個人的な体験 の商品レビュー
主人公と火見子の会話…
主人公と火見子の会話や、綿密な心理描写がとても面白くて一気に読めました。短編よりも読み易かったです。作者自身によるあとがきも素敵でした。
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大江作品としては賛否…
大江作品としては賛否両論あるようですが、感動しました。自分のこどもに障害があることを受け止めるまでの主人公の懊悩が単なる奇麗事として描かれていない、美談だけではないところに。短編とまったく違う味わいです。
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ほかの大江健三郎の著…
ほかの大江健三郎の著作同様に、読みづらく、途中退屈もしました。ただ、彼の作品にはひとつひとつテーマがあります。後半になるにしたがって、作者のメッセージがすごく伝わってきました。「大人になる」とはどういうことか。十代、二十代の若者におすすめします。
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追い込まれゆく人間の…
追い込まれゆく人間の濃厚な心象描写に、息が詰まります。
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独特な比喩表現や会話や文章で、翻訳された本を読んでいるような気分になったので、どこか情景を思い描くときも日本離れしたイメージがずっと頭の中にあった。 火見子の多元宇宙の話はとても面白かった。なんとなくシュタインズゲートを思い出すような話。 鳥(バード)という一人の青年の心の成長...
独特な比喩表現や会話や文章で、翻訳された本を読んでいるような気分になったので、どこか情景を思い描くときも日本離れしたイメージがずっと頭の中にあった。 火見子の多元宇宙の話はとても面白かった。なんとなくシュタインズゲートを思い出すような話。 鳥(バード)という一人の青年の心の成長の物語だったと思う。 障害を持った子供が産まれたことで生じた自分のこれからの人生や死などに対する様々な不安や恐怖の心情が丁寧に描かれていた。 障害を持った子供が産まれた父親という立場での振舞いとしてはまじでくそで0点だったけれど、一丁前に医者の言葉に腹が立ったり、恥ずかしくなったり0点の中にも心の葛藤があったんだと思わされた。 終盤あたりの唐突な心変わりには驚いたけれど、鳥にとっては今までの行動もこの決断をするために必要な準備だったのかもしれないと思った。 冒頭で出会った少年たちが最後鳥とすれ違ったことに気づかない演出と、それに対する解釈が良かった。その解釈が間違っていたとしても、その解釈をする自信や自覚が鳥についたのだなと思った。 半分実体験ということで、著者本人の思想が強く出ているのだろうなぁと思った。
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菊比古の最後の憎悪の目の輝きがわからなかった。あと火見子の最後のアフリカに行きたがって鳥にヒステリックになるところもあんまりわからなかった。結構、火見子が赤子を病院に送るために服を買ったり手術の手筈をしながらも顔面蒼白になったりしててどういう感情なのか謎だった。病院に送る道で迷っ...
菊比古の最後の憎悪の目の輝きがわからなかった。あと火見子の最後のアフリカに行きたがって鳥にヒステリックになるところもあんまりわからなかった。結構、火見子が赤子を病院に送るために服を買ったり手術の手筈をしながらも顔面蒼白になったりしててどういう感情なのか謎だった。病院に送る道で迷って険悪になるところが良かった。欺瞞って何なんだろう。逃げることと欺瞞について書かれていた気がする。最後の最後、教授と話している鳥がケロッと改心して僕は僕の運命を引き受けていきますみたいな感じになってるのもなんかどのツラ下げて…という感情になるけど、鳥が逃げ回る心理も共感できることころもあって面白かった。 174p「いったん自己欺瞞の毒におかされた者は、そんなに明快に身の処し方をきめることはできないわ、鳥」と火見子は最悪の予言をつづけた。「鳥。あなたは離婚するかわりに、一所懸命に自己弁護し、問題点をうやむやにし、結婚生活をたてなおそうとするわ。離婚という決断は、自己欺瞞の毒におかされたあなたにはできそうもないわよ、鳥。そして、あなたは鳥夫人にも究極の所では信頼されず、自分自身でも私生活全体に欺瞞の影を見出して、やがては自己崩壊してしまうことになるわ。もうすでに鳥、自己崩壊の兆があらわれているのじゃない?」「 184p「確かにこれはぼく個人に限った、まったく個人的な体験だ」と鳥はいった。「個人的な体験のうちにも、ひとりでその体験の洞穴をどんどん進んでゆくと、やがては、人間一般にかかわる真実の展望のひらける抜け道に出ることのできる、そういう体験はある筈だろう?その場合、とにかく苦しむ個人には苦しみのあとの果実があたえられるわけだ。暗闇の洞穴で辛い思いはしたが地表に出ることができると同時に金貨の袋も手にいれていたトム・ソウヤーみたいに!”ところがいまぼくの個人的に体験している苦役ときたら、他のあらゆる人間の世界から孤立している自分ひとりの竪穴を、絶望的に深く掘り進んでいることにすぎない。おなじ暗闇の穴ばこで苦しい汗を流しても、ぼくの体験からは、人間的な意味のひとかけらも生れない。不毛で恥かしいだけの眠らしい穴掘りだ、ぼくのトム・ソウヤーはやたらに深い堅穴の底で気が狂ってしまうのかもしれないや」
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火見子とバードの妻という「女」の描き方。 火見子はファムファタール的であるがバードにとってあまりに都合の良い女。バードの妻は名前すら語られない。「赤ちゃん、どうしたかねえ」と呟き、バードに「みすぼらしい溝鼠みたいね」と言う妻。女の存在、立ち位置の描き方へのモヤモヤは、この作品が6...
火見子とバードの妻という「女」の描き方。 火見子はファムファタール的であるがバードにとってあまりに都合の良い女。バードの妻は名前すら語られない。「赤ちゃん、どうしたかねえ」と呟き、バードに「みすぼらしい溝鼠みたいね」と言う妻。女の存在、立ち位置の描き方へのモヤモヤは、この作品が62年前が故、と一旦頭から追い出す。ここには書いておく。 生々しく、汚らしく、臭い。よくもここまでこのように書けるなと。(それが素晴らしいところ) 読み手は容易に、自分の不具の赤ちゃんの死を望む人間の心境に入っていける。それはそれは気分が悪く吐きそうで、実際にバードが嘔吐するシーンは本気で気持ちが悪くなりそうだった。バードが自分のなかの恐らく一番見たくない、醜悪な部分を直視しながら進む数週間、何年にも感じられるような地獄を一緒に血反吐を吐きながら進んでいくようだった。 最後の選択に私は安易に安堵してしまうが、それで良いんだと、著者自身のあとがきを読んで思った。
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社会的役割と感情との乖離がある男が、その乖離と責任から、情欲と退廃に逃げる物語 具体的には頭に腫瘍のある奇形児が生まれてしまい、それを妻に見せず義母と共犯で殺す合理的な役割と、妻の手前や仕事先や病院で与えられる感情的な父親としての役割とに板挟みされた主人公が、そのどちらの演技も必要とせず、理解と議論とカウンセリングと性の解消を与えてくれる母親のようなヒミコに傾倒していく。 赤ん坊を確実に殺してヒミコとアフリカに駆け落ちしようとしたところで、主人公が昔裏切ったゲイの経営するバーに行くことになる。そこで突如、逃げ続けた結果どんな自分を守りたいのか?と自分に問いかけてみたところ、答えは出ず、ただ逃げるための逃避でしか無かったことに気づく。 最終的に赤ん坊の手術を受けたら、脳ヘルニアではなく、ただの腫瘍だったというオチ。 メタファーがすごく多く、主人公が極限状態で全てに対して疑心暗鬼になっている主観を追体験で来てたのしかった。これは大江健三郎の文体だから、"この主人公が'という訳ではないんだろうけど。 特児室での看護師の権力と監視の試練、医者に無理な反論を続け"白便"という言葉を生み出した荒唐無稽なチビ男、義眼の医者、ヒミコの同級生である守護霊の狸のような女、3p僻のある少年に、ハゲ頭の産婦人科医、ドラゴンのジャケットを着たハイティーン。 自分とバードを重ね合わせて、社会的役割から逃れたい気持ちに共感していたから、最後急に正気に戻られて裏切られたような気持ちになった。 自分はきっと、ヘッセの荒野の狼でも感じたけれど、自分よりも頭が良く寛容でカウンセリングのような対話をしてくれる女性が好きなんだな
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頭が2つに見える赤ん坊が生まれ、夢を諦めて家庭に縛りつけられることに絶望を感じ、火見子との性行為に溺れる鳥。 自分の理想ではない子供を恥だと思って、衰弱死を願う鳥に心底呆れ返りイライラしたけど、みんな口には出さないだけでそれぞれに絶望があって、倫理からはかけ離れたような希望を抱くこともあって、そのうちに現実を受け入れていくことは確かにあるから、鳥のこの物語も成長とよべるのかもしれない。
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人生でこれからも読み続けていくであろう一冊になりました。 畢竟、人は自分のために生きるべきである。うん、きっとそうです。人生で遭遇する幸も不幸も、それに伴する個人的な選択は必ず良いものではあるとは言えない。しかーし!余生での幸を慮り、果てしなく永い時間思い悩んで出した選択であれ...
人生でこれからも読み続けていくであろう一冊になりました。 畢竟、人は自分のために生きるべきである。うん、きっとそうです。人生で遭遇する幸も不幸も、それに伴する個人的な選択は必ず良いものではあるとは言えない。しかーし!余生での幸を慮り、果てしなく永い時間思い悩んで出した選択であれば何もその先を思いやられる必要なんてない!お前の選択だ!エレンイェーガーも言ってました。お前が始めた物語だろってね。これはフランスの実存主義者の言葉ですか? しかーし!! バードよ!君は表現力が豊かすぎるあまりグヌヌ!!と言う気持ちにさせられましたよ!もうかなんわ!男はセクースをしたくなるとIQが著しく低下するとよく言いますが、あなたは睾丸でさえも人間の脳の倍以上の知能があるのではないですか!本当にグロいです!グロいグロいグロい!でも癖になります!これはピータンです。ピータン本です。
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