個人的な体験 の商品レビュー
主人公と火見子の会話…
主人公と火見子の会話や、綿密な心理描写がとても面白くて一気に読めました。短編よりも読み易かったです。作者自身によるあとがきも素敵でした。
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大江作品としては賛否…
大江作品としては賛否両論あるようですが、感動しました。自分のこどもに障害があることを受け止めるまでの主人公の懊悩が単なる奇麗事として描かれていない、美談だけではないところに。短編とまったく違う味わいです。
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ほかの大江健三郎の著…
ほかの大江健三郎の著作同様に、読みづらく、途中退屈もしました。ただ、彼の作品にはひとつひとつテーマがあります。後半になるにしたがって、作者のメッセージがすごく伝わってきました。「大人になる」とはどういうことか。十代、二十代の若者におすすめします。
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追い込まれゆく人間の…
追い込まれゆく人間の濃厚な心象描写に、息が詰まります。
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数年前、引越しの際に持っていく本を選別した。千冊ほどの中から百冊ほどに絞った。その選考基準は、再読するかどうか、あるいは再読したいと思うかを基準とした“再読指数”によるものだった。その基準を突破した本の中に、大江健三郎の作品があった。中古で買ったものばかりだった。 「飼育」を読ん...
数年前、引越しの際に持っていく本を選別した。千冊ほどの中から百冊ほどに絞った。その選考基準は、再読するかどうか、あるいは再読したいと思うかを基準とした“再読指数”によるものだった。その基準を突破した本の中に、大江健三郎の作品があった。中古で買ったものばかりだった。 「飼育」を読んだことがあったが、よく分からず、冷たくて薄暗い空間で過ごした時間のような感覚だけが残った。ただなんとなく、いつか読むような気がして、数冊の積読本を持ってきた。そして最初に読んだのが「性的人間」だった。 表題作のほかに「セブンティーン」「共同生活」が収められている。読み始めはなかなか文章を捉えられず、集中が途切れたが、数ページ読み進むにつれ思わず「ノーベル賞作家、すごいな!」と口にした。 続けざまに大江健三郎の作品を読もうと思ったが、贔屓的な感情が生まれるかもしれないと思い、別の作家の作品を間に挟みつつ読み進めた。次に読んだのが「人生の親戚」。これは間違いなく素晴らしい作品だった。好きな作家である村上春樹と通じるものを感じた。そしてまた別の作家を挟んでから、三冊目として「個人的な体験」を読んだ。 読み終えて、沢山のメモを見返しても、完走など書けない。いや… 感想を書ける話ではない。 あくまでも"個人的な"なのです。
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いやー難しかったけど引き込まれた。比喩表現の多彩さ、引き出しの多さが半端じゃない。 重厚感のある文章。 よく読み切れた。 病院の人々が官僚的という説明があったが、本当に酷く冷たい印象だった。意地悪というか。 特異な形で生まれた赤子を馬鹿にしている風で嫌悪感が生まれた。 鳥(バ...
いやー難しかったけど引き込まれた。比喩表現の多彩さ、引き出しの多さが半端じゃない。 重厚感のある文章。 よく読み切れた。 病院の人々が官僚的という説明があったが、本当に酷く冷たい印象だった。意地悪というか。 特異な形で生まれた赤子を馬鹿にしている風で嫌悪感が生まれた。 鳥(バード)の現実逃避が極端で、かつ堕落しすぎていて、ずっとモヤモヤしていた。 ただ、自分の自由への意志と病気のまま生まれてくる赤子というジレンマに酷く苦しんだのだろうと思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
脳瘤がある息子と向き合えず、アルコールとセックスに溺れて現実逃避する男という、まあ近現代文学あるあるな内容にそっか〜なんて思いながら読んでたんだけど終盤に全部持ってかれて今割りと呆然としている。 こういうストーリーで近現代といったらめっちゃ辛いラストになっちゃうんだろうなとか疑った私が大馬鹿だった。 ウルトラハッピーエンディングを掴み取って譲らない大江健三郎が凄すぎてちょっと泣いてしまった。 これ、本当に1960年代に書かれた小説なのか?????????? 正直読んでてうげえってなるところもあるのは確かだが(現実逃避をする男のために尻の穴まで捧げちゃう女友達が本当にわからない。どういうこと?????)、ラストで全部報われた。 障害者が大量に殺害される現実を生きているからこそ、余計に揺さぶられるものがあった。 ラストに関して大批判してる奴大多数なんだけどマジでうるせえ〜〜〜〜!!!!!!!と声を大にして言いたい。 作品の質を高めるために弱者(この作品でいうと脳瘤を持った息子)を殺さないから良いんだろうが!?!?!?!?!?!?!?!? Wikipediaに書いてある三島由紀夫の評論とか読んだけど意味がわからなさすぎて逆に笑った。ウルトラハッピーエンディングの!!!!!どこが悪いんだよ!!!!!!!!!!!!!!
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この作者の作品を初めて読んだが、村上春樹の作品に近い印象を受けた。物語の流れや内容というより、文章の上手さや美しさが素晴らしいと思った。生まれた主人公の息子の頭に異常があったという話。ダラダラと最後まで話が進んでいくかと思ったが、最終盤に展開があって良かった。
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すっげ〜 これが文学だ! 形容が特異で、それでいてここまで想像を掻き立てられて且つ読みやすいのは初めて
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村上春樹は大江健三郎から影響受けてるのだろうか?書き方や作品の雰囲気が似ていると思ったら、大江健三郎自身も自分のことを「20世紀の作家」、村上春樹のことを「21世紀の作家」と称して交流があったみたい
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