1,800円以上の注文で送料無料

一瞬の夏(下) の商品レビュー

4

35件のお客様レビュー

  1. 5つ

    9

  2. 4つ

    13

  3. 3つ

    7

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

上巻の割と明るめのト…

上巻の割と明るめのトーンとは異なり、次から次へと難問が降りかかる。読んでいる側でさえいらだってくるほどである(笑)それにしても主役であるボクサーは、ボクサーとして考えると苛立ってきてしまうが、人間的になんとすばらしい人だろう。本書とは少しずれるが、2005年2月に念願のご自分のジ...

上巻の割と明るめのトーンとは異なり、次から次へと難問が降りかかる。読んでいる側でさえいらだってくるほどである(笑)それにしても主役であるボクサーは、ボクサーとして考えると苛立ってきてしまうが、人間的になんとすばらしい人だろう。本書とは少しずれるが、2005年2月に念願のご自分のジムをもたれたそうです。下巻の最後の方で彼は、ボクシングとは全く異なった職業に就くというようなことを言っていたため、どういう経緯で再びボクシングの道へ戻ったのかは定かではないが、やはり彼にとって、そして作者に

文庫OFF

2026/04/22

評判の高い作品ですが、わたしには苦行でした。 一瞬の夏に辿り着くまでが長い長い。 永遠に終わらないかとまで思いました。 才能がありつつも若くしてリングを降りたカシアス内藤が、4年間のブランクのあと、再びボクシングに戻ってきた。 才能がありながら、いや、才能があったからこそ、練習...

評判の高い作品ですが、わたしには苦行でした。 一瞬の夏に辿り着くまでが長い長い。 永遠に終わらないかとまで思いました。 才能がありつつも若くしてリングを降りたカシアス内藤が、4年間のブランクのあと、再びボクシングに戻ってきた。 才能がありながら、いや、才能があったからこそ、練習嫌いで、なかなか結果を出せないままボクシングをやめてしまった彼を、再び栄光の座に送り出そうと思った著者の気持ちがどうにも解せない。 だって一度も自分とボクシングについて、きちんと対峙したことがない男が、まじめにやっていてもピークを越えたくらいの年齢で4年ぶりに戻ってきて、だからどうなの? 確かに所属ジムも内藤に親身ではなかったし、ボクサーである前にまず生活を考えなければならないし、自分の都合だけでボクシングの試合などできるわけがないけれど。 でも、私が読んでいるだけでも、彼には覚悟が全く足りないような気がした。 全力を出し切る前に、不満を言って言い訳をして、逃げ道を作っているように見えた。 そんな男に肩入れして、私費と時間を投入して、素人のくせに試合をマッチメイクさせようなんて、著者もどうかしていると思った。 帝拳ジムのマネージャー、長野ハルの言ったことが、一番親身でいちばん的を射ていたのではないか。 「あるボクサーがいて、とても素質があり、才能があるとするわね。そうしたら、ジムでほっとくはずがないのよ。きっとまわりが何とかすると思うわ。それがうまくいかないのは、まわりのせいじゃなくて、やはり本人のせいだと思うの」 「あなたは一年もトレーニングをしたといって感動しているけれど、四年もブランクがあって、一年くらいで元に戻ると思うのはボクシングを甘く見ている証拠よ」 「あなたは、たぶん、人間を買おうとしているんじゃなくて、夢を買おうとしているんだろうな。(中略)でもね、同じ夢を買うなら、もっと別のボクサーが……。あなたの夢に、内藤君はふさわしくないと思うの」 上下巻通して、引用したいと思うのが長野ハルのセリフだけ。 最後の試合の最後の最後に、カシアス内藤はやっぱり才能あるボクサーだったんだなあと思わせたけど、本気でボクサーとしてやっていこうと思うなら、なぜ生活のためとはいえ水商売を選んだの? なぜ子どもを作ったの? 結局、覚悟の足りない男に全部つぎ込んだ著者の見識をも疑ってしまうよ。

Posted byブクログ

2026/01/26

一瞬の夏 後編  東洋タイトル戦を実現するための情熱を描いた、カシアス内藤を含む関係者の葛藤である。元東洋チャンピオンから4年以上のブランクがあり体力的にも年齢的ににも下降しているのにモチベーションを上げての挑戦は並大抵のことではないはずだ。  結果、最後の最後で思わぬ結末が待っ...

一瞬の夏 後編  東洋タイトル戦を実現するための情熱を描いた、カシアス内藤を含む関係者の葛藤である。元東洋チャンピオンから4年以上のブランクがあり体力的にも年齢的ににも下降しているのにモチベーションを上げての挑戦は並大抵のことではないはずだ。  結果、最後の最後で思わぬ結末が待っているのだが、生まれてくる子供のためにも、勝ってチャンピオンになるよりも負けて違う道を歩んだほうが正解であったと納得させられるフィナーレとなった。何が幸せなのか考えさせられる作品である。

Posted byブクログ

2025/12/20

あたりまえのことを書くが、このノンフィクションにおいてどの場面にも常に存在しているのが沢木耕太郎本人である。語り手として、内藤の友人として、あるいはプロモーターとして積極的に事態にかかわっていく。しかし、できあがったこの『一瞬の夏』を読むと沢木の存在感が実に透明というか感情をほと...

あたりまえのことを書くが、このノンフィクションにおいてどの場面にも常に存在しているのが沢木耕太郎本人である。語り手として、内藤の友人として、あるいはプロモーターとして積極的に事態にかかわっていく。しかし、できあがったこの『一瞬の夏』を読むと沢木の存在感が実に透明というか感情をほとんど表に出さずに冷静に(あたかも、自分の匂いをかんぜんに消すようにして)振る舞っていることに驚かされる。存在していながら存在感を匂わせないストイシズムを貫徹した結果、ここまで贅肉を削ぎ落としたノンフィクションを作り出したことが凄い

Posted byブクログ

2025/11/02

深夜特急以来30年ぶり位の沢木耕太郎。 ボクシングという全く知らない世界の話で、最後まで読み切れるか不安だったけれど、あっという間に読み終わった。 ボクシングだけではなく、深夜特急のような紀行文の部分や契約の駆け引きも面白かった。 プロボクシングはスポーツではない、食うか食われ...

深夜特急以来30年ぶり位の沢木耕太郎。 ボクシングという全く知らない世界の話で、最後まで読み切れるか不安だったけれど、あっという間に読み終わった。 ボクシングだけではなく、深夜特急のような紀行文の部分や契約の駆け引きも面白かった。 プロボクシングはスポーツではない、食うか食われるかの闘いであるとつくづく感じた。 興行においてはもう尚更。

Posted byブクログ

2024/11/26

いろんなことを思う作品だったな。 人を導いたり教えたり託したりする事のもどかしさ。 カシアス内藤さんには弱点があったのかもだけど、それもなんとなくわかる気がするものだったな。 ボクシングに魅せられ翻弄された人たちのお話。 やるならしっかり悔いない様に。

Posted byブクログ

2024/05/19

子供の頃から斜に構えた人間だったので沢木耕太郎は意識高い人間が読むものだと読まず嫌いして避けて通っていたけれども本作は高校時代の友人が勧めていて、かつボクシングの話なので意を決して読んでみました。 結論としてはすごく面白くて夢中になって読みました。 カシアス内藤のことはうっす...

子供の頃から斜に構えた人間だったので沢木耕太郎は意識高い人間が読むものだと読まず嫌いして避けて通っていたけれども本作は高校時代の友人が勧めていて、かつボクシングの話なので意を決して読んでみました。 結論としてはすごく面白くて夢中になって読みました。 カシアス内藤のことはうっすらと知っていて結末に向かっていくにしたがってドキドキよりも不穏な気持ちの方が大きくなるかなと思いながら読んでいたけれども、結末に至るまでの人物と心の描写がすごくて、ああこれは沢木耕太郎信者が多いわけだと納得してしてしまいました。 やはり好きなジャンルのノンフィクションはいいものだなーと思いつつ、こう言う好きなジャンルでできる支援や応援はできる限り続けるべきだよなと思いました。Support you localってことだね。

Posted byブクログ

2024/02/10

体力的な衰えだけでなく精神的な持続力も翳りを見せてきたカシアス内藤。その彼が対戦を望む韓国の柳選手との試合を実現させようと東奔西走する作者の前に様々な問題が立ちふさがる。 困難があっても簡単に諦めるのではなく、どうすれば実現できるかと考えながら行動することが大切だ。 カシアス内藤...

体力的な衰えだけでなく精神的な持続力も翳りを見せてきたカシアス内藤。その彼が対戦を望む韓国の柳選手との試合を実現させようと東奔西走する作者の前に様々な問題が立ちふさがる。 困難があっても簡単に諦めるのではなく、どうすれば実現できるかと考えながら行動することが大切だ。 カシアス内藤のその後を知りたいと思った。

Posted byブクログ

2023/04/12

沢木耕太郎の一瞬の夏を読みました。 ノンフィクションで落ちぶれてしまったボクサーを、もう一度チャンピオンにするために援助して頑張るのですが、最後はタイトル通りと言う感じです。 淡々と話が流れる感じで、後半盛り上がり中々面白かったです。

Posted byブクログ

2023/03/27

元東洋チャンピオン・カシアス内藤と東洋チャンピオン・柳済斗との再戦の実現に向けて、動き出す。 柳サイドとの交渉に奔走する『私』。 柳とのタイトル戦が何度も延期となり、生活のために、トレーニングを犠牲にして、働くカシアス内藤。 そんなカシアス内藤に苛立つエディ・タウンゼント。 ...

元東洋チャンピオン・カシアス内藤と東洋チャンピオン・柳済斗との再戦の実現に向けて、動き出す。 柳サイドとの交渉に奔走する『私』。 柳とのタイトル戦が何度も延期となり、生活のために、トレーニングを犠牲にして、働くカシアス内藤。 そんなカシアス内藤に苛立つエディ・タウンゼント。 柳済斗との再戦へのそれぞれの想いにずれが生じ始める… 『オトシマエ』をつけることはできるのか… ノンフィクションだから、ドラマティックなものを求めるべきではないのか… なんだかもどかしい… 何かもの足りない… カシアス内藤に何か共感できないものがある… もっとやれるだろって、感じる… 何かどこかで逃げているような… 何かもの足りない… 小説の主人公にはなり得ないんだろう。 ボクシングで本当に生活できるのはほんの一握りなんだと。 東洋チャンピオンになったにもかかわらず、生活が苦しいなんて… 結局、カシアス内藤は負けて、内藤純一として、夫として、父親として、生きることが1番よかったのだろう。 ディスコの店長が言ったように。 『負けた方がお前のためにはいいかも』

Posted byブクログ