天人五衰 の商品レビュー
『春の雪』で華麗にスタートした物語が、どうしてこんなふうに終わらなくっちゃいけないのかなァ…と寂しくなりました。でも終盤の主人公は切ない。
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幸魂の巻。 第三巻「暁の寺」執筆後、自決を決意した三島が書き上げた最後の作品。 これまでの主人公4人の人生が唯識論に、本多を捕らえた絶望の不死が尼となった聡子の言葉に溶かしこまれる。 大海原の描写に飲まれるように。 この4冊に出会えて良かった!そして疲れた! 久しぶりに心地よ...
幸魂の巻。 第三巻「暁の寺」執筆後、自決を決意した三島が書き上げた最後の作品。 これまでの主人公4人の人生が唯識論に、本多を捕らえた絶望の不死が尼となった聡子の言葉に溶かしこまれる。 大海原の描写に飲まれるように。 この4冊に出会えて良かった!そして疲れた! 久しぶりに心地よい読書疲れ。
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読み終わったあと、しばらく頭が呆然としてしまいました。 長い映画や漫画を集中して鑑賞した後に起こる あの「自分の意識はどこに行った?」という状態に似ています。 特にやはり、終盤の様々な展開が凄烈です。 透に詰め寄る慶子の描写には、かつて読んだ小説にはないほどの 鬼気迫るものを感じ...
読み終わったあと、しばらく頭が呆然としてしまいました。 長い映画や漫画を集中して鑑賞した後に起こる あの「自分の意識はどこに行った?」という状態に似ています。 特にやはり、終盤の様々な展開が凄烈です。 透に詰め寄る慶子の描写には、かつて読んだ小説にはないほどの 鬼気迫るものを感じました。 そして…本多が最後に知覚したことは何か。 この物語の後、本多老人をはじめとする人物が果たしてどうなったのか、 見当をつけられる人はまずいないでしょう。 そしてそれは三島自信も例外ではないかもしれない。 三島はこのあとの展開について、作者なりにつらつら考える暇もなく 例の市ヶ谷の事件で、自刃してしまったわけですから、 この話の「その後」は永遠に誰にもわからない。 ともかく、作者の三島とともに、超然とした世界を垣間見たような気がします。 上述の茫漠とした感情は、或いはそのような世界の片鱗に触れたことによって 私の心が鳥肌立ったことの表れかもしれません。
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豊饒の海、第四巻。テーマは「知」 輪廻転生の末に、本多がたどり着いたものとは…!? 三島由紀夫の遺作。
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主人公の自意識過剰度ランキングナンバーワン。 「見る」ことを哲学する。 シリーズの中で一番泥臭く、生々しい。 破滅の美学が濃厚に描き出された一冊。
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命を賭して守らんとするものは 何ら価値のないものなのか? 必死になって生きるのは無駄なのか? 壮絶過ぎる結末に、言葉を失う。
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豊饒の海シリーズ第4作目。 これを書き上げる頃には自決決行が決まったいたためか、書き急いだ感じがある。
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豊饒の海シリーズ、そして三島の最期の小説。 個人的には、学生時代、電車旅をしている道中の様々な土地の駅で1冊ずつ買い、電車の中で読破した思い出。 豊饒の海が僕にとっての最大の青春文学かもしれない。
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三島の遺作。 多くの読者が指摘しているように、豊穣の海四部作の中でも、空虚な作品。三島の存在や思考は、この小説を書く前にすでに昇華(天人五衰)しきっていたんだと思う。
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はるのゆきがうつくしさの極致とゆうならばこれは醜さの極致かな、と思った。 そのふたつは対極にはない。
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