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梟の城 の商品レビュー

4

159件のお客様レビュー

  1. 5つ

    39

  2. 4つ

    70

  3. 3つ

    34

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

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2023/06/10

解説のなかで、女の忍者を「くノ一」というのは、漢字の「女」を分解した 呼び方だというのを、この歳で初めて知った。 武士の心理、戦国時代の忍者の心理、くノ一として育てられた女性の心理などが書かれている。 本書を読んで、自分は封建制度の元に生まれていなくて、ほんとに良かったと思えた。

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2023/05/23

ついに司馬遼太郎に手を出してしまった。大御所は、なるべく避けてきたのだけれど。はまってしまうと、抜け出せなくなりそうだから。でも、やっぱり、面白い。

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2023/04/08
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司馬遼太郎の実質的なデビュー作で直木賞受賞作。 忍者ものは然程好みでなかったのでこれまで手に取らずにいたが、いよいよ未読作品が減ってきたので手に取った。 敵味方が入り乱れて、気を抜くと筋が追えなくなりそうだったが、何とか読み終えた。 ラストの方で、伊賀忍者の葛籠重蔵が太閤秀吉を弑するのではなく、ポカリと殴りつける場面は、それまでの緊迫感からのズレにニヤリとしてしまった。 最後の四頁を読む迄、石川五右衛門をモチーフとした話と気付かず。。(途中、風間五平が「石川五右衛門」と咄嗟に偽名を出す場面があっても) 気持ちよくしてやられた感あり。

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2023/02/16

純粋にエンタメとして楽しめる。構えたところもないし、だらだらと無意味に長くもない。「坂の上の雲」に比べて読むのに疲れない。

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2022/09/03
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葛籠重蔵と風間五平を対照的にすることで、正しい日本人としてのあり方を司馬遼太郎は教えたかったのだろう。 最終的に重蔵が生き残り、五平が死んだ。すなわち、重蔵の生き方が司馬にとっては正しいのだろう。 「忠義を全うするも自分なりの答えを出す」、そんな生き方は私にも格好良く映った。

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2022/08/31
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昭和34年という高度成長期に差し掛かる頃に書かれた司馬遼太郎の直木賞受賞作。 大衆文化が拡大した時代に提供されたエンタメにも関わらず、移ろいゆく知識人も惹きつけただろう文学的香りのする作品。 本小説の世界は、信長から秀吉の時代の忍者の世界。梟はむろん忍者を指す。 葛籠重蔵と風間五平(石川五右衛門)という伊賀忍者二人に木さると小萩というくノ一の男女が織りなす忍者の世界、独特の人間関係のスパイラルを描く。 忍者の美学に殉じる重蔵が妙に魅力的に映る。伊賀を抜け、武士を志向した五平がよい対比になっている。と同時に、下忍の黒阿弥や敵の甲賀忍者洞玄など魅力的な脇役がよいバランスで描かれる。そしてそこかしこに歴史上の人物が、適切なコンビネーションと対比で配される。千利休、津田宗及とならぶ今井宗久。豊臣秀吉対石田三成。石田と島左近。 解説で村松剛が戦前の宮本武蔵とお通、朱美の関係との対応を書いているが、ある種のヒーロー物の焼き直しではあろう。 ただ、単なるエンタメというのはあたらない。やはり昭和の中期の質の高い文学的表現である。 作者は、時代の動きに敏感だったのだと改めて思う。 本書に限らず、これ以降選択したテーマは、新たなに勃興してきた「大衆」が好む時代小説であり、それでいて一途に生きた人物群の魅力を司馬らしい筆致で描いてきている。

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2022/04/02
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秀作。 司馬遼太郎の直木賞受賞作。初期の作品。 忍者ものだが、司馬遼太郎らしさが出ている。面白い。

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2022/02/06

中学生のときにこれを読んで、歴史小説(これは時代小説か?)にハマり始めた。二十年経っていまの中学生に紹介するのを機に、久し振りに読み返した。やっぱり面白い。ただ、世の倫理観が、発表された昭和30年代と、私が中学生だった平成10年代といまとでだいぶ変わっているので、司馬のこのいかが...

中学生のときにこれを読んで、歴史小説(これは時代小説か?)にハマり始めた。二十年経っていまの中学生に紹介するのを機に、久し振りに読み返した。やっぱり面白い。ただ、世の倫理観が、発表された昭和30年代と、私が中学生だった平成10年代といまとでだいぶ変わっているので、司馬のこのいかがわしさを現代の中学生に読ませて良いのかは惑う。少しだけ。

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2021/12/08
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司馬遼太郎の直木賞受賞作。伊賀忍者が活躍する話だが、忍術とかが明らかにフィクションとわかるので興ざめしてしまう。最後、風間五平が意外な人物だったことがわかるが、葛籠重蔵も忍者としてああいう結末になるのは意外だった。あと木さるは可哀そう。詳細→ http://takeshi3017.chu.jp/file9/naiyou23904.html

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2021/10/29
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『梟の城』司馬遼太郎(新潮文庫) 忍者といえば現代ではショッピングモールで手裏剣教室をやっていたり、城跡でパフォーマンスをしていたりといった存在だけど、実際の忍者はどんなはたらきをしていたのだろうか・・・。 忍の道にいる人の名前が知れ渡ってしまっては忍べないから、歴史の表舞台に出てくることはないんだけど。 本作は忍者小説でありながら、ひじょうに「人間臭い」忍者の物語だ。 忍の道を極めようとする葛籠重蔵と、忍の道を捨てて士官する風間五平、くノ一の小萩と木さるを中心に話が展開する。 冷酷非情が常であるはずの忍者が相手を殺すことに躊躇したり、色恋沙汰に陥ったりする。 信長に伊賀の里を滅ぼされた恨みをはらすべく秀吉暗殺の仕事を受けた重蔵。 豊臣家家臣の前田玄以の家臣として秀吉暗殺を企む重蔵を捕らえようとする五平。 三成の命で秀吉暗殺の裏で糸を引く黒幕を暴くために重蔵を証人として捕まえようとする小萩。 重蔵と同じ出自で重蔵と行動を共にする木さる。 秀吉暗殺の絶好の機会を得た重蔵がとった行動は・・・。 最後の石川五右衛門のくだりは、本編とは関係ないけれど、いわゆる「歴史探偵」的視点で資料をつなぐとこうなるんだろうなっていうエンタメだね。 長い物語だけど、疾走感のある展開で、闇を舞台にしているのに暗いわけでもない、面白いエンタメ小説だった。ぜひ。

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