食卓の情景 の商品レビュー
食をキーワードにして…
食をキーワードにして、著者が数々の思い出を綴ったエッセイ集。少年時代から、芝居の脚本家時代、昭和47~8年頃の連載当時までのエピソードが著者独特の筆致で再現されている。しかし、どの話にも情緒があるなー。今にしてみれば、「昔は良かった」の事例を集めた様な本ではなかろうか。
文庫OFF
人は、若い頃の思い出…
人は、若い頃の思い出の中の味を老いと共に再度味わいたくなるものなのかなと思いました。
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久しぶりに本棚から取り出して読んでみた。時代小説の大家である作者の日々の食事がどれも美味しそうに描かれている。池波さんの時代小説は読んだことが無いがきっと食事の場面も上手に買いているんだろうと想像した。フットワーク軽く様々な所に出向いて食べる食事は凡人には真似できないが、美味しさ...
久しぶりに本棚から取り出して読んでみた。時代小説の大家である作者の日々の食事がどれも美味しそうに描かれている。池波さんの時代小説は読んだことが無いがきっと食事の場面も上手に買いているんだろうと想像した。フットワーク軽く様々な所に出向いて食べる食事は凡人には真似できないが、美味しさを想像して面白く読むことが出来ました。時代小説にもチャレンジしようと思いました。
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『鬼平犯科帳』『剣客商売』で有名な時代小説家・池波正太郎先生の食に纏わるエッセイで、鮨、鰻、チキンライス、ポーク・カツレツ、カレーライスなど思わずお腹が空いてくるような筆致と先生が過ごした昭和の情景描写、自身の作品と食事の深い結びつきが印象的で、思い出した時に繰り返し読みたくな...
『鬼平犯科帳』『剣客商売』で有名な時代小説家・池波正太郎先生の食に纏わるエッセイで、鮨、鰻、チキンライス、ポーク・カツレツ、カレーライスなど思わずお腹が空いてくるような筆致と先生が過ごした昭和の情景描写、自身の作品と食事の深い結びつきが印象的で、思い出した時に繰り返し読みたくなる作品だった。
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2025 食欲の秋 〜私の知らない昭和の美味しいもの そして池波正太郎さんの人生〜 タイトルは『食卓の情景』ですが、私の生まれる前の「昭和の情景」も伝わってきます。池波正太郎さんのエッセイです。“うまい、うまい”と書いてあると、出てくる食べ物が美味しそうに感じ、味わいたくなって...
2025 食欲の秋 〜私の知らない昭和の美味しいもの そして池波正太郎さんの人生〜 タイトルは『食卓の情景』ですが、私の生まれる前の「昭和の情景」も伝わってきます。池波正太郎さんのエッセイです。“うまい、うまい”と書いてあると、出てくる食べ物が美味しそうに感じ、味わいたくなってきます。食べ物のみならず、文章も味わい深く読みやすいです。絵が見えるような文章だなと思います。 私が好きなお話は、“梅雨の湯豆腐”“チキンライス”“とんかつとカツレツ”“カレーライス”“縁日”“菓子”です。 “カレーライス”のお話の中の先生と、10歳の池波くんの心温まるエピソード。じーんときました。池波さん流カレーレシピも載っています。スープカレーのようなものがお好みのようです。 “菓子”のお話に出てくる京都「村上開新堂」《好事福盧(こうずぶくろ)》みかんゼリーのようなもの。美味しそうです。 池波さんの生い立ちから仕事の遍歴、執筆時のひと工夫や、苦労話、小説が生まれ出る瞬間のことまで記されていて、読んでいてお得感がありました。表紙絵、挿画も自筆とのこと。素晴らしき才能! 池波さんは、本音丸出しで書いているので、良かった飲食店はもちろん、気分を損ねた飲食店についても言及しています。よく観察しておられる。 おそらく、また本書を読みたくなると思います。
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池波正太郎氏の食べ物に関するエッセイ。あとがきに『いわゆる食通でもないし』とあるが、池波氏が食通でなければ誰が食通ですか。食日記が作品として許されるのは、池波氏ならではです。昼前に第一食、メインの夕食、そして夜食、寝るのは夜明け前と、とても健康的とは言えない食生活ですね。
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その食の味だけでなく、作り手の思いや給仕する人達の親切さ、その時の情景や家族との思い出などなど。。。様々な要素が重なった食卓の情景が、著者の思いのままに綴られている。いくつか読んだ池波さんの食に関するエッセイの中では今のところ一番良かったかも。 掲載されている数々のお店には残念な...
その食の味だけでなく、作り手の思いや給仕する人達の親切さ、その時の情景や家族との思い出などなど。。。様々な要素が重なった食卓の情景が、著者の思いのままに綴られている。いくつか読んだ池波さんの食に関するエッセイの中では今のところ一番良かったかも。 掲載されている数々のお店には残念ながらもうないお店もあるようですが、少しずつ訪問し池波氏の見たその情景を味わいたいと思います。
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孤独のグルメが今のメシ物語の中興の祖なら、池波正太郎氏のグルメエッセイは始祖的存在でしょう 池波氏の書いた時代から三回りもしているような現代でも面白く、粋というのはこういうものかと思わせ読ませてくれます コスパ、タイパと言われる今こそまだおおらかだった頃、店と客の双方がお互いの文...
孤独のグルメが今のメシ物語の中興の祖なら、池波正太郎氏のグルメエッセイは始祖的存在でしょう 池波氏の書いた時代から三回りもしているような現代でも面白く、粋というのはこういうものかと思わせ読ませてくれます コスパ、タイパと言われる今こそまだおおらかだった頃、店と客の双方がお互いの文化を育てた時代を読み回帰したくなるかなと思います
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新潮文庫 池波正太郎 「食卓の情景」 食のエピソードのなかに自伝的要素や人間ドラマが多く織り込まれたエッセイ。著者の人生観、仕事観も垣間見ることができる。なかでも、師匠の 長谷川伸 とのエピソードは 感動的であり、長谷川伸に興味を持った 人気作家たる ゆえん を感じさせ...
新潮文庫 池波正太郎 「食卓の情景」 食のエピソードのなかに自伝的要素や人間ドラマが多く織り込まれたエッセイ。著者の人生観、仕事観も垣間見ることができる。なかでも、師匠の 長谷川伸 とのエピソードは 感動的であり、長谷川伸に興味を持った 人気作家たる ゆえん を感じさせるのは、人間観察力の鋭さ。食より料理人の姿勢や店のサービス を見ている。歴史小説家となる前の仕事遍歴〜株屋、東京都職員、演劇脚本家〜のエピソードも 人間観察力の鋭さを感じさせる 家庭を「巣」と表現し、巣を守るために 嫁と姑のいさかいをおさめ、食事を一人で食べることになった エピソードも 古き良き時代を感じさせる。「こうしたとき、一家の主である男は、二人の女に屈服するか、二人の女を屈服させるか、どちらかを選ばなければならない」 食と人生を捉えた名言「人は死ぬために生まれてくる〜死ぬことを考えると、だれだって 気が滅入る〜しかし、人間は あたたかい飯〜を口に入れた瞬間に、生きていることの幸福 を感じるようにできている」 「うちのものはこれでいいのだ」とおもいこみ、他店をめぐり歩いて絶えず食べくらべていないと世の中に取り残されてしまう」 著者は フランス映画から フランス人の食事への執着心を論じている。なるほどなエッセイだった。たしかに ロートレックは 料理を芸術と言っているくらいだし、食文化は 国民性を顕著に示すのかもしれない 「ひとりで旅に出ることは、おのれを知ることになる」は名言
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半歩遅れの読書術池波正太郎の描く『食卓の情景』 澤田瞳子 味覚に重なる人々の哀歓 2022/5/14付日本経済新聞 朝刊 小さい頃からテレビ時代劇が好きで、毎夜8時には必ず宿題を済ませてテレビの前に座っていた。ブラウン管の中のお江戸を愛しすぎ、通っていた小学校が江戸南町奉行所にな...
半歩遅れの読書術池波正太郎の描く『食卓の情景』 澤田瞳子 味覚に重なる人々の哀歓 2022/5/14付日本経済新聞 朝刊 小さい頃からテレビ時代劇が好きで、毎夜8時には必ず宿題を済ませてテレビの前に座っていた。ブラウン管の中のお江戸を愛しすぎ、通っていた小学校が江戸南町奉行所になった夢を見たことがあるほどだ。 時代小説を読み始めたのもテレビ時代劇の原作への興味がきっかけで、おかげで野村胡堂の『銭形平次捕物控』や横溝正史の『人形佐七捕物帳』は小学生の頃から読んでいた。ただ大半が原作小説を読むだけで満足していた中、珍しく1人の著者の作品を全制覇するに至ったケースがある。それが故・2代目中村吉右衛門が演じて大人気となったシリーズ『鬼平犯科帳』の著者・池波正太郎の作品群で、ことに『食卓の情景』(新潮文庫)は「この作者についてより知りたい!」と強い関心を持って手に取った随筆集である。 当時、池波氏は我が家でよく話題に上がる方だった。私と同業であるわが母・澤田ふじ子が新人賞をいただいた際、選考委員のお一人が池波氏だったからだ。池波氏は新人の母を細やかに気遣ってくださり、母はそれを恩として、最終的に氏が亡くなられるまでずっと、折ごとの挨拶を欠かさなかった。 「先生は美味(おい)しいものがお好きでいらっしゃるから、お送りするものに悩むのよねえ」 言いながら母がお送りした様々な美味のうち、池波氏が結局一番喜ばれたのは、母の知人が京都府北部の山間で育てていた地鶏の有精卵だった。産み落とされた当日の内に運ばれてくるそれはあまりに新鮮すぎるため、茹(ゆ)で卵にしても市販の卵のように殻がつるりと剥(む)けない。池波氏が多用なさった表現の一つに、女性の肌の美しさを「剥きたてのゆで卵」に例えるものがあるが、池波作品を片っ端から読んでいた10代の私はその表現に接するたび、我が家の食卓にも上がる卵を通じて池波氏とつながっているようで、何やら嬉(うれ)しくなったものだ。 『食卓の情景』には数々の美味が登場するが、それらはただの味覚としてのみ語られるわけではない。女手一つで氏を育てた母親の生きる活力、亡き人を偲(しの)ぶ熱い酒と東京の蕎麦(そば)、少年の氏が弟子入りを決意したどんどん焼きの屋台……数々のおいしい食べ物の向こうには、氏を含めた人々の人生と密(ひそ)やかな哀歓が重なり合っている。そう思うと松茸(まつたけ)や筍(たけのこ)といった高価な美味より、地鶏の卵をもっとも喜ばれた事実がますます身に迫り、私はまた氏の作品を次々と読み返すのである。 (作家)
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