あらしのよるに の商品レビュー
あらしのよるに、一匹のヤギが、やっとのおもいでたどりついた 壊れかけた小さな小屋で雨風をしのいでいた。 その小屋に同じく雨風をしのぐためにやってきた者がいた。 ひづめの音がしたので、相手もヤギだと思った、 ヤギは、やってきた者に話しかけた。 「すごい あらしですね。」 暗...
あらしのよるに、一匹のヤギが、やっとのおもいでたどりついた 壊れかけた小さな小屋で雨風をしのいでいた。 その小屋に同じく雨風をしのぐためにやってきた者がいた。 ひづめの音がしたので、相手もヤギだと思った、 ヤギは、やってきた者に話しかけた。 「すごい あらしですね。」 暗闇を表現する手法が懐かしい。 クレヨンで画用紙をカラフルに満遍なく塗ったあとに、 上から黒で塗りつぶす。 そして、先のとがったもので、線を描いていく。 すると、黒の中に、カラフルな線が浮かび上がる。 幼稚園の頃、そうやって絵を描いたことがあるのを思い出した。 暗闇の中に浮かび上がる線。 視界がまったく利かないことがこれで表現されつくしている。 ひづめの音とヤギが理解したのは、実は、棒切れ。 怪我をしたオオカミが杖の代わりについていたのだった。 オオカミもヤギも、お互いに誰だか気づいていない。 暗闇である上、二匹とも鼻かぜを引いている。 匂いもわからないというわけだ。 お互いはお互いの声を聞いたときに、 「オオカミみたい」「ヤギみたい」と思うのだが、 失礼だと思って言わないでいた。 読者は、「オオカミ」と「ヤギ」の両方が見える。 正直に語り合っているふたりだが、肝心のところが伝わっていないままだ。 お互いに、ある事実に目をつぶっていると、 ヒントが出ていても気づかないものだというのが、 両方が見えているから、よくわかる。 「うまいえさ」と同じ言葉を使いながら、当然違うものをさしている。 どうにもごまかしようのない「答え」を お互いに言ってしまいそうになると、 自然現象がタイミングよく邪魔をする。 かみなりがなってお互いの声が聞こえなくなるのだ。 子どもの頃に親から言われたことも同じ。 食が細く、足も遅かった2匹は、「もっとくえ、もっとくえ」、 「はやく はしれないと いきのこれないわよ」と言われて育つ。 そんな「共通点」から、次第に親近感を持っていく二人。 今度は、自然現象・いなずまが、「答え」を提示しようとする。 さっきのかみなりとは、逆の役割を果たそうとする。 だが、ふたりは、片や下を向き、片やしっかりと目をつぶっていた。 ふたりの究極の共通点は、かみなりが苦手なことだ。 かみなりが鳴ったとき、 ふたりはしっかりとからだをよせあってしまったのだ。 ふたりを究極に近づけさせてしまったのは、 おそらく、この「弱み」なのだろう。 強くて元気なときではなく、弱っているときに出会い、 最初から「弱み」をさらけ出してしまった。 ふたりは再会を約束するのだが・・・。 この作品は、最初は、続編を出すつもりがなかったのではないかと思う。 この続きの話の、『あるはれたひに』以降は、 結末まで描き切る決意で書き進められていると思うのだが、 このときは、これで終わらせるつもりだったのではないか。 この作品は、読者に続きを永遠に想像させ、 続けなくてもよかったのだと思う。 だが、続けても成功したという、貴重な作品なのではないかと思う。
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内容紹介 荒れ狂った嵐の夜、やっとの思いで白いヤギは小屋にとびこんだ。そこに入ってきたのがオオカミ。「こんばんは」 まっくらな中で知らずにおしゃべりするうちに…。94年刊の愛蔵版。
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嵐の夜に、真っ暗な小屋の中で山羊と狼に芽生えた友情の物語りです。 けっこう売れてる絵本みたいだけど、読んだことある人いるかな? シリーズ物らしく、全部で6冊あるみたい。 ? あらしのよるに ? あるはれたひに ? くものきれまに ? きりのなかで ? どしゃぶりのひ...
嵐の夜に、真っ暗な小屋の中で山羊と狼に芽生えた友情の物語りです。 けっこう売れてる絵本みたいだけど、読んだことある人いるかな? シリーズ物らしく、全部で6冊あるみたい。 ? あらしのよるに ? あるはれたひに ? くものきれまに ? きりのなかで ? どしゃぶりのひに ? ふぶきのあした ?では、 嵐から逃れて入った真っ暗な小屋の中で、山羊と狼が仲良くなり、 再会を約束してお互いに小屋から去って行くところで話しが終わってます。 真っ暗な夜だったから、お互いに相手の姿は見てません。 山羊は、相手が天敵の狼だと知らず、 狼は、相手が大好物の山羊だと知らないのです。 かな〜〜〜り続きが気になります。 全部読むと、友情と冒険のけっこう大きな物語りらしいですよ。
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あべさんいわく この大型版と元の本とは色彩が少し違う。 色彩は、原画が基本だけれど、本にするためには印刷のインクになる。 何枚もテストされたら、その中で原画の思いに近いものを選ばれるらしい。 その絵を選ばれている姿を思い出した。 旭川のラーメン屋さんでそんな話をしてくれました。 ...
あべさんいわく この大型版と元の本とは色彩が少し違う。 色彩は、原画が基本だけれど、本にするためには印刷のインクになる。 何枚もテストされたら、その中で原画の思いに近いものを選ばれるらしい。 その絵を選ばれている姿を思い出した。 旭川のラーメン屋さんでそんな話をしてくれました。 シリーズ7巻(登録省略) あべさんファンはどちらも購入すべし。
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何年か前に、中村獅童の声で教育テレビのてれび絵本でやってました。 アニメの映画にもなりましたね。映画版は絵の感じが好きではないので見てませんが。 絵本はシリーズ化されて、最初6巻目の『ふぶきのあした』までで終わっていたのですが 「ガブ(オオカミ)は一体どうなったの?」という問い合...
何年か前に、中村獅童の声で教育テレビのてれび絵本でやってました。 アニメの映画にもなりましたね。映画版は絵の感じが好きではないので見てませんが。 絵本はシリーズ化されて、最初6巻目の『ふぶきのあした』までで終わっていたのですが 「ガブ(オオカミ)は一体どうなったの?」という問い合わせや続編を切望する声が多く 特別編や、最後の完結編『まんげつのよるに』ができたそうです。 まず最初の『あらしのよるに』は… ある嵐の夜、1匹のヤギ(メイ)が、山小屋に避難します。 同時に1匹のオオカミ(ガブ)も同じ山小屋に避難します。 真っ暗な闇の中、かぜ気味で鼻の利かない2匹は、お互い相手を自分と同種の動物と勘違いしたまま 夜通し語り合い、途中雷であたりが明るくなっても偶然の連続でお互いの姿を見ることも無く、 とうとう意気投合してしまいます。 そして「あらしのよるに」を合い言葉に、翌日再び会う約束をします。 この本一冊だけだと、単純にハラハラドキドキ。うわ〜バレる、バレちゃうよぉ〜と、 まるで小さい頃『八時だよ全員集合』で「志村ぁ〜!後ろ、後ろぉ〜!」とテレビに向かって叫んだような スリル満点の楽しい絵本です。 しかし、2冊目3冊目と読み進めていくと、話がどんどんディープになっていきます。 オオカミとヤギの種を超えた禁断の友情。秘密の逢瀬を重ね、ばれそうになり、追い詰められると 仲間を捨てて、二人だけの世界を求めて逃避行。 韓流ドラマも大映ドラマも真っ青のどろどろドラマです。 逃げている間、ガブは雪山のなだれに巻き込まれて、消えてしまいます。 『ふぶきのあした』でここまで終了。当然読者不完全燃焼。 待望の最後の完結編『まんげつのよるに』では、ガブは記憶喪失になっていて、 すっかり腹をすかせたただのオオカミ。 もはやうれしい親友メイとの再会も、ご馳走が自ら懐へ飛び込んできた、位にしか 考えません。 そこで嘆き悲しんだメイがある言葉を叫ぶと、ガブの記憶も戻り…再会を再び喜ぶと、 やっぱりドロドロドラマにありがちな展開。 絵本では、さすがにイイ感じな終わり方で、お子様は安心して読み終えられる内容だけど 文庫版は、実はさらにその先衝撃の結末が待っています。でも一応ハッピーエンド。 種を超えた友情は、二人だけがお互い幸せでも、そのまま共に生きていくのは無理がある。 二人のハッピーエンドは、こういう結末しかないのかな…。と考えさせられます。 シリーズ読破して、しかも文庫版まで読んでしまった私が言うのもなんですが、 これは一番最初の『あらしのよるに』だけ読むのが一番楽しいかもしれません。
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2匹の間に流れる微妙な距離感に、友情より恋心を感じさせられる作品。オオカミのガブの話し方がお気に入り。
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あまりにも有名な絵本ですが、幼稚園児より大きい子向けかな、という気がします。 私としてはアニメの絵ではなく、あべ弘士さんの絵で楽しみたい。大人が読んでも面白いので、ぜひシリーズで。
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《じーん》いいスわ〜コレ。最初1巻で完結の予定が読者の声で6巻までとなり、さらに番外編が出たり今年になって7巻が出てようやく本当のほんとに完結!?なのかどうなのか。。誕生から10数年を経て、小説化、映画化(好きくない)教科書に載るなど、、かなり全国区なのですね。僕は先週知ったクチ...
《じーん》いいスわ〜コレ。最初1巻で完結の予定が読者の声で6巻までとなり、さらに番外編が出たり今年になって7巻が出てようやく本当のほんとに完結!?なのかどうなのか。。誕生から10数年を経て、小説化、映画化(好きくない)教科書に載るなど、、かなり全国区なのですね。僕は先週知ったクチですけど。読み進めていくと悲劇が待ってそうだったので途中で止めときました。昼休憩で涙流すのは違う気がして。。これは立ち読みじゃなくて買って読むべき絵本(大型版のほうね)でしょう。
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とても人気のある絵本の第一作。プロローグのような内容で、続きが読みたくなりました。絵も素敵です。お気に入りの一冊。
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「あらしのよるに」シリーズ第一巻。(本編6巻・番外1巻) ガブとメイの友情のお話、最終巻は正直泣けました。
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