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おとうと の商品レビュー

3.8

75件のお客様レビュー

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姉から見た弟の成長を…

姉から見た弟の成長を描いた物語。少年から青年への成長。そして繊細な心境変化。そして、死。本の途中からストーリーがガラッと変わります。

文庫OFF

文章の味わいだけでな…

文章の味わいだけでなく、きょうだいの感情を興味深く呼んだ。

文庫OFF

弟への愛情が描かれた…

弟への愛情が描かれた作品。やや退屈な気もしましたが……。

文庫OFF

2024/06/14

某所読書会課題図書:碧郎を姉のげんが見守る物語だが、少しやんちゃな弟を病気で活動があまりできない母の代わりをしている感じだ.いろいろな事件が起こるが、男の子がよくやるかっぱらいを契機に不良仲間と付き合う碧郎.げん自身が疑われた万引き事件での彼女の警官に対する態度は素晴らしいと感じ...

某所読書会課題図書:碧郎を姉のげんが見守る物語だが、少しやんちゃな弟を病気で活動があまりできない母の代わりをしている感じだ.いろいろな事件が起こるが、男の子がよくやるかっぱらいを契機に不良仲間と付き合う碧郎.げん自身が疑われた万引き事件での彼女の警官に対する態度は素晴らしいと感じた.碧郎がキリスト教系の学校を退学処分になり仏教系の学校に入り、大人らしくなりつつある弟を冷静に見つめるげん.ほどなく弟が結核にかかっていることが分かり、母に代わって看病をするげん.当時満足な治療方法が無かった病気だったので、医師も時間を引き延ばして、何とか生かしておくことしかできず、次第に衰弱していく碧郎.げんの看病で碧郎は満足して旅立ったと感じた.げんの強さが根底に流れるストーリーだと思う.

Posted byブクログ

2024/05/11

弟を中心として家族4人の関係を描く。家族とは良いとか悪いとかではなく、とにかくそこにいるもの はじめは少しくどい心理描写に退屈するかとも思ったが、文章自体の歯切れが良いのにも救われ、読むにつれ引きこまれた。ストレートで胸に迫る

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2024/03/25

中学校の国語の授業で一部分だけ、読んだ記憶があります。その時は、若くして病死する弟という、現代では稀有なストーリーで昔話としてしか捉えていませんでした。 アラフィフになった現在。私にも弟がいます。二人姉弟です。今は、各々の人生を生きる立派なオッサンとオバチャンです。 そんなオッサ...

中学校の国語の授業で一部分だけ、読んだ記憶があります。その時は、若くして病死する弟という、現代では稀有なストーリーで昔話としてしか捉えていませんでした。 アラフィフになった現在。私にも弟がいます。二人姉弟です。今は、各々の人生を生きる立派なオッサンとオバチャンです。 そんなオッサンの弟がもし亡くなったら、やっぱり考えられません。親を亡くすのとは、違うだろうな、中学生の頃とは、全く違う読後感に襲われてました。

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2024/03/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

主人公げんの責任感の強さと愛情深さ、人それぞれがおかれた立場を汲み取る理解力に感心させられる。小説執筆に没頭し、常日頃家族を親身に顧みない父、形ばかりで母親らしい愛情を注げない継母、そして自分の居場所を探し、自由奔放に振る舞うおとうと。げんは、若さゆえになぜ自分を二の次におかねばならぬのか、不満に思いながらも、父、継母、おとうとのおかれた立場や性格を思い、自分しかいないと奮起し、家事や継母の使い、おとうとの面倒を見続ける。読んでいるこちらが焦ったくなるほどの責任感だ。なかでもときに本音を唯一ぶつけられる3つ違いのおとうと・碧郎の不安定さを危惧し、目をかける。碧郎の危なっかしさに、冒頭から不穏な気配を感じざるを得ない。主人公はげんだが、ときに碧郎目線で語られることで、碧郎の危なっかしさが引き立つ。そんな人間模様が展開される景色の描写は、どこか世の厳しさや物悲しさを感じさせる。しかし、これだけの悲壮感を漂わせる要素がありながら、なぜかその先に希望があるのではないかと思わせてくれるから不思議だ。読んでいても悲劇物語だとは思わない。そこには、げんの強さ、さらなる成長、碧郎の持ち合わせた楽観さ、さらには充分な愛着をそそげていないように見える父や継母なりの愛情や気持ちを、げんが汲み取れていることにある。それが滅入るような話に落ち込まないよう、思いやりと強さに引っ張られているからなのだと気づく。その心情をみごとなまでに言語化していて、共感したり、そういう考え方があるのかと教えられたりした。

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2024/02/25

久方ぶりに手に取りました。 実話をベースにした話のようですが、家族間の言ってみれば甘えを責めるわけでもなく、ただ淡淡と描き切ってます。いやぁ、文章が上手いことも相まってかもですが、じわじわと真綿で締めてくる感じ。 この間観た映画でもっと評価されるべき作家とのセリフがありましたが、...

久方ぶりに手に取りました。 実話をベースにした話のようですが、家族間の言ってみれば甘えを責めるわけでもなく、ただ淡淡と描き切ってます。いやぁ、文章が上手いことも相まってかもですが、じわじわと真綿で締めてくる感じ。 この間観た映画でもっと評価されるべき作家とのセリフがありましたが、当方ごときも本当にそう思います。

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2024/01/07

文氏は父のことを本当はど思っていたのだろう。心のひだにある思いを掬い上げるかのような作品を書く人が、事実上の家長として振る舞う17才の胸のうちを想像できないのです。この小説は露伴に対する恨み節なのではないかと感じます。

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2023/09/18

高校生の頃ぶりに読み返した。 冒頭の雨の描写から、なんとなくこの姉弟の今後には、暗い影が差し掛かるのでは、と察しがつく。 でもその中で弟の碧郎は、冒頭で見せる姉を思いやる心を終始持ち続ける。 ひとつの映画を見ているように、華美なところのない、写実的な文章だと思う。 げんが両...

高校生の頃ぶりに読み返した。 冒頭の雨の描写から、なんとなくこの姉弟の今後には、暗い影が差し掛かるのでは、と察しがつく。 でもその中で弟の碧郎は、冒頭で見せる姉を思いやる心を終始持ち続ける。 ひとつの映画を見ているように、華美なところのない、写実的な文章だと思う。 げんが両親や弟に対してやるせない気持ちを持ったり、次の瞬間には同情していたり、家族というのはそうやって互いにいろんな感情を持ち続けるのだろうな。 高校生の頃、たしか長期休みの課題図書のうちの一冊だった。 なんとなしに読んでぼろぼろ泣いて、その勢いのまま感想文を書き、国語の担当教師から「そんなふうに心を動かされる本に出会ってもらえてうれしい」とコメント返しがあったのをよく覚えている。 二度目に読んでも碧郎の最期は悲しくて、ベローチェで目をうるうるさせながら、後半は一気に読み終えた。

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