変身 の商品レビュー
何とも言えない作品。 ネタバレせずに感想を語るのが難しい。 でも、科学の進歩の名の下に自分勝手に人を利用する人っているよな、と思う。 結末の想像がつかない展開で、一気に読んでしまいました。
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ずっと暗めだったから星4。 とても優しい性格の主人公が、徐々におかしくなっていく。 精神的にちょっとおかしい人ってこういう思考をしているんだって分かって、怖くなった。
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脳移植を受けた成瀬純一が、実はドナーが犯罪者からのもので、嗜好や性格がどんどん豹変していってしまう様が切なく苦しかった。前はするする描けていた絵が描けなくなったり、好きだった映画がつまらなく感じるようになったり、好きだった料理を残すようになったり…辛すぎる。彼女の恵の勇敢さ、一途さに心打たれた。成瀬純一を取り戻すようなラストの展開にはほろっとくるものがあった。自分を失うことの哀しさ、唯一無二のその人らしさ、アイデンティティの大切さを噛み締められる作品。
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脳移植手術を行われた青年のその後の変化とドナーについて描かれた作品。 話の内容自体はとても奇妙で恐ろしいものだが、展開は自分が読んできた本の中でも断トツといってもいいほど面白かった。あまり書きすぎるとネタバレになるので内容はあまり書けない。脳移植を行われた青年・成瀬純一が術...
脳移植手術を行われた青年のその後の変化とドナーについて描かれた作品。 話の内容自体はとても奇妙で恐ろしいものだが、展開は自分が読んできた本の中でも断トツといってもいいほど面白かった。あまり書きすぎるとネタバレになるので内容はあまり書けない。脳移植を行われた青年・成瀬純一が術後だんだんドナーの性格へと変化していくのだが本の前半と後半で「成瀬純一」という人物は統一だが完全に別の人物ととらえれるほど性格、口調に変化が起きていることが表されている。まさに「変身」を感じ取れる内容だった。 この本が出版されたのがちょうど30年ほど前。現在もヒトの脳移植は行われていない。優秀なヒトの細胞を移植するなどクローン技術が問題となっている。この脳移植も実際のところは何も知らないし詳しいことはよく知らないがこの本のように「変身」しもとの人格が完全に消え去り全く別の人間になるのならば人道的にどうかなと、実現してほしくないなと感じた。 この内容を現実的に捉えると恐ろしい。しかし、「物語の世界」だと現実と分けて読むととても面白い。サスペンスが好きな人は絶対にはまると思うし、ページ数も標準的だと思うので一気に読めると思う。ぜひ読んでみてください。
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成瀬順一は誰の脳を移植されたのか?結構早い段階で皆さん気づかれるのでは?自分探しをしながらも変わっていく自分精神科を受診し反転攻勢に出れたと思いながらも、起こってしまった殺人事件 ムゴイ描写に読むのがつらい 最期に自分を取り戻せたと思いたい 恵さんと共に
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移植後に嗜好が変わるって話は聞くしありがちではあるけど、流石そら恐ろしい内容に仕上がってた。最期の瞬間は成瀬純一としての意地と矜持か。
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切なく悲しく恐ろしい話。 とても面白く特に後半は一気に読んだ。 これが客観的にみて素晴らしいとされるような人格だったり自分がなりたかったような人格にかわっていたら受け容れられたんだろうか、とも考えた。 多分それでも自分をなくすことは耐え難いと思った。
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自分を失うことについて。 最初から持っているものを失っていくのが一番怖い。 世界初の脳移植を施され、一命を取り留めた成瀬純一。 心優しく、気弱な彼が術後から様子がおかしくなっていく。性格が凶暴化し、趣味が変わり、生活がガラッと変わっていく。他人の脳を移植されたことで性格や様子が少...
自分を失うことについて。 最初から持っているものを失っていくのが一番怖い。 世界初の脳移植を施され、一命を取り留めた成瀬純一。 心優しく、気弱な彼が術後から様子がおかしくなっていく。性格が凶暴化し、趣味が変わり、生活がガラッと変わっていく。他人の脳を移植されたことで性格や様子が少しずつ変わっていく彼がたどり着く先は? 主人公の葛藤や昨日の自分と今日の自分が変わっていること。そういった描写が鮮明でとても面白い。
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とても面白い。1/3読み終えたあたりからはもう止まらない。3時間ほどで読み終わってしまった。 認知症の患者を介護する者は、時々自分のことを思い出してくれた瞬間のことを宝物のように大切に持ち続けることで、辛い介護も続けられると聞く。本作で登場する恵も同じように、「変身」してしまう前の純一の過去を宝物のように大切に抱えながら、一度は逃げてしまった彼に向き合おうとしたのだろう。 本作は特に一人称を使い分けるのが上手すぎる。女→葉村恵→恵と切り替わってゆくラストシーンは圧巻で、思わず涙が出てしまう。、 また、人の死についての議論も興味深い。京極が心肺停止した後、成瀬純一の脳組織の一部として生き続けたように、単に心臓が止まり、その肉体が止まることだけでは人の死たり得ないのかもしれない。
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