火宅の人(下巻) の商品レビュー
そして夏は終わる。すべての愛人たちに愛想をつかされ孤独な主人公は、悲しくそして強い。著者は、本作品を20年かけて書き上げ、三か月後に死去。まさに人生を生きぬいた作家です。
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長年の課題図書でした。破天荒だとか下品だとか通り越して、増水した川みたいな勢いでした。生きるのも才能何だなぁというか、生き抜いた!という印象。これが檀一雄か。
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リツ子さんが亡くなってからの壇一雄の放浪記。長男一郎、日本脳炎で寝たきりの次郎、弥太、フミ子、サト子、妻ヨリ子との新しい生活を置いて、劇団員の恵子や欧州旅行で知り合った葉子、行きづりの女たち、酒。 こんなすごい生活が淡々と語られていくんだよね。でもこれを書きおわってから3ヶ月後...
リツ子さんが亡くなってからの壇一雄の放浪記。長男一郎、日本脳炎で寝たきりの次郎、弥太、フミ子、サト子、妻ヨリ子との新しい生活を置いて、劇団員の恵子や欧州旅行で知り合った葉子、行きづりの女たち、酒。 こんなすごい生活が淡々と語られていくんだよね。でもこれを書きおわってから3ヶ月後に亡くなってしまったそう。次郎くんとの触れ合いだけがほのぼの。
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「不忠の臣であれ、火宅の人であれ、どうよばれたって構わないけど、私は“天然の旅情”についたつもりである」 ・・・さすが。
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両親が私と兄に「父」「母」と呼ばせた本です。 「ちち、どっこもいかない?」「どっこもいかない」 「ちち、どっこもいく?」「どっこもいく」・・とんだダメ親父でした。
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完成まで20年かかったという私小説と小説の間の長編。色々な女性と関わりながらも常に自由で、巻き込まれた女性はどんな気持ちだったんだろう。 24.Apr.08
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この本を檀一雄が住んでいたポルトガルの家の前に置き写真を撮ったっけ。その後、近くのバルで一人大西洋の香りを嗅ぎながらワインを飲みつプロフェッソールに思いを馳せた。
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作家は身の切り売りを生業とする生き物である。 が、そこには嘘や誤魔化しがあってはならない。なぜなら、そういったものは全て読者に見透かされてしまうし、真に心に迫らないから。 『家宅の人』は痛いほど、自分を切り売りし、正直に、実に人間的な側面を見せる檀がいる。 誠実なだけが人間ではな...
作家は身の切り売りを生業とする生き物である。 が、そこには嘘や誤魔化しがあってはならない。なぜなら、そういったものは全て読者に見透かされてしまうし、真に心に迫らないから。 『家宅の人』は痛いほど、自分を切り売りし、正直に、実に人間的な側面を見せる檀がいる。 誠実なだけが人間ではない。 いろいろな妄想もするし、感情にだって流されるし、自分の理性で制御できないこともある。 僕は彼のその赤裸々な清さが好きである。僕にはできない。
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