背教者ユリアヌス(上) の商品レビュー
筆者にしては珍しく三人称の文体で書かれた骨太のロマン。 思い入れによる多少のセンチメンタルな面もあるが、これぞ長編小説。
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「ローマ人の物語」で知った本。 こんなに小さい文字の文庫は久しぶり。 文字の小ささ、漢字にルビをほとんどふってない、こういう大河小説は久しぶりなので、読み終わるのに時間がかかると思う。 こういう小説そういえば本当に久しぶりだ。
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塩野七生さんのファンである KiKi にとって「ローマ物」「ルネサンス物」というのはそれだけでキャッチーなわけですが、同時に「背教者」っていう言葉自体が興味をそそるんですよね~。 KiKi はね、例えば美術とか音楽の世界の中で「宗教」、特に「キリスト教」には結構早い時期から興味...
塩野七生さんのファンである KiKi にとって「ローマ物」「ルネサンス物」というのはそれだけでキャッチーなわけですが、同時に「背教者」っていう言葉自体が興味をそそるんですよね~。 KiKi はね、例えば美術とか音楽の世界の中で「宗教」、特に「キリスト教」には結構早い時期から興味を持っていました。 でもね、興味を持ちつつも「洗礼を受けたい」とか「クリスチャンになりたい」とは思ったことがなかったんですよね。 いえ、「思ったことがない」というのとはちょっと違っていて、「思わないでもないけれど何かが『これは違う!』と囁き続けていた」というのが正確なところだったのかもしれません。 今回、この本を読んでいる中で KiKi は自分が感覚的に感じていた「何かが囁く『これは違う』」の根本に何があったのかを確信することができたように思うんですよ。 まあ、それは以前から「一神教の1つの限界」みたいな感じで認知していたこと・・・・ではあるんだけど、キリスト教(に限らずほとんどの宗教がそうだと思うけれど)の持つ「排他性」という一面。 そして、「信仰という言葉を隠れ蓑にした思考停止という状態」。 KiKi は決してこの物語の中の大司教エウセビウスを糾弾するつもりはないんだけど、迫害の歴史があろうが何であろうが、信仰や教義を守るという大義があろうが何だろうが、その方法論において「排他」という匂いがすること自体が KiKi にはどうしても受け入れられないんですよ。 でもね、これはキリスト教側だけがもっていた問題なのかと言えばさに非ず。 そもそも論としては、古い時代の宗教側において、新興宗教であるキリスト教に対して「胡散臭いもの」という考え方による迫害があったからこそ、身を守るために捻り出された処世術とも言える訳で・・・・・・。 要するに「人間の考え出した思考の限界」みたいなもの・・・・だと思うんですよね。 (全文はブログにて)
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上中下と3冊の長めの本。この本を読んだ暁には、本をもっと読まねば。と少し自分を戒めることになるでしょう。よい本でした。
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多少、回りくどい表現がありますが、それさえ気にしなければ、その辺のライトノベルやファンタジー小説より余程面白い。
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ユリアヌスは古代ローマ帝国の皇帝として、当時帝国で主流となりつつあったキリスト教に抗して伝統的な多神教(異教)の復活を策したため、キリスト教徒から背教者(Apostata)と呼ばれた。 もしこの皇帝が早世せず、あと30年生きていれば、その後1000年に渡るキリスト教によるヨーロッ...
ユリアヌスは古代ローマ帝国の皇帝として、当時帝国で主流となりつつあったキリスト教に抗して伝統的な多神教(異教)の復活を策したため、キリスト教徒から背教者(Apostata)と呼ばれた。 もしこの皇帝が早世せず、あと30年生きていれば、その後1000年に渡るキリスト教によるヨーロッパの暗黒時代はなく、現在のキリスト教とイスラム教の反目も違った形になっていたかもしれない。 歴史に仮定はありえないのだけど。
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