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禁色 の商品レビュー

4.1

92件のお客様レビュー

  1. 5つ

    23

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580ページと大変長…

580ページと大変長く、文章表現も大変難しい。三島ならではの表現で理解するには凡人には辞書が必要です。少年愛について書かれている異質な作品と思い読み始めたが、意外に異性間の恋愛も多くあり、そういった意味では気軽に読める作品の一面もある。むしろ同性の話は少ないのではないでしょうか。...

580ページと大変長く、文章表現も大変難しい。三島ならではの表現で理解するには凡人には辞書が必要です。少年愛について書かれている異質な作品と思い読み始めたが、意外に異性間の恋愛も多くあり、そういった意味では気軽に読める作品の一面もある。むしろ同性の話は少ないのではないでしょうか。三島は心理学を学んだだけあって、人間が生きる上で一度は感じる核心的な部分をついてくる。ぜひ、読んでください。

文庫OFF

テーマは「美」です。…

テーマは「美」です。老作家が美青年に見出そうとした美とは一体なんだったのか。それは外面だけでなく内面から溢れるものだった。同性愛が主題となっていますが、いやらしさも無くどんどん読み進んでしまいました!

文庫OFF

とても長いですが、読…

とても長いですが、読み始めると一気に読めます。美青年を描く華麗な筆致は他では味わえません。

文庫OFF

醜い老作家と女性を愛…

醜い老作家と女性を愛せない美青年の物語。老作家はこの美青年を利用して、自分の人生への復讐を果たしていき、最期には・・・。老作家は不幸な生涯を送ったが、最後、美青年と出会ってからの日々は歪んではいても幸福だったのではないか、と思いました。三島作品の中で結構好きです。

文庫OFF

とても長いのですが、…

とても長いのですが、読み始めると一気に読めました。美青年を描く華麗な筆致は他では読めないものです。

文庫OFF

なんとなく、『ヴェニ…

なんとなく、『ヴェニスに死す』を連想してしまいました。美青年と老作家の交渉と、その破綻を描いた作品です。

文庫OFF

2024/10/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

次々と現れる艶っぽいキャラクター、如何わしいシチュエーション、なにより稀代の主人公・悠一の圧倒的な色気でぐいぐい惹きつける。 心理描写は目が回るくらい難解なのに、最後まで読みたいと思う不思議。 最終盤、悠一を愛した人々が破局を迎えてゆくなか......ひとり捨て身の活躍を見せる鏑木夫人にMVPをあげたい。悠一が何を望み、何を望まないかを完全に悟ったあとの、さっぱりした握手。美しすぎる退場。悠一にではなく作者に振り回された、これも破局なのだけど。

Posted byブクログ

2022/07/04

一生を女性に裏切られてきた老作家・檜俊輔が、同性愛者の美青年・南悠一を利用して復讐を企てる。 話の筋は面白いが、看護の多用、畳みかけるような羅列、長い文、難解で概念的な理屈の数々につまづいて、読むのに非常に骨が折れる。 ためしに引用してみると、 「たとえば感覚の放恣だとか、...

一生を女性に裏切られてきた老作家・檜俊輔が、同性愛者の美青年・南悠一を利用して復讐を企てる。 話の筋は面白いが、看護の多用、畳みかけるような羅列、長い文、難解で概念的な理屈の数々につまづいて、読むのに非常に骨が折れる。 ためしに引用してみると、 「たとえば感覚の放恣だとか、われらを落葉のようにかなたこなたに吹き迷わす官能の力だとか、相対性のうちに漂う現実のグロテスクな変易の種々相は、俊輔によれば、倫理の代りに人間の完全な形態と様式の美のみが、これを済度し規制しうるものであったが、我身に形態の完璧さをそなえた悠一にとっては、それは鏡の助けを借りずしては目に見えぬもの、青春の否定の本能が時には自殺の形でもっとも直截に否定しようと試みるもの、俊輔のいわゆる『生活に於ける芸術行為』の不自然な介入なしにはその存在をさえ信じがたい或るものであった。」 これで一文である。 連載時は二部構成だったらしく、途中に十か月の休止期間があり、そのため前半と後半でテーマが変わっている。 連載当時、第一部は夫と裕一の情事を目撃した鏑木夫人が自殺するという最後だったらしいが、テーマの変更により数日間消息を絶つだけに変更されたという。 当初のまま自殺するというストーリーの方が、より破滅的になりそうで面白そうな気がする。

Posted byブクログ

2022/04/30

やってることはえげつないのに美しくも儚くも見えるのは三島の文体のおかげですね、 三島の美に対する姿勢が垣間見える作品だった

Posted byブクログ

2021/12/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

シチュエーションはドラマチックで抜群。老齢の檜俊輔が、過去に自分を裏切ってきた女性、鏑木夫人・穂高恭子・瀬川康子の3人に復讐するために、美貌で女性に全く興味のない南悠一を利用するが、南悠一は男色にめざめ、かつ、復讐の過程で愛のない結婚をした康子の娘渓子を産むにつれ自我を主張するようになり、いろんなゲイと関係をもっていくというもの。ただ文章の装飾がとにかく過剰。ノーベル文学賞候補だったと言われてもやたら華美な文章は私の肌合いにはあわなかった。あの時代に立ち会い出産を文章で描写したのはかなりレアなのではないか、その部分のリアルは大した度量だと思ったが。復讐の過程で、鏑木夫人にポープ鏑木夫との行為をみられた箇所と、穂高恭子と真っ暗い所で檜俊輔と入れ替わる箇所は、予想外の手法でわらえた。それにしても、さまざまな男性のラブアフェア相手が登場してくるが鏑木夫以外は英も鈴木も稔も含め描写が弱い、ラスト近くの康子と母親に密告で南悠一の男色がばれそうになったときにまさかの鏑木夫人に助けてもらったときの彼女の動機はご都合主義な印象。とにかく設定だけは間違いなく合格点を与えられる作品

Posted byブクログ