不毛地帯(1983年)(1) の商品レビュー
陸軍参謀の壱岐の厳冬…
陸軍参謀の壱岐の厳冬シベリアでの抑留生活を中心に描いています。帰れるのに仲間と職責を全うするために日本に帰らず敢えて厳しい捕虜となるところや、東京裁判で有利な証言をするようにわざわざ日本に連れて行き家族にあわすことを条件にする部分。壱岐はそれを断った。ところはすごく胸を打ちました...
陸軍参謀の壱岐の厳冬シベリアでの抑留生活を中心に描いています。帰れるのに仲間と職責を全うするために日本に帰らず敢えて厳しい捕虜となるところや、東京裁判で有利な証言をするようにわざわざ日本に連れて行き家族にあわすことを条件にする部分。壱岐はそれを断った。ところはすごく胸を打ちました。泣けます。次々に死んでいく仲間たち。壱岐は無事に日本の土を踏めるのか・・・
文庫OFF
半分以上を戦後のシベリア抑留中の話が占めている。重く暗いシベリアでの話の中に、急遽現実の商社の話が差し込まれると、同じ日本且つ戦後十数年ということが信じられなくなる。 商社マンとして歩み始める壹岐の動揺と葛藤が描かれている。
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予約していた一巻が入ったと図書館から連絡があり借りて読んだ。 先日のテレビ放映よりもシベリア抑留の悲惨な局面の描写が多く読み応えあり。一巻の半分以上がシベリア時代の回想シーンであった。主人公の壱岐正が46歳で大本営参謀から商社に就職して、戸惑いつつも、情報収集して戦略を立て実行...
予約していた一巻が入ったと図書館から連絡があり借りて読んだ。 先日のテレビ放映よりもシベリア抑留の悲惨な局面の描写が多く読み応えあり。一巻の半分以上がシベリア時代の回想シーンであった。主人公の壱岐正が46歳で大本営参謀から商社に就職して、戸惑いつつも、情報収集して戦略を立て実行してゆく本質的なプロセスには違いがないことに気づいてゆく流れがとても面白く読めた。二巻以降は防衛庁向けの次期戦闘機の納入の話が佳境にはいる。図書館の連絡を首を長くして待っているところである。
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山崎豊子の作品。 元陸軍参謀の壹岐中佐が敗戦を迎え、シベリア抑留を経て日本に帰国し、商社で新たな人生を始める話。 第1巻は敗戦に伴うシベリア抑留の日々と帰国後に商社からスカウトされ、最初は右も左もわからぬ繊維部門で働き、その後は不本意ながら防衛部門で活躍し始める話。 特にシベリア抑留時代の話が心に残った。 本当に恐ろしい時代で、諦めずに生き延びたのが不思議なくらい。
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敗戦、そして、即時停戦の大本営命令を携え、満州の長春(新京)、シベリア抑留へ。戦後、辛酸を舐めた元大本営参謀の戦後の来し方を描く小説。 著者の言かは定かではないが、数多登場する旧軍人に対し理想の軍人像を投影しているきらいが強い。また、主人公には明確なモデルがいるが、シベリア抑留や戦後の処し方は複数の人物から反映されたものらしく、当然だが人物造形はフィクション。全4巻中の1巻。 シベリア抑留生活から近畿の繊維を主力とする商社入社、次期防空戦闘機納入を巡る商社幹部・防衛庁の暗躍のさわりまで。
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シベリアでの拘留生活の厳しさ、歴史を知ることが出来た。商社で働くものとして、世界の動向を把握し、日本の国益になり、そして世界の発展に繋がる仕事、一つ作り上げたい。 一言よく人を生かし、一言よく人を殺す 自分と会社の10年後を考える 仏教の根本は、共生の精神。自分のためだけ...
シベリアでの拘留生活の厳しさ、歴史を知ることが出来た。商社で働くものとして、世界の動向を把握し、日本の国益になり、そして世界の発展に繋がる仕事、一つ作り上げたい。 一言よく人を生かし、一言よく人を殺す 自分と会社の10年後を考える 仏教の根本は、共生の精神。自分のためだけの生き方ではなく、自分の生き方が人に感銘を与え、人に幸せをもたらせる自他共に生きる共生の心が存在しなければならない 生きて歴史の証人たれ
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山崎豊子さん初挑戦… 難しいかなーと思ったら、以外にすんなり読めた。 読みやすく編集いただいてるんですね!(゚_゚) シベリア拘束の部分がとにかく辛かった。何度か私の中で壱岐さんは死んでいた…でも生きてよかった。 商社マンになったとたん、話ががらっと変わって、違う小説読んでいるかとおもった。。こっちのほうが難しい。。商社わからん。。 とにかくじっくり読み進めようとおもう… そのほうが面白いもんね… さて会社の図書コーナーで続きを。
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暗くて、重くて、また難解で、ページを繰る手がなかなか進まなかったけど、知っておくべき事実が多く書かれていた。 「戦争は悪」漠然と考えていた。 地上戦の悲惨さ、原爆の恐ろしさ、特攻隊など犬死した人が多くいることなど、よく聞く戦争の話はあるけど、それを画策した政治家や作戦を立てていた軍人がいたこと、またその人たちの運命まで考えたことがなかった。 その人たちにとっては一口に戦争が悪なのではなく、「敗戦が悪」なのだ。 俘虜となり、11年間も(!)人間として扱われないなんて、気が狂わずにいるほうが難しいだろう。 その描写は生々しく、まるで著者はその様子を具に見て描いたのではと思うほど。 過去は変えられないけど、将来は変えられる。 過去を学ぶのは、反省するためでも暗い気分になるためでもなく、将来ほんの少しでも過去より賢い選択をするため。 こういう本こそもっと世に知られるべき。
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極寒のシベリア収容所で11年生き抜いた元、日本軍大本営参謀、壹岐正が無事に日本へ帰還し2年を経て、近畿商事に嘱託として勤務することを決心するまでが1巻の内容である。著者の取材が正しければ、シベリア収容所とはこの世の地獄のようなところである。
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戦後直後から11年間シベリアで捕虜になりその後、帰国してからは商社に勤めだす。 主人公が回想するシベリア抑留の悲惨さと、商社マンとして社会の中で闘っていく姿に、時代の流れや人々の気持ちの揺れに考えさせられるものがある。 過去(シベリア回想)と現在(商社勤務)の緩急をつけた表現がみ...
戦後直後から11年間シベリアで捕虜になりその後、帰国してからは商社に勤めだす。 主人公が回想するシベリア抑留の悲惨さと、商社マンとして社会の中で闘っていく姿に、時代の流れや人々の気持ちの揺れに考えさせられるものがある。 過去(シベリア回想)と現在(商社勤務)の緩急をつけた表現がみごとである。
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