかさんだった。 最初こそがっかりしたようこだったが、徐々にりかさんの持つ魅力にすっかり虜になっていく。 多感な少女がりかさんを通して成長していく様が、清々しく描かれている。 小さい頃にたくさん人形を持っていて、それでよく遊んだのを思い出した。今は甥っ子がそれで遊んでくれている。そういう脈々と受け継がれていくものっていいな。 目に見えるものだけが世界のすべてではないと忘れてはいけないね。
Posted by
子どもの頃に初めて読んだ時も優しいお話だなと感じたが、今読んでもじんわりと暖かくなる感覚があって、時々読みたくなる。
Posted by
人形にも草木にも想いがあって、それぞれの物語があるっていう梨木さんの考えが優しくってとっても好きだ。何度も読み返すと、そのぶん物語の深みを感じられるところも好きなところ。なんだかうまく言えないけれど、小さい頃のわたしがこの物語を好きでいてくれて良かったなあと改めて。
Posted by
人形の持つ物語は、時として人間よりもドラマティック。 動物も植物も人形も、地球上の全てが愛に支えられている。
Posted by