羅生門・鼻 の商品レビュー
学生以来だ。羅生門を初めて読んだ時は、陰湿な物語だなぁと、下人は良い人間の様に振る舞っていたが、結局悪人になったんだなぁ。酷いなぁ。ぐらいだった。 今改めて読むと、人ごとでは無いかもしれないなと思う。地震、津波、噴火、水害、感染症、戦争、物価上昇など、日本や世界が今後危機的状況に...
学生以来だ。羅生門を初めて読んだ時は、陰湿な物語だなぁと、下人は良い人間の様に振る舞っていたが、結局悪人になったんだなぁ。酷いなぁ。ぐらいだった。 今改めて読むと、人ごとでは無いかもしれないなと思う。地震、津波、噴火、水害、感染症、戦争、物価上昇など、日本や世界が今後危機的状況に陥って、混乱の時代になったとしたら、社会経済が成り立たなくなってしまったら、自分は果たして悪人にならずに済むのだろうか? 自分が生き残る為には仕方ないと思うかもしれないな。でも自分が逆に奪われたり騙されたら絶対に非難するだろう。 でも、実際は生きたい、から奪い合うかもしれない。
Posted by
芥川龍之介の作品を読むのは高校の授業以来。羅生門を読んだだけだ。この短編集にもそれが収録されていて、改めて読み返した正直な感想としては、「以前読んだときと印象は変わらない」の一言だった。しかし他作品を通しで読んでみると、その印象はまったく変わってくる。芥川が描きたかったもの、表現...
芥川龍之介の作品を読むのは高校の授業以来。羅生門を読んだだけだ。この短編集にもそれが収録されていて、改めて読み返した正直な感想としては、「以前読んだときと印象は変わらない」の一言だった。しかし他作品を通しで読んでみると、その印象はまったく変わってくる。芥川が描きたかったもの、表現したかったものがなんとなく見えてくるような気がしてきたからだ。しかしそれもまだ、確証には至っていない。朧げに感じるのは、彼は作品を通して他のどの作家よりも、激しい何かと格闘してきた、ということだけだ。そしてその正体は本書を読んだだけでは理解できないだろう。もっと読んでいかねばならないと感じた。
Posted by
再読。 色々あるけれど、芥川龍之介の文学にも人格にも、完璧ではなかったことはあるんだけど、 それでもやっぱり、悪く言う人って好きじゃないw
Posted by
芥川龍之介 王朝物短編8編 羅生門 1915 今昔物語 長引く飢饉。荒れる京の都。生きる為の最後の迷い。生き抜く為のエゴイズム。 鼻 1916 今昔物語・宇治拾遺物語 鼻のコンプレックスを持った男。鼻を小さくしても、安寧は訪れず。世間は人の幸福を妬み不幸を笑う。世間を憚る自...
芥川龍之介 王朝物短編8編 羅生門 1915 今昔物語 長引く飢饉。荒れる京の都。生きる為の最後の迷い。生き抜く為のエゴイズム。 鼻 1916 今昔物語・宇治拾遺物語 鼻のコンプレックスを持った男。鼻を小さくしても、安寧は訪れず。世間は人の幸福を妬み不幸を笑う。世間を憚る自身の気持ちの問題。 芋粥 1916 宇治拾遺物語 周囲から虐げられていた男。芋粥を思う存分食べたいと願う。悪意を持って芋粥をもてなす上役。願っていた事が叶ってしまった男の虚脱感。 運 1917 今昔物語 貧しい若い女が観音にお参りして、生活の安定を願う。お告げを受け、盗賊の男の妻になってしまう。生活は安定するが、果たして、幸福とは。 袈裟と盛遠 源平盛衰記 これは、面白い。男と女のミステリー。上を男の独白、下を女の独白。盛遠はある袈裟を欲情のまま犯す。袈裟は贖罪の為、夫の殺人を依頼して自分が身代わりとなって殺される計画を立てる。愛のない男女の悲しい最後。 邪宗門 1918 大鏡•栄華物語 未完なので、何を書こうとしてたのかわからない。 面白いのは、地獄変で、絵師の娘を目の前で焼き殺し地獄絵を描かせた、あの大殿の息子・若殿が主人公。父親とは、真逆の性格で仲も宜しくない。 話の感じだと、政略的な感じかな? 好色 1921 今昔物語 宇治拾遺物語 恋愛上手な男が、一人の女性に夢中になってしまう。冷たくされても諦めない。ちょっと病む。遂に嫌いになるために、女の排泄物を食べちゃう。 まあ、女は他のものとすり替えていたんだけど。 俊寛 1922 源平盛衰記 流刑となった俊寛は、物語では絶望して嘆いていたとなっているが、実はそれなりに島に馴染んで、日々を送っていた。都の噂が全てでないよ。って感じ。 そのうち古典も読めればとは思います。たぶん、ビギナー用になるけれど。
Posted by
全八編。老婆に対し激しい憎悪を抱きながらも、都合の良い理由が見つかれば自身の行いを正当化し、同様の行動を取る下人の心の揺れ動きが印象的。若者の心情を面皰で表現しているのも面白いですね。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
自分は気になっても人はそんなに気にしていないというお話し。 『鼻』は、『今昔物語』(平安末期の説話集)の中の話が題材になっています。芥川作品の「王朝もの」のうちの1つです。 池の尾の内供は、あごの下まで垂れさがる長い鼻を持っています。内供にとって長い鼻はコンプレックスで、内供の自尊心は傷つけられます。短くするためにできることをしてきましたが、鼻に変化は現れません。
Posted by
国語の教科書でもお馴染み羅生門 人間のこころの移ろいをここまで短く、それでいてありありと表現している これぞ純文学といった作品 昔、学校で読んだ時はちょっと怖かった
Posted by
コンプレックスの長い鼻を短くしたら、鼻が短い事を気にだす。 結局自分が気にする事、他人に何か言われる事を気にしすぎてる事が悩みの根本なのか。
Posted by
羅生門 善悪の彼岸を飛び越え生き延びることを決心した下人の先に広がる世界は底なしの闇。そこに何があるかは、手前で渡ってからのお楽しみということなのか。
Posted by
全体的に文章が難しく言葉を調べながら読みました、それでも無知な自分では内容が理解できないところもあった。 ただ好色という短編は衝撃でした、芥川がこういう危ない内容の小説を書いていたのだと知れてよかったです。
Posted by