密謀(上) の商品レビュー
(2016.07.24読了)(2009.10.10購入)(1994.03.15・22刷) 2009年の大河ドラマ「天地人」に合わせて読むつもりだったのですが、読めずに積読になっていました。2016年の大河ドラマ「真田丸」に直江兼続が時々出てきますので、この際読んでしまうことにしま...
(2016.07.24読了)(2009.10.10購入)(1994.03.15・22刷) 2009年の大河ドラマ「天地人」に合わせて読むつもりだったのですが、読めずに積読になっていました。2016年の大河ドラマ「真田丸」に直江兼続が時々出てきますので、この際読んでしまうことにしました。 こちらのほうには、真田昌幸が二度ほど出てくる程度です。真田が徳川に責められたときに、上杉と真田が同盟して戦った話と小田原攻めの時に前田、上杉、真田が協力して八王子城などを攻めたという話です。 物語は、直江兼続が25歳の時から始まっています。世の中は、秀吉が柴田勝家を破り、秀吉が上杉に上洛を促してきているあたりです。 秀吉は、徳川に対しても上洛を促し、妹の旭姫を離婚させたうえで家康に嫁がせたりしています。 兼続を主人公として物語を進めてゆくには、兼続が情勢判断をする上での情報を集めてくれる人たちが必要です。ということで、情報を集めてくれる忍びの者たちに物語のかなりのページを割いています。 上杉は、蒲生氏郷の後釜として、会津に移封され体制固めをしているあたりに、秀吉の訃報が届き、天下の情勢が動きそうなところで、上巻が終わっています。 藤沢さんの小説は、実在の人物の話よりは、架空の人物の話のほうが面白いのではないでしょうか。この本がつまらないわけではないのですが、特別に面白いというわけでもないので。 【目次】 寒い朝 山上の武将 草の山里 巨大な渦 山野緑なり 景勝上洛 大阪城 兵火の野 網中の魚 歳月 西方の雷鳴 溢れる涙 ●茶屋四郎次郎(238頁) 家康は京都に入ると、茶屋四郎次郎の屋敷に宿を取った。茶屋は古くから家康に親近しており、家康にとって、その家ほど安心して泊まれる場所はなかったのである。 ●無駄に大きい(245頁) 秀吉の気宇はすでに信長を超えている。大阪城、聚楽第、すべて野放図に大きいものだった。実用を超えて巨大なものを着想し、実現したそのものをまわりに自慢したりする秀吉という人物に、景勝は漠然とした畏怖を感じないでいられない。 ●一代の英雄(318頁) 思い浮かべているのは、中国人で強豪毛利と対決し、ついで山崎の一戦で明智光秀を屠ったあと、ついに織田家随一の宿将柴田勝家を破って、信長の後継者の地位にのし上がった前後の秀吉のことだった。その柴田攻めの後、秀吉は北國の雄上杉に、恐れげもなく恫喝を加えて来たのだ。 ☆関連図書(既読) 「竹光始末」藤沢周平著、新潮文庫、1981.11.25 「たそがれ清兵衛」藤沢周平著、新潮文庫、1991.09.25 「市塵(上)」藤沢周平著、講談社文庫、1991.11.15 「市塵(下)」藤沢周平著、講談社文庫、1991.11.15 「真田幸村(上)」海音寺潮五郎著、角川文庫、1989.11.25 「真田幸村(下)」海音寺潮五郎著、角川文庫、1989.11.25 「軍師真田幸村」井口朝生著、成美文庫、1996.03.15 「真田三代(上)」火坂雅志著、文春文庫、2014.11.10 「真田三代(下)」火坂雅志著、文春文庫、2014.11.10 (2016年7月25日・記) 内容紹介(amazon) 織田から豊臣へと急旋回し、やがて天下分け目の“関ケ原"へと向かう戦国末期は、いたるところに策略と陥穽が口をあけて待ちかまえていた。謙信以来の精強を誇る東国の雄・上杉で主君景勝を支えるのは、二十代の若さだが、知謀の将として聞える直江兼続。本書は、兼続の慧眼と彼が擁する草(忍びの者)の暗躍を軸に、戦国の世の盛衰を活写した、興趣尽きない歴史・時代小説である。
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直江兼続のお話は多いし、私もかっこいいとは思うけど、私は上杉景勝に興味があるので、読んだ。 その景勝の方が、かっこいいシーンはこのお話の中で多いのではないだろうか。三成にも好感を持てる。でも、逆に主人公であるはずの兼続のキャラがなんだか薄い。。。さらっとしてる。 藤沢さんにフ...
直江兼続のお話は多いし、私もかっこいいとは思うけど、私は上杉景勝に興味があるので、読んだ。 その景勝の方が、かっこいいシーンはこのお話の中で多いのではないだろうか。三成にも好感を持てる。でも、逆に主人公であるはずの兼続のキャラがなんだか薄い。。。さらっとしてる。 藤沢さんにファンが多いのも知ってるし、もちろん嫌いじゃないけど、いつもなぜか残る物足りない感。なんだろう?
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緻密な文章はさすが。その場の情景や表情だけでなく、心の機微が思い浮かぶ。個人的に直江兼続の本としてはベスト。
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上杉家の軍師である直江兼続と与板の草である忍者について書いた本です。 時代的には、秀吉の傘下に入るかどうか、というところから、関ヶ原の戦いまでとなっています。 もちろん、メインとなるのは関ヶ原の戦い前夜ということになります。 ここまで主君の上杉景勝と一心同体で来たわけですが...
上杉家の軍師である直江兼続と与板の草である忍者について書いた本です。 時代的には、秀吉の傘下に入るかどうか、というところから、関ヶ原の戦いまでとなっています。 もちろん、メインとなるのは関ヶ原の戦い前夜ということになります。 ここまで主君の上杉景勝と一心同体で来たわけですが、徳川軍が撤退したときに追撃するか否かで意見が分かれてしまいます。 ここで義を貫き通すのが景勝で、それができず、今を生きようとした兼続との対比が面白かったです。 ↓ ブログも書いています。 http://fuji2000.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-b103.html
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★評価は読了後に。 流麗な文章には感心するばかりだが、戦国ものというダイナミズムそのものたる構図の中ではどんなものかなぁ?と思わなくもない。つまりスピーディーなリズムに欠けていて些か食い足りなさを覚えるんですな、贅沢な要求かもしれんが。 まぁ下巻でどうなるのか、やはり家康が鍵かな...
★評価は読了後に。 流麗な文章には感心するばかりだが、戦国ものというダイナミズムそのものたる構図の中ではどんなものかなぁ?と思わなくもない。つまりスピーディーなリズムに欠けていて些か食い足りなさを覚えるんですな、贅沢な要求かもしれんが。 まぁ下巻でどうなるのか、やはり家康が鍵かな?って結構楽しんどりますな、当方。
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司馬遼太郎の「関ヶ原」を読んで、この時代に関する他の書籍を探しているときに本書を見つけて入手。本書は上杉側から見た関ヶ原としての位置づけであるとともに、この時代に生きた草(忍び)の姿を教えてくれる。歴史小説は、同じ時代について書かれた複数のものをいくつか読むことで、より立体的にそ...
司馬遼太郎の「関ヶ原」を読んで、この時代に関する他の書籍を探しているときに本書を見つけて入手。本書は上杉側から見た関ヶ原としての位置づけであるとともに、この時代に生きた草(忍び)の姿を教えてくれる。歴史小説は、同じ時代について書かれた複数のものをいくつか読むことで、より立体的にその時代のことを知ることができると思う。関ヶ原を読んだ人であれば、重複する内容があるが、互いに補完するものとして読んで損はないだろう
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読んだきっかけ:妻が買ってた。 かかった時間:4/16-4/25(10日くらい) 内容:直江兼続伝。物語の始まりは、秀吉が柴田勝家を破り天下統一したあたりからスタート。上巻は、秀吉の死まで。 久しぶりの藤沢周平ですが、とっかかりに時間がかかった。 やはり、戦国時代は...
読んだきっかけ:妻が買ってた。 かかった時間:4/16-4/25(10日くらい) 内容:直江兼続伝。物語の始まりは、秀吉が柴田勝家を破り天下統一したあたりからスタート。上巻は、秀吉の死まで。 久しぶりの藤沢周平ですが、とっかかりに時間がかかった。 やはり、戦国時代は苦手なのか? しかし、時代背景と人間関係図が分かってくると、だんだん面白くなってきました。 織田→豊臣→徳川時代の潮流も、幕末と同じくらい理解の難しく、複雑な要素がからみあい、時代に生きた人たちを翻弄していたのだなぁと改めて感心。 直江が主人公だからでしょうか、徳川がちょっと悪者っぽく描かれそう。下巻でどういう描かれ方をするのか、楽しみです。
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反転する東軍への追撃を主張する兼続と、領地拡張の時期と主張する景勝の意見がぶつかり合うシーンが印象的。 また、兼続に仕える草たちの活躍もあり、退屈することなく最後まで読める秀作だと思います。
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鉄壁主従の足跡を伝える作品としては目新しい内容ではない。殊更詳しい訳でも 新たな像が披露されるのでもない。謂わば山場だけを綺麗に採り額へ収めた眺め 兼続入門書としても宜しかろう。寧ろ文学的に自分は攻られた。登場する様々な身分 その何れへも同等の筆圧でもって仕事の進む様が秀逸である...
鉄壁主従の足跡を伝える作品としては目新しい内容ではない。殊更詳しい訳でも 新たな像が披露されるのでもない。謂わば山場だけを綺麗に採り額へ収めた眺め 兼続入門書としても宜しかろう。寧ろ文学的に自分は攻られた。登場する様々な身分 その何れへも同等の筆圧でもって仕事の進む様が秀逸である。一作読んだだけでは 此の人が本来どの分野を庭として居るのか判らないだろう:自分には判らなかった。そのクセ 例えば童子に特有のナンセンスな言葉遣いなどは 夕日に映える紅い頬が見えるほどなのだから感服してしまう。
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藤沢氏出身県に縁ある上杉家の関ヶ原ストーリー。上杉景勝公と直江兼続のファンなら必読ではないでしょうか。影を支えた”草”の人々の人生にも思いを馳せる作品。
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