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背教者ユリアヌス(上) の商品レビュー

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26件のお客様レビュー

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キリスト教からもとの…

キリスト教からもとのローマ多神教に戻すことをこころみるユリアヌスの行方は?

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ユリアヌス帝(在位3…

ユリアヌス帝(在位360年~363年)を描いた辻邦生の傑作歴史小説.辻邦生の美しい文章で紡がれる物語はまるで古代ローマの世界に引き込まれたかのような錯覚を覚える.

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皇帝の血縁でありなが…

皇帝の血縁でありながら、数奇な運命に翻弄されるユリアヌス。キリスト教に覆われつつあるローマ帝国の下にありながら、古代の神々にあこがれ、ホメロスに酔う。学友ゾナス、美しい軽業師ディアとの出会いに青年ユリアヌスは、不安に揺れ動きながら確固たる自我を築いていく。今のような時代だからこそ...

皇帝の血縁でありながら、数奇な運命に翻弄されるユリアヌス。キリスト教に覆われつつあるローマ帝国の下にありながら、古代の神々にあこがれ、ホメロスに酔う。学友ゾナス、美しい軽業師ディアとの出会いに青年ユリアヌスは、不安に揺れ動きながら確固たる自我を築いていく。今のような時代だからこそ高校生に読んでもらいたい珠玉の名作の上巻です。

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2021/08/13

キリスト教が国教化されたローマ帝国で皇帝の座に就くことになり、古代からのローマの信仰を復興させようとしたユリアヌスの生涯をえがいた作品です。 皇帝コンスタンティウスは、宮廷内で力をもつキリスト教徒たちの策謀に乗せられて、ユリアヌスの父を殺害します。ユリアヌスとその兄であるガルス...

キリスト教が国教化されたローマ帝国で皇帝の座に就くことになり、古代からのローマの信仰を復興させようとしたユリアヌスの生涯をえがいた作品です。 皇帝コンスタンティウスは、宮廷内で力をもつキリスト教徒たちの策謀に乗せられて、ユリアヌスの父を殺害します。ユリアヌスとその兄であるガルスは、幽閉生活を送ることになりますが、やがてユリアヌスは学問を志す青年ゾナスに出会い、彼の口から自分たちの身に起こった出来事の真相を知ることになります。 三巻にわたる長編作品ですが、ドラマティックな展開が多いので、勢いをつけて読み進めることができました。「背教者」ということばだけではうかがうことのできない、ユリアヌスがめざしたローマ帝国の統治の理念をえがくことが本作のテーマのひとつだと思うのですが、上巻では学問に打ち込むことでそうした理念をはぐくんでいった、ユリアヌスの青年時代が中心となっています。

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2019/04/04

辻邦生 「 背教者ユリアヌス 」1/3 ユリアヌスの人間像を説明した巻。異母の兄と弟、キリスト教とローマ異教、宗教と哲学、身分の違い、夢による予言と現実 など 対立軸が 何か起きそうな雰囲気を醸し出す 辻邦生 「 背教者ユリアヌス 」2/3 イリオンの廃墟から始まる 英雄ユ...

辻邦生 「 背教者ユリアヌス 」1/3 ユリアヌスの人間像を説明した巻。異母の兄と弟、キリスト教とローマ異教、宗教と哲学、身分の違い、夢による予言と現実 など 対立軸が 何か起きそうな雰囲気を醸し出す 辻邦生 「 背教者ユリアヌス 」2/3 イリオンの廃墟から始まる 英雄ユリアヌスの叙事詩の巻。皇后エウセビアの愛は イリオンの廃墟と同様に 甘美な憂鬱の象徴 ユリアヌスが 哲学に見出したものは 普遍的な正義を実現すること。キリスト教の持つ正義に普遍性はない ということか 「人間のすべての営みは 〜一つであるべき〜それを言葉で表したのが 哲学。哲学と人間の実際の営みは 離れてはならない」 辻邦生 「 背教者ユリアヌス 」3/3 著者が伝えたかったのは 「人間は永遠に未完成であるが、完成に向かって走り続けるのが人間である」といった人間観。 その象徴として *ユリアヌスの考え続ける姿 *成就されないローマの秩序 *報われない ディアの愛 を繰り返し描いている キリスト教の中で人間は 神に考えを委ね、正義が行われず、憎しみの中にいる、ローマ異教に回帰することにより 人間性を取り戻す

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2018/10/20

若いバシリア◆大いなる影◆幽閉◆幽閉の終り◆副帝ガルス 第14回毎日芸術賞 著者:辻邦生(1925-1999)

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2018/05/06

親父から譲り受けたシリーズで2番目の良作。モンマルトル日記にはガッカリしたが、本作では作者のパワーを感じた。親族殺しが横行する弱肉強食の古代ローマで、「生きるとは」を考え自問する皇族ユリアヌスの生涯を描く。中編が楽しみ。

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2015/01/31

中学生の頃、親の本棚で見つけて読んだ作品。文章にも内容にも魅かれ、枕元に置き、気に入っている箇所を毎晩のように読み返していました。 当時は背景知識等もなく、ドラマとして楽しんでいたように思います。 後に、サトクリフのローマンブリテン四部作や塩野七生の著書に惹かれたのも、もとを返せ...

中学生の頃、親の本棚で見つけて読んだ作品。文章にも内容にも魅かれ、枕元に置き、気に入っている箇所を毎晩のように読み返していました。 当時は背景知識等もなく、ドラマとして楽しんでいたように思います。 後に、サトクリフのローマンブリテン四部作や塩野七生の著書に惹かれたのも、もとを返せばこの作品との出会いがあったからかもしれません。 いろいろな意味で、自分にとっての原点となる作品のひとつです。

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2014/01/18

ローマ帝国の皇帝コンスタンティウスが病死し、その息子コンスタンティヌスが皇帝の座についた。国力復興の為、コンスタンティヌス大帝はキリスト教を取り入れた。その一環として、反キリスト教だった前皇帝の異母弟ユリウス一族を含む多くの人間が殺された。辛うじて生き延びたユリウスの息子ユリアヌ...

ローマ帝国の皇帝コンスタンティウスが病死し、その息子コンスタンティヌスが皇帝の座についた。国力復興の為、コンスタンティヌス大帝はキリスト教を取り入れた。その一環として、反キリスト教だった前皇帝の異母弟ユリウス一族を含む多くの人間が殺された。辛うじて生き延びたユリウスの息子ユリアヌスが主人公の物語。 上巻は常に状況説明という感じだったので、読み進めることが辛かった。しかもこの時代の人間の名前が良く似ていることもこの本を難解なものにしていた。

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2013/11/28

10代の時から繰り返し読んでいる心の友。信仰に対する理性の超越と、形而下における敗北を描き出す名著。 真理は常に疑義を持つことが更なる真理へ到達する道であるという、真理など無く常に疑いを持つ理性こそがこの有為転変の現実世界のよすがであることを小説世界からも伝わってきます。

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