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小泉八雲集 の商品レビュー

4.2

62件のお客様レビュー

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何度読んでもすばらし…

何度読んでもすばらしい「影」「日本雑記」「怪談」などの短編集から選ばれたラフカディオ・ハーンの作品集。ここまで情緒豊かに怪談を語れる人はそうそういない。お勧めは未完で終わっているが故に謎と恐怖が最高潮のままに余韻を残す「茶碗の中」と、いつも笑っている日本人の謎について語るエッセイ...

何度読んでもすばらしい「影」「日本雑記」「怪談」などの短編集から選ばれたラフカディオ・ハーンの作品集。ここまで情緒豊かに怪談を語れる人はそうそういない。お勧めは未完で終わっているが故に謎と恐怖が最高潮のままに余韻を残す「茶碗の中」と、いつも笑っている日本人の謎について語るエッセイ「日本人の微笑」でしょうか。もちろん「耳なし芳一」や「雪女」などの名作も欠かせない。

文庫OFF

2024/08/14

小泉八雲が外国人だったと最近になって知った。 内容は日本なのに文体が訳書なところが、「外国人が日本を舞台にして作ったゲームに感じる違和感」に似て趣があるというか、独特で面白い。 私は「茶碗の中」が特に好き。 ミステリー的な面白さがありながら、丁度続きが気になるところで尻切れ蜻蛉...

小泉八雲が外国人だったと最近になって知った。 内容は日本なのに文体が訳書なところが、「外国人が日本を舞台にして作ったゲームに感じる違和感」に似て趣があるというか、独特で面白い。 私は「茶碗の中」が特に好き。 ミステリー的な面白さがありながら、丁度続きが気になるところで尻切れ蜻蛉…前につんのめるような感覚。茶碗の中の男が何者なのか、何が目的なのか…何も分からないまま。 今の時代「分からなさ」を「分からなさ」のままにしておくことはあまり歓迎されず、明快であることが大きな価値基準とされている。それはそれで良いのだが、こういった「どうにも消化できない澱」というのは忘れ難く好ましい。 電灯の届かない不気味な暗渠をまざまざと見せつけられる機会は、現代において貴重なものだと思う。 もちろんあの続きを自由に空想するのも面白い。

Posted byブクログ

2024/07/12

日本大好きな小泉八雲(ラフカディオ•ハーン)さん。 1890年39歳のときアメリカ雑誌社の通信員として横浜に上陸。その後島根での生活を通して知った、日本の怪談、民話、文化、生活習慣、様々なものに深く心奪われる。 日本人女性と結婚。 日本に帰化し、日本で生活した14年間を英語教師と...

日本大好きな小泉八雲(ラフカディオ•ハーン)さん。 1890年39歳のときアメリカ雑誌社の通信員として横浜に上陸。その後島根での生活を通して知った、日本の怪談、民話、文化、生活習慣、様々なものに深く心奪われる。 日本人女性と結婚。 日本に帰化し、日本で生活した14年間を英語教師として過ごす一方で、日本の怪談や日本文化などをアメリカ向けに紹介する本を書かれる。 約130年前来日した八雲さんは、日本をどんな風に紹介し、日本での生活をどんな風に感じていたのか興味津々で手に取った。 小泉八雲集は、ほぼ日本の怪談や奇談の作品集。 有名な日本の怪談もいくつかあり、雪女、耳なし芳一、ろくろ首など改めて読んで、こんなお話だったんだぁとちょっと驚いた。 「日本人の微笑」は八雲さんの論文で、 正直、理解できない箇所もたくさんあったけれど、その中でも印象に残ったのは西欧と日本の微笑むタイミングや意味や習慣の違いから、日本人が誤解され解雇や殺人につながってしまった事件があった事。八雲さんが日本をどれほど愛して理解しようと努力されていたかが伝わってくる。 日本を愛してくれてありがとうと伝えたいな。 あと、すごく不思議だったのは、 好きな人に恋焦がれ、想いが報われず病になり命を落とす幽霊はほぼ女性だったこと。 これって、女性の恨みは恐ろしいってことなのかなぁ…(・・?)うーん、不思議。

Posted byブクログ

2023/04/16
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※このレビューにはネタバレを含みます

作者である小泉八雲先生が残した作品集から選び抜かれた作品がまとめられた今作。日本の19世紀の日常の生活や民族習慣、民話や伝説さらには怪談など様々なものが描かれている。 怪談話には、聞いたこともある話がたくさんあり、そのモチーフや最初になった作品なのかな、とも思えた。 また、「日本人の微笑」はとっても興味深い作品であった。これは、小泉八雲が感じた日本の習慣や良いところ、国民性を描いているエッセイみたいなものだった。その中で欧米の価値観である人権の意識や資本主義が導入されると日本人の伝統的な価値観が失われ、貧者への圧倒的な義務を課す社会となるだろう、と予言しており、実際にそのような社会になっている今の日本を鑑みると、ほんとにすごい洞察力をもった作者なのであろう。

Posted byブクログ

2023/03/02

知ってる知ってる この怪談 映画「怪談」の原作だったのか。 浅田次郎のエッセイに 海外旅行で読むべき本は小泉八雲の本 とあったので読んでみた。 理由は忘れたけど、なんとなくわかるような気がした。 昔の日本人が持っていた 男女の愛の深さや 執念、因果、精神的な強さなどが表...

知ってる知ってる この怪談 映画「怪談」の原作だったのか。 浅田次郎のエッセイに 海外旅行で読むべき本は小泉八雲の本 とあったので読んでみた。 理由は忘れたけど、なんとなくわかるような気がした。 昔の日本人が持っていた 男女の愛の深さや 執念、因果、精神的な強さなどが表現された短編。 現代の日本人には理解できないだろうな

Posted byブクログ

2022/12/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

和解 京都 衝立の女 死骸にまたがる男 大宿直村(おおとのい) 弁天の同情 京都 大通寺 鮫人の恩返し 近江の国石山寺 瀬田の長橋 三井寺 守られた約束 播磨の国加古の村 富田城 破られた約束  果心居士のはなし 信長 清水寺 近江八景 梅津忠兵衛のはなし 出羽の国横手 漂流 焼津新屋地区 紀州の九鬼 荒坂 金毘羅さま 小川の地蔵さま 骨董 伯耆の国黒坂村 幽霊滝 茶碗の中 江戸本郷の白山 常識 愛宕山 生霊 江戸の霊岸島 死霊 越前の国 おかめのはなし 土佐の国 名越 蝿のはなし 京都島原街道寺町通 雉のはなし 尾州の国遠山の里 忠五郎のはなし 江戸の小石川 土地の風習 九州 草ひばり こおろぎ 耳なし芳一のはなし 下関海峡 赤間が関 おしどり 陸奥の国田村の郷 赤沼 お貞のはなし 越後の国新潟の町 伊香保 乳母ざくら 伊予の国温泉郡の朝美村 西芳寺 かけひき 食人鬼 美濃の国 むじな 東京の赤坂通り紀ノ国坂 ろくろ首 甲斐の国 信濃の諏訪 葬られた秘密 丹波の国 雪おんな 武蔵の国 青柳のはなし 越前の国 十六ざくら 伊予の国和気郡 安芸之助の夢 大和国の十市 力ばか 鏡の乙女 南伊勢の大河内明神 信州の鳥井の池 弘法大師の書 高雄山 五台山 美福門 皇嘉門 心中 灘町 妙興寺 日本人の微笑 赤い婚礼 停車場にて 福岡相撲町 熊本 門づけ ハル きみ子 人形の墓 悪因縁 江戸牛込 新幡随院の墓地 因果ばなし 焼津にて

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2022/09/01

怪談が有名な著者だけど、日本人観・日本文化観は日本人として頷けるところが多かった。 悲しいこと、辛いことがあっても、他人にはつとめて笑って見せるその何とない仕草。 急速に変わっていく現代でもみられるこの仕草、八雲が指摘しているような、文化や価値観、日本人の根底から根付いた反応。 ...

怪談が有名な著者だけど、日本人観・日本文化観は日本人として頷けるところが多かった。 悲しいこと、辛いことがあっても、他人にはつとめて笑って見せるその何とない仕草。 急速に変わっていく現代でもみられるこの仕草、八雲が指摘しているような、文化や価値観、日本人の根底から根付いた反応。 これが廃れるのは、おそらくもっと先だろう。

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2022/06/19

子供の頃に聞いた怪談がたくさん載っていて懐かしい。寝る前とかに気に入った話だけ再読したいと思わせる本。

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2021/03/10

何度読み返しても素晴らしい。上田和夫の訳も好きだ。「影」「日本雑記」「怪談」などの短編集から選ばれた作品集である。英国人だった八雲は妻の節子から怪談話を聞き、それを英文の本にまとめた。その意味で彼は小説家ではなく翻訳家であって、ほとんどの話に出典があり、他の作家も文章に書き起こし...

何度読み返しても素晴らしい。上田和夫の訳も好きだ。「影」「日本雑記」「怪談」などの短編集から選ばれた作品集である。英国人だった八雲は妻の節子から怪談話を聞き、それを英文の本にまとめた。その意味で彼は小説家ではなく翻訳家であって、ほとんどの話に出典があり、他の作家も文章に書き起こしているものも多い。有名な「耳なし芳一の話」も元ネタはあるが、似た話は西日本に多く残る昔話で柳田國男は徳島の「耳切り団一」の話を書いていた。私が好きな話は、未完で終わるが故に謎と恐怖が最高潮のままで余韻を残す「茶碗の中」と微笑む日本人の謎について語るエッセイ「日本人の微笑」でしょうか。

Posted byブクログ

2021/03/03

怪談だけではなく、外国人から見た日本人についての考察も書かれており興味深かった。〝日本人の微笑〟を読み、現在の日本人を見て彼は何を思うだろうか?と…。

Posted byブクログ