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新源氏物語(下) の商品レビュー

4.4

25件のお客様レビュー

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あくまで個人的感覚で…

あくまで個人的感覚ですが、現代人(特に若い人)なら、この田辺源氏が一番入りやすいのではないでしょうか。与謝野源氏は女性よりの視点、谷崎源氏は文章が格調高い、もちろん原本挑戦など無謀。そういう人にお勧めです。最終巻。院の娘との新たな結婚、紫の上の懊悩。「源氏物語」で一番美しいのは、...

あくまで個人的感覚ですが、現代人(特に若い人)なら、この田辺源氏が一番入りやすいのではないでしょうか。与謝野源氏は女性よりの視点、谷崎源氏は文章が格調高い、もちろん原本挑戦など無謀。そういう人にお勧めです。最終巻。院の娘との新たな結婚、紫の上の懊悩。「源氏物語」で一番美しいのは、この紫の上が亡くなる場面だと思います。発禁になったり様々な風にさらされながらも、永い時を経てこの物語が読み継がれてきたのは伊達じゃない。そう思います。

文庫OFF

紫の上が亡くなり光源…

紫の上が亡くなり光源氏が出家を思い立つまで。下巻はかなり波乱万丈です。田辺版源氏物語は注釈なく読めるし、現代的な文章なのに平安の雅やかさを失っていないステキな仕上がりになっています。

文庫OFF

2024/03/10

光源氏の晩年の心理が細やかに描写され読み応えがあった。上巻序盤のエロ小説感は全く感じない。1000年読み継がれてきた理由がよくわかった。

Posted byブクログ

2024/02/03

「多くの恋をし、恋心の煩悩と呪縛に苦しむ源氏は、最愛の女人・紫の上を失って、初めて愛の意味を知る。悲しみに閉ざされたままの源氏は、出家を決意する。下巻には、「花散りし梅が枝に残る匂いの巻」より「夢にも通えまぼろしの面影の巻」までを収める。遠く平安時代も、今も全く変らない恋愛心理、...

「多くの恋をし、恋心の煩悩と呪縛に苦しむ源氏は、最愛の女人・紫の上を失って、初めて愛の意味を知る。悲しみに閉ざされたままの源氏は、出家を決意する。下巻には、「花散りし梅が枝に残る匂いの巻」より「夢にも通えまぼろしの面影の巻」までを収める。遠く平安時代も、今も全く変らない恋愛心理、愛の物語「源氏物語」を、新しい現代の言葉で描いた『新源氏物語』本編、堂々完結。]

Posted byブクログ

2023/04/12

「梅枝」から「幻」まで。准太上天皇の位に昇り、栄華は極まる。そんな光源氏の足もとを少しずつ崩壊させてゆくような第二部、何度読んでも運命の苛酷さに震撼させられます。

Posted byブクログ

2023/08/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

- 同じ田辺氏の著書「光源氏ものがたり・中」に「このあたり(若菜)から『源氏物語』本編の低音部に、不気味な重苦しい調べがついてまわるようになります。ここにいたって『源氏物語』は、はなやかな恋の物語から、重厚で、まことに辛いおとなの物語になるのです。」とあるように「若菜」以降の巻には「生」と「死」が背後にあって読み応えがありました。 晩年の光源氏は、世間体を気にしながらも未だ自分本位に生きているような。同年代の登場人物に比べて見た目が若々しいというのも、その表れではないのでしょうか。殿に振り回される女人たちに同情します。 そんななか「つらき世をふり捨てがたき鈴虫の巻」で未練がましく言い寄ってくる源氏を女三の宮がバッサリと切り捨てたのは胸がスカッとしました。物語後半のキーパーソンとなる女三の宮、六条院の聡明で隙のない他の妻たちと比べると不完全な人格であるが故に愛すべきところもあり、「他人がどうであろうとワタクシの知ったところではない」と我関せずを貫く様も私は嫌いではありません。

Posted byブクログ

2021/10/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

上巻、中巻に続いて読了しました。 明石の女御(ちい姫)が、育ての母である紫の上にも、産みの親である明石の上にも親しく接していて、とても好感がもてました。主上に帰ってこいと急かされながらも実家に留まり、紫の上の最期に立ち会えたときも、寂しいけれど美しい場面でした。 柏木の衛門督と女三の宮の話は、なんだか女三の宮が気の毒で…それにしても、源氏は2人とその子である薫にそれとなく辛く当たる場面は、気持ちは分かるけど自分のことを棚にあげて…と複雑な気持ちになりました。 読み終わったとき、続きが気になる終わり方だなと思いましたが、原作は続きがあるんですね。薫のこともそうですが、夕霧と雲井雁、女二の宮のことが途中で終わってしまっています。玉鬘も子供をたくさんもうけたとありますが、その後ちゃんと幸せになれたかどうかも気になります。 他の方が訳した源氏物語にも是非チャレンジして、続きを楽しみにしたいと思います。

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2020/06/25

田辺源氏、再読です。 実は今、橋本治の窯変源氏を読み途中なのですが、解釈が独特過ぎて(!)原作が気になったのだけれどもちろん原文は読めないので、私の中で一番わかりやすいイメージの田辺源氏を読んでみることにしたのです。 窯変源氏で引っかかったのは、若菜上下と柏木の帖。 田辺...

田辺源氏、再読です。 実は今、橋本治の窯変源氏を読み途中なのですが、解釈が独特過ぎて(!)原作が気になったのだけれどもちろん原文は読めないので、私の中で一番わかりやすいイメージの田辺源氏を読んでみることにしたのです。 窯変源氏で引っかかったのは、若菜上下と柏木の帖。 田辺源氏では、柏木は普通に恋してました。女三宮もそれなりに。 彼女が死に間際の柏木に宛てた返歌、 立ち添ひて 消えやしなまし憂きことを 思ひ乱れる煙くらべに についての解釈はしみじみと嬉しい、とあったので意外でした。 窯変源氏では、女三宮が書いた時点では投げ遣りな歌でしかなかったのに、柏木の病床で読むと慕いあう者同士の相聞歌にきこえ、柏木は感動してたんですよね。深読みすぎる解釈かなと。 ちなみに円地源氏では柏木の気持ちには触れられておらず、寂聴の女人源氏でも、女三宮の語り口なので特に書かれてませんでした。 そして、虚しい返歌に失望し自嘲するという印象的な解釈はあさきゆめみしにありました。 やっぱり源氏って面白い。訳者によってこんなに雰囲気が変わるとは。 なんだか田辺源氏の感想じゃなくなってしまった…

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2019/08/13

桜の花が「可憐から豪華へ、そして、散って行く」ような最終章。 桜が散り際に、少し凶々しくなる事があるように、 女三ノ宮が陰を落とす。 紫の上の心理描写は秀逸。 これで、紫の上は、 世界で最も美しいヒロインの一人にして、 誰からも好感を持たれるという地位を確立した気がする。

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2018/12/09

光源氏が出家を決意するところで完結。次なる物語がまだあるらしい。あとがきにもあるが、原作者の紫式部という人の偉大さがよく分かる。芸術、人々の思いなど実に多彩な内容が描かれている。1000年もの間読み継がれているという事実に改めて驚くが、原作当時の仏教の捉え方というのも面白い。

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