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峠 改版(中) の商品レビュー

4.1

61件のお客様レビュー

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幕末の混乱時に遊学か…

幕末の混乱時に遊学から帰藩した河井継之助は重職に抜擢され、次々と改革を行ないます。小藩でありながら、西洋の新兵器を導入し戦いに備えます。藩の中では他に良い人材も見当たらない中、自分の力だけを信じて藩を引っ張っていく姿は指導者の鏡です。

文庫OFF

2024/09/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

福沢諭吉や福地源一郎といった文明人と議論し、その先見性を認められるほどの人材がなぜ自分の藩にここまでこだわるのか… それは300年に及ぶ幕府という仕組みや侍の文化が根っこから染み付いてしまい、その価値観を変えられていないからだろう。彼は最終的に変わらないままであると思われるが、一つの凝り固まった組織に属する人間に対するアンチテーゼも感じる

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2023/10/01

 ――考えてもみよ。  と、継之助はおもう。いまこの大変動期にあたり、人間なる者がことごとく薩長の勝利者におもねり、打算に走り、あらそって新時代の側につき、旧恩をわすれ、男子の道をわすれ、言うべきことを言わなかったならば、後世はどうなるのであろう。 2021/1/16読了 維新...

 ――考えてもみよ。  と、継之助はおもう。いまこの大変動期にあたり、人間なる者がことごとく薩長の勝利者におもねり、打算に走り、あらそって新時代の側につき、旧恩をわすれ、男子の道をわすれ、言うべきことを言わなかったならば、後世はどうなるのであろう。 2021/1/16読了 維新の敗者側の、しかも小藩の執政で戊辰戦争の局所戦に散った河井継之助だが、しかし司馬遼太郎という屈指の歴史小説家に見出されたお陰で、百数十年の後世の我々が、その名を記憶に留める事が出来るのである。

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2023/08/06

巻末の「解説」で、本作が『竜馬がゆく』、『坂の上の雲』といった作品と前後連続して書かれたことを知った。自身、30歳を前に連続してー立て続けにー読んだ。 上巻ともども四半世紀ぶりに再読したのだが、やはり、おもしろい。時間が取れれば一気読みしてしまう筆致だ。河井継之助の美しさ、儚さ、...

巻末の「解説」で、本作が『竜馬がゆく』、『坂の上の雲』といった作品と前後連続して書かれたことを知った。自身、30歳を前に連続してー立て続けにー読んだ。 上巻ともども四半世紀ぶりに再読したのだが、やはり、おもしろい。時間が取れれば一気読みしてしまう筆致だ。河井継之助の美しさ、儚さ、不幸、時代性、いろいろ考えさせられる。 ただ、初読から再読まで敢えて時間を空けたのは、上巻を読んだ時に感じた違和感を予想したからだった。司馬作品には中毒性がある。読者の行動を迫る勢いがある。この違和感は、本作が書かれた昭和と令和の時代、初読の20代と50代となった今という世代が関係しているのかもしれない。

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2022/09/10

 中巻、話は徐々にではあるが確実に面白味が増してきている。長岡藩の家老となり、長岡藩を密かに独立不覊のものとして存在させようとするも、大政奉還、京への藩主派遣と時代の流れはそれよりも急激すぎて、長岡藩の藩士として、侍としての生き方に固守する姿には、河井継之助自身が明晰な頭脳を持ち...

 中巻、話は徐々にではあるが確実に面白味が増してきている。長岡藩の家老となり、長岡藩を密かに独立不覊のものとして存在させようとするも、大政奉還、京への藩主派遣と時代の流れはそれよりも急激すぎて、長岡藩の藩士として、侍としての生き方に固守する姿には、河井継之助自身が明晰な頭脳を持ち、大胆な行動力があるだけに、余計に悲哀さを帯びつつあるように感じた。  自身が立つところの社会なりが、急変若しくは存在しなくなる時に、立つところを変えるか、若しくは捨てるか等どういった行動をとるべきか、この時代の人は否応なく考えさせられていたかもしれない。

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2022/08/14

 河合継之助は越後長岡藩の老中となり、幕府が倒れようとする幕末に何とか自分たちが存続できるように考えを巡らせる。この間では徳川慶喜や大政奉還のことなどが描かれるが、今までよくわかっていなかった大政奉還のことが、ようやく少しわかったような気がする。そして薩摩長州のしたたかさと幕末か...

 河合継之助は越後長岡藩の老中となり、幕府が倒れようとする幕末に何とか自分たちが存続できるように考えを巡らせる。この間では徳川慶喜や大政奉還のことなどが描かれるが、今までよくわかっていなかった大政奉還のことが、ようやく少しわかったような気がする。そして薩摩長州のしたたかさと幕末から明治維新のかけての複雑さがちょっとわかった。今までは竜馬がゆくなどの、明治維新を起こした側からの物語しか見たことがなかったからなのだと思う。新しい視点で見ることができた。

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2022/05/30

峠3巻の中。上より夢中で引き込まれた。今までの幕末から明治に移行する際に、自分なりにイメージしていた事が大分違っていて、軍事力はまだまだ幕府方が優っていたのに、どうして戦わなかったのだろうと思っていた。 正に、その辺りの疑問が払拭されたような感があった。

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2022/05/12

上巻では、話の起伏に乏しくどうなることかと思ったが、中巻に入り、おもしろくなってきた。 幕末の鳥羽伏見の戦いや慶喜敗走以後の、諸藩の動き、御三家、譜代大名さえ、徳川か官軍かと右往左往していたこと、安政の大獄を遂げて桜田門外ノ変で落命した井伊直弼の井伊家が後に官軍として東征したとい...

上巻では、話の起伏に乏しくどうなることかと思ったが、中巻に入り、おもしろくなってきた。 幕末の鳥羽伏見の戦いや慶喜敗走以後の、諸藩の動き、御三家、譜代大名さえ、徳川か官軍かと右往左往していたこと、安政の大獄を遂げて桜田門外ノ変で落命した井伊直弼の井伊家が後に官軍として東征したという事実を知り、教科書に載っていない隙間の時代を知って興味深かった。

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2022/02/02

面白い。上巻でのゆっくりした流れとは真逆で時勢が急激に動くにつれ、河井氏の信念がたっていくこと、とても面白かった。

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2022/01/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

p.20 「あいつは私情も私心も捨てているだけでなく、命もすててかかっている。そういう男に、文句のつけようがない」 p.207 (なにごとかをするということは、結局はなにかに害をあたえるということだ) p.516 「とにかく意見がこうもまとまらないと」 「意見じゃないんだ、覚悟だよ、これは。 「覚悟というのはつねに独りぼっちなもので、本来、他の人間に強制できないものだ。 p.517 事をなすときには、希望を含んだ考えをもってはいけない 面白くなってきました

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