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雁の寺・越前竹人形 の商品レビュー

4.3

26件のお客様レビュー

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直木賞受賞作の「雁…

直木賞受賞作の「雁の寺」は、孤独な少年僧慈念が、鬱屈した青春期の思いを、孤独の内に「怨念」という感情にまで昇華させ、そのやりきれない思いが、殺人にまで発展していく過程が哀しい。南嶽が描いた襖絵の雁の絵を無残に破いてしまう少年僧「慈念」の心情が、慈念の生い立ちを想像させ、哀れであ...

直木賞受賞作の「雁の寺」は、孤独な少年僧慈念が、鬱屈した青春期の思いを、孤独の内に「怨念」という感情にまで昇華させ、そのやりきれない思いが、殺人にまで発展していく過程が哀しい。南嶽が描いた襖絵の雁の絵を無残に破いてしまう少年僧「慈念」の心情が、慈念の生い立ちを想像させ、哀れである。 「越前竹人形」。他界した母の面影を、美しい妻「玉枝」に見出す、竹細工師喜助の哀しくも美しい純愛物語である。薄幸の環境で育った「玉枝」もまた夫「喜助」をいとしい思いで、慕うように愛する。越前の竹林を吹き渡る風のサヤサヤ

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直木賞受賞作品です。…

直木賞受賞作品です。のちに松本清張と人気を二分する著者の代表作品。不運な運命の慈念が一人の女との出会いから変化していく様がミステリーであり背筋がぞくぞくする怖さを感じます。

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昔の日本の農村の様子…

昔の日本の農村の様子がわかります。特に女性の地位の低さが切ないです。

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2026/03/13

表題作「越前竹人形」に惹かれたのが、本書を読むきっかけです。越前竹人形、うちにあります。小さな干支の飾り物です。竹の曲線をうまく利用して工夫されているところが気に入って、旅行先で購入しました。思いきって12支セットで。思い出の品です。「雁の寺」は第45回直木賞受賞作品 「雁の寺...

表題作「越前竹人形」に惹かれたのが、本書を読むきっかけです。越前竹人形、うちにあります。小さな干支の飾り物です。竹の曲線をうまく利用して工夫されているところが気に入って、旅行先で購入しました。思いきって12支セットで。思い出の品です。「雁の寺」は第45回直木賞受賞作品 「雁の寺」 師匠の慈海から手荒い対応を受けている、少年僧慈念。慈海には里子という愛人がいる。慈念は2人の情事を目撃する。里子が慈念にとった行動が慈念の感情爆発の引き金に。慈海も里子も慈念の心を踏みにじっている。襖絵の母親雁を破った慈念。母親に捨てられてからの、様々に鬱屈した慈念の気持ちを想像すると不憫でならない。 「越前竹人形」 こんなにも心の綺麗な人がいるんだなあ。竹人形を作る嘉助と、竹の精のように美しい玉枝の互いを思う心が、せつせつと伝わってくる。悲しい現実に立ち向かう玉枝。辛すぎた。この夫婦、天国でもう一度結ばれてほしい。

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2026/01/22

再読、★3.5のおまけなし。 何だか昭和50年代辺りの日本映画(これ、あまり良い意味ではないです。。。)を観ているような感覚で読めました。それだけ映像感を喚起するものではあるかと。 両作とも異形の登場人物を配しておりますが、そこに作家はどういう意味を含ませたかったのか? 現在とは...

再読、★3.5のおまけなし。 何だか昭和50年代辺りの日本映画(これ、あまり良い意味ではないです。。。)を観ているような感覚で読めました。それだけ映像感を喚起するものではあるかと。 両作とも異形の登場人物を配しておりますが、そこに作家はどういう意味を含ませたかったのか? 現在とは随分と違う時代を背景にしているだけにその辺りの肌感を知りたい、逆に言えば、結構な違和感を覚える設定なり物語の組み立てではあります。

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2025/07/16

少年僧の孤独と凄惨な情念のたぎりを描いて、直木賞に輝く「雁の寺」、哀しみを全身に秘めた独特の女性像をうちたてた「越前竹人形」。

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2025/04/30

とても良かった。 人はみんな『想い』を抱えて生きている。 その想いが周りの環境にマッチする場合もあるし、 いちばん身近な愛する人にすら伝わらない場合もある。 伝えようとせずに殻に閉じ籠る場合もあるし、 伝えようとしてもうまく伝えられないもどかしさもある。 愛する人と想いを共有して...

とても良かった。 人はみんな『想い』を抱えて生きている。 その想いが周りの環境にマッチする場合もあるし、 いちばん身近な愛する人にすら伝わらない場合もある。 伝えようとせずに殻に閉じ籠る場合もあるし、 伝えようとしてもうまく伝えられないもどかしさもある。 愛する人と想いを共有していると信じながらも、 その信じている気持ちに対して懐疑的になったり、 相手を想うあまりに深読みして空回りしたりもする。 たまたま見つけた本だけど、読んで良かった。 時代背景も含めて、この湿度の高さは嫌いじゃない。

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2024/06/24

最近福井県がブームとの事で、俺たちの水上勉さんをフィーチャーしてみました。 氏の作品は『飢餓海峡』のみでしたが、古い作品ながらも最高に面白かったですね。もちろんレビュー済。そして今回もよかった。私はこのような湿気を帯びた話が好きなんですね。湿気最高!でも梅雨は辛いぞ、糞! 先ず...

最近福井県がブームとの事で、俺たちの水上勉さんをフィーチャーしてみました。 氏の作品は『飢餓海峡』のみでしたが、古い作品ながらも最高に面白かったですね。もちろんレビュー済。そして今回もよかった。私はこのような湿気を帯びた話が好きなんですね。湿気最高!でも梅雨は辛いぞ、糞! 先ず『鴈の寺』。エロ坊主が小僧に殺されるお話。しかも完全犯罪。コナン君だと直ぐ犯人を当ててしまうレベルだが、時代背景がそうさせない。小僧の生きる辛さが伝わってきます。慈念君、生き抜くんやでー。 『越前竹人形』。鴈の寺と同様に顏が残念で背が低いコミ障キャラが主人公。この時点で鬱屈とした物語が始まる予感がしましたが、最後の最後に感動したなあ、元遊女の玉枝の葛藤、そして死、大正時代だからこその生き辛さが見えました。これぞ純愛かと。南無・・・ って、どうしても気になってしょうがないのが1点。 舞台は福井県です。主人公の喜助は武生市在中、玉枝は芦原温泉勤め、玉枝はんはその前に京都の島原で働いていましたし、そもそも京都の方ですので、ゴリゴリの京都弁どすえ。しかし、喜助はんは武生市の方ですよ。でも何故か京都弁。ほんまはゴリゴリの福井便なんやぞ、おぇーっ。どういうこっちゃ?水上はん、ホンマに福井県の方でおますか?って、あゝ水上はんはおおい町出身でしたね。そこは完全に関西訛りなんですわ、福井弁が分かってなかったのか・・・・ 福井市出身のワテからしますと、舞台が京都かいな?と思いますわ。ほんま。これを読んだ方が福井市に来られると、余りにも違ってショックを受けるでしょうね。 この点がどうも引っかかったなあ(ストーリーには全く影響無し) 個人的には前職で向島、中書島に毎日おりましたので、舞台全てコンプリートしてほくそ笑んでおりました。 兎に角、皆さま念願の新幹線も開通したことですし、一度福井に遊びにきてやー。

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2023/12/08

2編とも日本的な美や伝統の中で描かれる物語が谷崎に通ずる印象を受けた。実際谷崎は『越前〜』を高く評価したそうだ。心で深く通じ合った喜助と玉枝に深く感動した。

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2023/05/23

里子を愛人として囲っている、京都孤峯庵の和尚慈海。 そこの小僧である13歳の慈念は、和尚から厳しくあたられています。 里子は慈念に同情し歩み寄りますが・・・。 ある日、慈海が碁を打ちに出かけて行きましたが、一向に帰っては来ません。 檀家が亡くなり葬儀を行なわなくてはならなくなりま...

里子を愛人として囲っている、京都孤峯庵の和尚慈海。 そこの小僧である13歳の慈念は、和尚から厳しくあたられています。 里子は慈念に同情し歩み寄りますが・・・。 ある日、慈海が碁を打ちに出かけて行きましたが、一向に帰っては来ません。 檀家が亡くなり葬儀を行なわなくてはならなくなりましたが、ついに行方知れずに。 寺の小僧慈念との関りは? 直木賞作品『雁の寺』 福井県武生市の山奥にある寒村竹神部落に住む竹細工師、氏家喜左衛門の後継ぎ喜助。 父が亡くなって後、喜助のもとへ「芦原の玉枝」と名乗る女性が墓参に訪れてきました。 女のことが気になった喜助は、芦原温泉街の遊廓で玉枝を見つけます。 玉枝の部屋には、初めて目にする巧緻な竹人形が飾られていました。 以来玉枝に惹かれた喜助は幾度かの往来を重ね、その年の夏から二人は同棲を始めます。 三歳で死に別れた、顔も知らない母を玉枝に重ね合わせ、玉枝に対する錯綜した気持ちを持ちながら生活する喜助。 二人の奇妙な生活、仕事の合間に作った竹人形が、郷土民芸展への出品をきっかけに、京都へと販路が開かれていきます。 このことが玉枝の人生を、予期せぬ運命へと変えていきます。 哀しみを秘めた女性像を描いた『越前竹人形』。 どちらも水上文学の傑作です。 高校生の時に読みましたが、あらためて今読んでみると、感慨深いです。 高校生時代には分からなかったなぁ。

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