黒地の絵 の商品レビュー
美術に関係した短編が…
美術に関係した短編が多く収録されている。表題作の「黒地の絵」の執念や、「真贋の森」のリアリティにうならされる。
文庫OFF
恥ずかしながら初清張。 社会派で、巨悪を糾弾する!みたいなイメージを勝手に持っていたけど、なかなかどうして愛憎ドロドロ。 登場人物の情の深さ以外は、時代を感じさせない文章と展開で引き込まれる。 普通の人の普通の日常に潜む深い落とし穴、怖いね。
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読んでいて心が暗くなる話が多い。特に表題作は実話という事もあって居た堪れないし似たような事件は他の国でもあったと推察される。 評論家的ポジションになってしまった芸術家の「復讐」話(タイトルは敢えて挙げない)は犯罪でない犯罪トリックみたいな感じでリアリティがあって良かった。『紙の牙...
読んでいて心が暗くなる話が多い。特に表題作は実話という事もあって居た堪れないし似たような事件は他の国でもあったと推察される。 評論家的ポジションになってしまった芸術家の「復讐」話(タイトルは敢えて挙げない)は犯罪でない犯罪トリックみたいな感じでリアリティがあって良かった。『紙の牙』などマスコミの暗部を描いたり幅広いが個人的には他の本でも読んだ『真贋の森』が白眉。アートミステリーというジャンルになるだろうが登場人物や準備の仕方が面白かった。
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松本清張の短編集。『黒地の絵』は九州小倉の米軍基地からの脱走兵の黒人たちに妻を犯された男の凄絶な復讐を描く。朝鮮戦争で戦死した米軍兵士の行末が興味深い。『真贋の森』閉鎖的な日本美術学界から追い出された男の復讐を描く。『紙の牙』市政新聞の記者の残酷さを描く。主人公に同情するが、まさ...
松本清張の短編集。『黒地の絵』は九州小倉の米軍基地からの脱走兵の黒人たちに妻を犯された男の凄絶な復讐を描く。朝鮮戦争で戦死した米軍兵士の行末が興味深い。『真贋の森』閉鎖的な日本美術学界から追い出された男の復讐を描く。『紙の牙』市政新聞の記者の残酷さを描く。主人公に同情するが、まさかこんなことからという恐怖。1個人を追い詰めるマスコミの残酷さ。『空白の意匠』広告記事を巡っての新聞社と広告代理店の探り合いを描く。『確証』妻の不貞を疑う夫は、ある方法で確信するが など 何気ない毎日が突然何かの拍子で一変し、それに怯え、あるいは闘う普通の人間の末路が描かれていて、さすが清張だと思う。2023年6月17日読了。
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9つからなる短編集。 後味悪くてなんだか読むの辛く感じた作品でしたが、ある意味人間の嫌な部分が露わになったストーリーに感じました。 『二階』『拐帯行』『黒地の絵』『空白の意匠』 『草笛』『確証』
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松本清張の傑作短編集第二弾。現代と言っても昭和中頃の話。七つの短編からなる。ミステリー要素あり、さらっと読ませる。さすが清張さん。
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清張の短編集2冊目。 こないだの『黒い画集』ほどの衝撃は無かったが、それでも印象の強い作品はいくつかあったし、どれも興味をぐいぐいと引きつけられ一気に読まされてしまう、優れた語り口が見られた。 「紙の刃」などはサラリーマンが苦境に陥り困惑を極める話なのだが、実際の自分の仕事とはえ...
清張の短編集2冊目。 こないだの『黒い画集』ほどの衝撃は無かったが、それでも印象の強い作品はいくつかあったし、どれも興味をぐいぐいと引きつけられ一気に読まされてしまう、優れた語り口が見られた。 「紙の刃」などはサラリーマンが苦境に陥り困惑を極める話なのだが、実際の自分の仕事とはえらく違う領域であってもこの仕事上の困窮は身に迫る感じがして、読んでいて辛くなった。 どうやら松本清張は現代日本人が普遍的に日常的にすれ違うような「イヤな感じ」を見事に抉り出す点で実に傑出しているようだ。 松本清張は、「イヤな感じ」大魔王である。 現実生活にもありがちな「イヤな感じ」を、フィクションを読んでわざわざ反芻させられ強調されることに喜びを感じるという傾向は、「ホラー映画/小説」に何故か惹かれてしまう人の心の闇に通底するのかもしれない。
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本のタイトルは黒地の絵だが、内容は「真贋の森」が出色。 清張のアカデミズムに対する見方が色濃く作品に反映されている様に感じる。 「装飾評伝」「草笛」がこれに次ぐ。虚実ない交ぜとなったリアリティー溢れる佳品。 他の作品も読みごたえはあるが、話の結末はことごとく悲しい。清張の現代...
本のタイトルは黒地の絵だが、内容は「真贋の森」が出色。 清張のアカデミズムに対する見方が色濃く作品に反映されている様に感じる。 「装飾評伝」「草笛」がこれに次ぐ。虚実ない交ぜとなったリアリティー溢れる佳品。 他の作品も読みごたえはあるが、話の結末はことごとく悲しい。清張の現代小説は人が死なない(殺されない)方がよい。推理小説はまた別。 「真贋の森」は特にオススメ。 くまざわ書店阿倍野店にて購入。
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「二階」「拐帯行」「黒地の絵」「装飾評伝」「真贋の森」 「紙の牙」「空白の意匠」「草笛」「確証」の9つの短編が収録。表題にもなっている「黒地の絵」は、朝鮮戦争中に九州は小倉にあった米軍基地での黒人兵士脱走と小倉市民への危害や被害の実話が素材になっている。他の作品も、アカデミズム、...
「二階」「拐帯行」「黒地の絵」「装飾評伝」「真贋の森」 「紙の牙」「空白の意匠」「草笛」「確証」の9つの短編が収録。表題にもなっている「黒地の絵」は、朝鮮戦争中に九州は小倉にあった米軍基地での黒人兵士脱走と小倉市民への危害や被害の実話が素材になっている。他の作品も、アカデミズム、白い巨塔に対する鬱積や企み、虐げられた仕返しをしたつもりが逆に嵌められて、組織防衛のために犠牲になる人間など、読み応えのある作品ばかり。
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「真贋の森」は面白かった。 「紙の牙」は気分が滅入った。 「空白の意匠」「確証」はそれに追い討ちをかけるかのようにさらに気分が滅入らされた。いずれも特に結末に。 (2015.1.22)
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