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羅生門・鼻 の商品レビュー

3.8

221件のお客様レビュー

  1. 5つ

    53

  2. 4つ

    65

  3. 3つ

    67

  4. 2つ

    11

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2023/05/03

学生時代に読んだ芥川の「羅生門」「鼻」だが再度読んでみて文章がすごいと感じた。無駄がない。「羅生門」は下人が老婆の死体の髪を抜いているのを見て生きるために「悪」にならないと生きていけない事実を認識する。「鼻」は恥ずかしいと思っていた長い鼻が、友人の薬のおかげで一旦小さくなるが、和...

学生時代に読んだ芥川の「羅生門」「鼻」だが再度読んでみて文章がすごいと感じた。無駄がない。「羅生門」は下人が老婆の死体の髪を抜いているのを見て生きるために「悪」にならないと生きていけない事実を認識する。「鼻」は恥ずかしいと思っていた長い鼻が、友人の薬のおかげで一旦小さくなるが、和尚の心理の変化がユーモラスに描かれている。「芋粥」はいじめらている侍が芋粥を食べられることを夢見て、敦賀まで連れて行かされ、変わっていく心理が哀れでもあり支配される側の心理が悲しく思えた。「邪宗門」はこれから対決かというところで未完で終わる。中途半端だけど決着を見たかった。2023年5月2日読了。

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2023/04/10

「好色」が衝撃的 それだけでも読む価値あり。 世に出た当時は先鋭的な小説だったのでしょうが、 全体的に私にはあまりフィットしませんでした。。 読解力が足りないのかな。。。

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2023/03/26

各短編小説は、小説毎にいろんなスタイルを用いていて面白い。古典からくる物語だけではなく、近代的な文学小説の形態もあり表現の幅が広い。人間のエゴイズムを表現した羅生門だが、他の作品でも人間の本質的に持っている暗い部分が見られる。ただ、単純にその本質を伝えたいだけの作品ではないような...

各短編小説は、小説毎にいろんなスタイルを用いていて面白い。古典からくる物語だけではなく、近代的な文学小説の形態もあり表現の幅が広い。人間のエゴイズムを表現した羅生門だが、他の作品でも人間の本質的に持っている暗い部分が見られる。ただ、単純にその本質を伝えたいだけの作品ではないような気がしてならない。同時に人間関係の複雑さなど、現代でも見られるいじめの本質なども描かれているし、何度か読んでようやく全体の深さや枠を捉えられそうな作品ばかりである。これを短編の中に入れ込んでいる芥川龍之介の技巧が計り知れず、一読では何も感想が書けないのが正直なところでした。

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2023/03/13

短編歴史物語です。 羅生門、芋粥、鼻など短くてもとても面白かったです。 何だか滑稽だけどとてもユーモラスでもありました。 邪宗門は、ここからというところで終わっていて不完全燃焼でモヤモヤで一杯です。

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2023/03/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

芥川龍之介はやはり素晴らしい この内容をこの短さで出してくる素晴らしさ 長編SFにもなりそうな「欠陥は世界から自分を守る薄い膜のようなもので、それがなくなると生身で世界に向き合わねばならない」みたいなテーマをよく鼻なんていうモチーフでかけたよなあ

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2023/02/06

周りの目とは時に残酷ですね… 鼻の長さというコンプレックスに翻弄される人間の姿(しかも僧の)が表れていて、面白いです。

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2023/01/29

 著者の「王朝もの」と呼ばれる作品集の第1集。  表題作の「羅生門」は昔から高校の教科書にも取り入れられているあまりにも有名な作品。下人の心情変化が実に興味深い。また、同じく表題作の「鼻」はユーモラス漂う作品で読みやすく、親しみやすい印象を受ける。その他に、夢を追うことについての...

 著者の「王朝もの」と呼ばれる作品集の第1集。  表題作の「羅生門」は昔から高校の教科書にも取り入れられているあまりにも有名な作品。下人の心情変化が実に興味深い。また、同じく表題作の「鼻」はユーモラス漂う作品で読みやすく、親しみやすい印象を受ける。その他に、夢を追うことについての問いかけ的作品の「芋粥」など計8編収録の短編集。  「王朝もの」のためか、言葉遣いが丁寧すぎて読みにくい部分が多い印象を受けたが、内容は面白い作品が多い。

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2022/12/27

周囲の人間のエゴイズムに左右される内供が自身のコンプレックスに苛まれる姿、ちくりと今の自分に刺さりました。

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2022/09/07

羅生門、鼻など芥川龍之介の王朝物8編を収録。その中の1編、邪宗門は80ページほどあり、かつ未完である。注釈が約50ページあり。名作なんだろうが、面白いかと言われたら、イマイチですね。

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2022/08/13

「鼻」は、様々な解釈があると思うが個人的にはこれは自意識の話だと思う。 自身の長い鼻のせいで嘲笑の的となっていた禅智内供は、その特異な身体的特徴にコンプレックスを抱いていた。しかしそれを治す方法を聞きつけ、鼻は見事通常の長さになるも、今度はその短くなった鼻を恥ずかしく思うように...

「鼻」は、様々な解釈があると思うが個人的にはこれは自意識の話だと思う。 自身の長い鼻のせいで嘲笑の的となっていた禅智内供は、その特異な身体的特徴にコンプレックスを抱いていた。しかしそれを治す方法を聞きつけ、鼻は見事通常の長さになるも、今度はその短くなった鼻を恥ずかしく思うようになり、それはそれでコンプレックスに。 髪を短く切りすぎてしまった翌日、教室に入る時のあの恥ずかしさや、初めて人前で眼鏡をかける時のあのソワソワした感じ、卑近な例だがそういう類の自意識の暴走を思い起こさせられる。 そういう、誰もが抱く些細だが(本人にとっては)重大な心の揺れを上手に描いている。 結局、自分を一番苦しめているのは他人の視線ではなく、自分が自分自身に向けている視線。

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