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火宅の人(下巻) の商品レビュー

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28件のお客様レビュー

  1. 5つ

    11

  2. 4つ

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  3. 3つ

    6

  4. 2つ

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  5. 1つ

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2021/04/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

檀一雄氏の私小説的な作品の下巻。 ますます混沌としてくる情痴や荒廃した生活の数々。 解説にもあったように後半にかけて一気に終わりへ近づいていく感じが何とも爽快だった。 話が混沌としているのにもかかわらず、えもいわれぬ爽快感が不思議だった。 どこまでも堕落している桂先生だけれど何だか憎めないし、羨ましくすらあった。 上下巻で読み応えタップリの作品だった。

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2019/08/19

下巻のぶっ飛び方が凄い。欧州では江戸っ子精神(檀は山梨出身だが、、)で文字通りの無一文で帰国し、国内では新たな不倫とダンスホール通い。毎日浴びるように酒を飲み好きなものを食し肉欲を貪る。太宰とは別の形の破滅型人生。 檀氏の行動はアルコール依存症の症状そのものだから、彼はてっきり...

下巻のぶっ飛び方が凄い。欧州では江戸っ子精神(檀は山梨出身だが、、)で文字通りの無一文で帰国し、国内では新たな不倫とダンスホール通い。毎日浴びるように酒を飲み好きなものを食し肉欲を貪る。太宰とは別の形の破滅型人生。 檀氏の行動はアルコール依存症の症状そのものだから、彼はてっきり肝臓の病気とかでなくなったかと思いきや、死因は肺がんでそれも60歳まで存命。なんだか檀一雄氏のバイタリティは凄い。

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2018/04/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

破天荒に見えて、実は、無常観に苛まれている。 海外の大都市にいても、「自分のいるべき場所」が見つからない。最終章「キリギリス」における何とも言えない、ぞーっとしたような感じ。 檀の最期の作品だそうだが、これを人生におしまいに書いたのも、なんとなくわかる気がする。

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2018/01/14

駆け抜けた上巻。 物語の舞台は海外へ。飛び回っていた人生のスピードも失速してくる。 別れがある。人生は続く。 がつんときました。

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2017/05/27

パリ、ローマ、バルセロナなどでの出会いと新鮮な熱気。恵子との終わりの予感。そしてまた逃げ出す。 奔放で放浪癖と放蕩癖があってしょうもないのに、文章は素晴らしい。水上勉のあとがきにあるように、まさしく自分の人生と文芸を融合させた傑作。

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2017/04/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

上巻で疲れてしまったのでだいぶ飛ばして読みました。掻い摘んで読んだ中に何人の女性の名前が出て来ただろう。しかも恵子にひどいことを… というわけで良さがあんまりわかりませんでした。

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2015/12/25

皮肉を込めた私小説、との事だが、真実と作り話を織り交ぜながら、しかし破天荒に描かれる世界はまるでフィクションの様子。丸ごとフィクションの小説なれば、物語の構成は作者の都合通り抑揚をつけ、読み手を飽きさせない。しかし、私小説は日記のように、時系列で描かれ、エピソードも日常の域を越え...

皮肉を込めた私小説、との事だが、真実と作り話を織り交ぜながら、しかし破天荒に描かれる世界はまるでフィクションの様子。丸ごとフィクションの小説なれば、物語の構成は作者の都合通り抑揚をつけ、読み手を飽きさせない。しかし、私小説は日記のように、時系列で描かれ、エピソードも日常の域を越えない。だけれども、これだけ、強烈な人生というのは、やはり作者の個性だろう。

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2015/10/22

 上巻から一気に読み終えた。  妻や子供がいながら、ある意味、自分勝手な自分中心な生き方を貫徹できていることに、他人の人生であるけれど羨ましさを感じた。人生いろいろであるが。

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2014/05/29

これでもかというくらい正直に、自分の内側のゴチャゴチャの小爆発を繰り返す主人公の生き方に、読み進めていけばいくほど感動しました。ずっと無常感も漂っていて、自分への嘲りとか諦めとかも何となくあって、それでもこういうふうにしか生きられないままやがて土に帰る人間の業みたいなものが、愚か...

これでもかというくらい正直に、自分の内側のゴチャゴチャの小爆発を繰り返す主人公の生き方に、読み進めていけばいくほど感動しました。ずっと無常感も漂っていて、自分への嘲りとか諦めとかも何となくあって、それでもこういうふうにしか生きられないままやがて土に帰る人間の業みたいなものが、愚かなような愛しいような感じで、感動しました。

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2013/08/02

道ならぬ恋のはじまりと終わり。いや、恋に道ならぬとか分別とかはないのかも、と思ってしまう恐ろしさと歓喜の物語。それだけなら飽き飽きしてしまうところだけど、時折心にグサリと突き刺さる一文や、男女の愚かさと愛おしさをとことん知りつくした者だけが発せる艶めかしいコトバ、やるせなくなるよ...

道ならぬ恋のはじまりと終わり。いや、恋に道ならぬとか分別とかはないのかも、と思ってしまう恐ろしさと歓喜の物語。それだけなら飽き飽きしてしまうところだけど、時折心にグサリと突き刺さる一文や、男女の愚かさと愛おしさをとことん知りつくした者だけが発せる艶めかしいコトバ、やるせなくなるような描写に、存分に満たされた。 あと、この時代の人情味あふれる交友関係や、檀一雄の仕事やその周辺のあれやこれやも、とっても興味深くておもしろい。「荒地の恋」について語り合った女友だちに薦められて読んだのだった。そしてこれ、「檀」「リツ子〜」「檀一雄の光と影」もどうしても読みたくなる仕組み!

Posted byブクログ