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ひかりごけ の商品レビュー

3.8

63件のお客様レビュー

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 「人肉食い」がテー…

 「人肉食い」がテーマの表題作を含む、4つの短編が収められている。「ひかりごけ」では、何があったのか最初に提示し、後半は戯曲の形で進行していく。人肉食いなど「言語道断」と裁判で糾弾していく描写はすさまじく、一気に読み進めてしまった。エンディングでは、思わず「えーっ!」と声がでた。

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「人肉喰い」というテ…

「人肉喰い」というテーマを、戯曲形式を交えたアバンギャルドな手法で綴った名作。

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ひかりごけを含む短編…

ひかりごけを含む短編4つ。人食いの話であれだか寸劇のやりとりは面白い。

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ひかりごけを始めとす…

ひかりごけを始めとする短編中篇4編が収められている。『ひかりごけ』は、雪と流氷に閉ざされた北海の洞窟の中でのカニバリズムを描いた作品。戦争末期、難破した輸送船の船長が2ヶ月ぶりに帰還し一時は英雄ともてはやされるものの、実は乗組員の人肉を食べて生き延びていたことが判明するという話。...

ひかりごけを始めとする短編中篇4編が収められている。『ひかりごけ』は、雪と流氷に閉ざされた北海の洞窟の中でのカニバリズムを描いた作品。戦争末期、難破した輸送船の船長が2ヶ月ぶりに帰還し一時は英雄ともてはやされるものの、実は乗組員の人肉を食べて生き延びていたことが判明するという話。非常に重い話である。飽食日本の危うさを感じる。

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「ひかりごけ」は戯曲…

「ひかりごけ」は戯曲形式。ラストのどんでん返しには納得してしまいました。

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2024/09/20

情景描写が上手いと思う。 地方の風景や方言などを取り入れた作品が多い。 メインの「ひかりごけ」に関しては、評価が難しい。 実際の事件後の船長の発言など多少改変されている部分が見受けられ、「そういう感じではないのだけどな…」と思いつつ、事実をそのまま小説にしてもそれはまた違うし、...

情景描写が上手いと思う。 地方の風景や方言などを取り入れた作品が多い。 メインの「ひかりごけ」に関しては、評価が難しい。 実際の事件後の船長の発言など多少改変されている部分が見受けられ、「そういう感じではないのだけどな…」と思いつつ、事実をそのまま小説にしてもそれはまた違うし、なんとも言えない。

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2024/03/26

深い。 極限状態に人の心はどうなるのか。何が正しく何が誤りなのか。 人肉を食べるとは。想像ではなく、主人公と同じ状況になったら自分はどうしただろうか。 人間とは、生きるとは、死ぬとは、恥とは、罪とは、救いとは、考えさせられた。 作家の言う「生きてゆくのは恥ずかしいし、生きているこ...

深い。 極限状態に人の心はどうなるのか。何が正しく何が誤りなのか。 人肉を食べるとは。想像ではなく、主人公と同じ状況になったら自分はどうしただろうか。 人間とは、生きるとは、死ぬとは、恥とは、罪とは、救いとは、考えさせられた。 作家の言う「生きてゆくのは恥ずかしいし、生きていることがただ苦しいのだ」 主人公が「我慢している」のはこれなのか、、 「船長を囲む群衆が増加し、おびただしい光の輪がひしめく」 あれをやった者も、他の罪を犯した者も同罪なのか、 要再読。

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2023/09/18

『異形の者』、ちょうど刑務所に取材に行った直後に読むと、閉鎖的空間に閉じ込められていた男たちが、たまたまの機会に外から来た女の色のついた服や白い肌を見て非常に感覚を刺激される様子が妙にリアルにわかって面白かった。 『海肌の匂い』、全然色恋ものではないしテーマは全く違うのだが、地方...

『異形の者』、ちょうど刑務所に取材に行った直後に読むと、閉鎖的空間に閉じ込められていた男たちが、たまたまの機会に外から来た女の色のついた服や白い肌を見て非常に感覚を刺激される様子が妙にリアルにわかって面白かった。 『海肌の匂い』、全然色恋ものではないしテーマは全く違うのだが、地方の漁村をこってり書いているという点においては暗い『潮騒』みたいだった。 『潮騒』好きとしては親和性のある物語舞台。 漁のシーンがよい。 『ひかりごけ』、船長の「我慢してるんです」の意味がよくわからなかったが、解説で「人間の、生きているのが恥ずかしいという苦しみを書いたものである」とあり、やっと少し理解できた。 筆者は「生々しさを抑えることができるので戯曲形式にした」と書いていて実際それは成功しているのだが、それだとグッと迫るような息詰まる描写がなく、リアリティが感じづらいと感じた。 というわけで私にはカニバリズムの切迫性や罪悪感が差し迫って感じられず、全然共感して読むことができなかった。 もっと歳をとってから読み返したい。

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2023/04/20

雪と氷に閉ざされた中、追いつめられた人間同士が相食む惨劇。 極限状況の人間心理を真正面から直視した「ひかりごけ」。 実際の事件を題材に書かれたもので、事実とは違うところもありますが、文学作品として見事に昇華されています。 随分前に読みましたが、改めて読んでみると、また違った感じ方...

雪と氷に閉ざされた中、追いつめられた人間同士が相食む惨劇。 極限状況の人間心理を真正面から直視した「ひかりごけ」。 実際の事件を題材に書かれたもので、事実とは違うところもありますが、文学作品として見事に昇華されています。 随分前に読みましたが、改めて読んでみると、また違った感じ方、感動があります。 もう少し経ってから再再読してみたい、そんな作品でした。

Posted byブクログ

2022/09/03

グロテスクなまでに鮮やかな風景描写が印象的。 作者の色なのか、どの短編もヘビーでゴツい。個人的に好みな文体で良かった。

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