ビルマの竪琴 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
アジア・太平洋戦争中、日本はビルマ(今のミャンマー)にも軍隊を送り込んでいました。この小説に出てくる部隊は、戦争が終わってイギリス軍の捕虜になってしまいます。しかし、まだイギリス軍に降伏せず、死ぬまで闘うと言って抵抗している部隊があると聞き、隊長は竪琴の上手な水島という兵士を説得に向かわせます。しかし、部隊は全滅。水島も帰って来ません。しばらく後で彼らはその水島にそっくりな顔をしたビルマ人のお坊さんとすれ違います。はたして彼は水島なのかどうか。彼だったら一緒に日本に帰ろうと願うのですが・・・。戦争で死んだ人をどのように弔うのかという、現代のものでもある大きな問題について問いかけてくる作品です。
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児童文学ということもあって、文章は平易で、難しい語彙にはルビがあったり説明があったりするので読みやすい。 戦争とはどういうものなのか、戦で死んでいくというのはどういうことなのかを垣間見ることができ、襟を正したくなる。 ミャンマーも行ってみたい
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『ビルマの竪琴』は「1946年(※昭和21年)の夏から書き始め童話雑誌『赤とんぼ』に1947年3月から1948年2月まで掲載された」(Wikipedia)。一高(東大の前身)の教師だった竹山は従軍していない。そのため現地などの情報に多くの誤りがあることを詫(わ)びている。 htt...
『ビルマの竪琴』は「1946年(※昭和21年)の夏から書き始め童話雑誌『赤とんぼ』に1947年3月から1948年2月まで掲載された」(Wikipedia)。一高(東大の前身)の教師だった竹山は従軍していない。そのため現地などの情報に多くの誤りがあることを詫(わ)びている。 https://sessendo.blogspot.com/2018/06/blog-post_2.html
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子ども向けに書かれた小説、とのことで、やさしい言葉で書かれているが内容はとても深く難しい。若いときに一度は軍に入隊しなくてはならない当時の日本と、僧として修行しなくてはならないビルマ(ミャンマー)。どちらがすぐれているか。どちらが良いのか。どちらが豊かか。幸せとは、豊かさとは何か...
子ども向けに書かれた小説、とのことで、やさしい言葉で書かれているが内容はとても深く難しい。若いときに一度は軍に入隊しなくてはならない当時の日本と、僧として修行しなくてはならないビルマ(ミャンマー)。どちらがすぐれているか。どちらが良いのか。どちらが豊かか。幸せとは、豊かさとは何か、深く深く 考えさせられる。
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軍人と僧侶、文明国日本と未開のビルマ。この対比により、人間としてどうなることが幸せなのか、何が世の中を幸せに導くのかを、ビルマで終戦を迎えた日本兵が考える。 ビルマが未開か、(戦争をしている)日本が野蛮か。 文明の利器を持っていても、肝心のそれを使う人間の心が野蛮ではないのか。 ...
軍人と僧侶、文明国日本と未開のビルマ。この対比により、人間としてどうなることが幸せなのか、何が世の中を幸せに導くのかを、ビルマで終戦を迎えた日本兵が考える。 ビルマが未開か、(戦争をしている)日本が野蛮か。 文明の利器を持っていても、肝心のそれを使う人間の心が野蛮ではないのか。 あとがきに、戦中の葬儀の話が書かれているが、この頃、南方で亡くなった隊員の葬儀には遺骨も遺髪も何もないこともあったようだ。こういった事実を読むと、水島が僧となり、日本にも帰れず、供養もされず異国の地に埋まっている日本兵を供養してまわらなければと決心したこともうなづける気がする。
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「おーい、水島。一しょにかえろう!」 終戦後のビルマを舞台にした児童文学。戦闘態勢だった英国人と、歌を通して和解し、ともに合唱する場面がとても感慨深かった。ビルマの山奥で、極限状態のなか、敵陣地から耳慣れた曲が聞こえてきたときの心情とはどうゆうものなのだろう。読み終わってすぐ「...
「おーい、水島。一しょにかえろう!」 終戦後のビルマを舞台にした児童文学。戦闘態勢だった英国人と、歌を通して和解し、ともに合唱する場面がとても感慨深かった。ビルマの山奥で、極限状態のなか、敵陣地から耳慣れた曲が聞こえてきたときの心情とはどうゆうものなのだろう。読み終わってすぐ「はにゅうの宿(Home sweet home)」「庭の千草(The last rose of summer)」を聞いたが、素敵な曲だった。また本作は作者の想像で書かれたものだというのも驚きだった。作者いわく、戦争食後は戦時中の情報を得ることは厳しく、内情を知る手掛かりは人づてに聞くしかなかったそうだ。史実と異なる場所もあるかもしれないが、かつて映画化もされた作品で、心温まる作品であると思う。
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え、これ児童文学なのか。渋いな。昔の児童。戦争だろうと、敗戦だろうと、歌を歌えばなんとかなる。そう、ディズニーならね。
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初めて読んだのは、中学の頃。以来、何度か読み返して、手元にあるのは2冊目。 何度読んでも、涙が出そうになる。水島は、どうして日本へ帰らなかったのか。
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戦争を描きつつ、サスペンスの要素もあり、未開の地を訪れるおもしろさもあり、オレンジの衣をまとった僧が肩に青いインコを乗せるという、ビジュアル的なおもしろさもあり。全体を通じて戦争への批判と、平和への願いと、若くして亡くなっていったひとたちへの強い追悼の思いが流れている。いくつもの...
戦争を描きつつ、サスペンスの要素もあり、未開の地を訪れるおもしろさもあり、オレンジの衣をまとった僧が肩に青いインコを乗せるという、ビジュアル的なおもしろさもあり。全体を通じて戦争への批判と、平和への願いと、若くして亡くなっていったひとたちへの強い追悼の思いが流れている。いくつもの複合された味わい、けれど分かりやすい、そしてとても後味のやさしい良書。
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敬体で綴られているからか 透明感のある印象を持ちました 第三話では、謎が解明され、 さらにテーマ性がぐんと前に出てきて 読み応えがありました 人食人種のくだりが残念です
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