1,800円以上の注文で送料無料

時の娘 の商品レビュー

4

106件のお客様レビュー

  1. 5つ

    27

  2. 4つ

    43

  3. 3つ

    19

  4. 2つ

    5

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

イギリス国王リチャー…

イギリス国王リチャード3世の汚名を晴らす歴史ミステリの名作。入院中のグラント警部は歴史書を読み漁り、文献だけを頼りにリチャード3世の真の姿を推理していく。安楽椅子探偵ものとして有名な作品ですが、ミステリという意識も無く読了。英国史の勉強にもなるが、何より歴史の常識を覆す知的な面白...

イギリス国王リチャード3世の汚名を晴らす歴史ミステリの名作。入院中のグラント警部は歴史書を読み漁り、文献だけを頼りにリチャード3世の真の姿を推理していく。安楽椅子探偵ものとして有名な作品ですが、ミステリという意識も無く読了。英国史の勉強にもなるが、何より歴史の常識を覆す知的な面白さが満載。

文庫OFF

いわゆる安楽椅子探偵…

いわゆる安楽椅子探偵モノ(この作品の主人公はベッドに寝ていますが)の傑作。歴史ミステリの白眉です。

文庫OFF

恩田陸「象と耳鳴り」…

恩田陸「象と耳鳴り」の中にこの作品へのオマージュとも言える短編が載っていたのがきっかけで読んだもの。足を骨折して病院でヒマに耐えかねているグラント警部がふと手にしたのは、王位を奪うため甥王子2人を殺したと悪名高いリチャード3世の肖像画。リチャード3世は、本当にそのような悪人なのか...

恩田陸「象と耳鳴り」の中にこの作品へのオマージュとも言える短編が載っていたのがきっかけで読んだもの。足を骨折して病院でヒマに耐えかねているグラント警部がふと手にしたのは、王位を奪うため甥王子2人を殺したと悪名高いリチャード3世の肖像画。リチャード3世は、本当にそのような悪人なのか?と疑問を抱いた彼は、歴史の学生に協力させ、文献を集め、史実のみからリチャード3世の素顔を推理していく。。最後には「ブラヴォー!!」と言いたくなります。「歴史とは勝者の歴史」という言葉が身にしみる作品。ついでに薔薇

文庫OFF

シェイクスピアの「リ…

シェイクスピアの「リチャード三世」からはまったく別人のリチャード三世を呼び起こす歴史発掘ミステリ。典型的にせむしでびっこで大悪人に演出されるリチャード三世が、本当は賢王でのちの王朝に貶められただけというのは、眼からウロコ。

文庫OFF

安楽探偵物(現場に行…

安楽探偵物(現場に行かない探偵)。グラント警部のひらめきと論理的思考に終始圧倒されました。おもしろい!

文庫OFF

2024/04/14

斬新!安楽椅子探偵がまさか時代を遡って推理をするなんて。そして、回想や再現VTRではなくあくまで思考を書き連ねてるのに飽きさせない。正直歴史の知識不足も多々あるので、混乱することもあったけど、楽しめました

Posted byブクログ

2024/03/11

さすがに歴史ミステリの名作といわれるだけあって、面白かった! ただ歴史ものなので、多少の前知識がないと分かりにくそうだった。予習としてシェイクスピアの「リチャード三世」を読んでいて良かった。 調べたところ、タイトルの「時の娘」はフランシス・ベーコンの言葉「真理は時の娘であり、権威...

さすがに歴史ミステリの名作といわれるだけあって、面白かった! ただ歴史ものなので、多少の前知識がないと分かりにくそうだった。予習としてシェイクスピアの「リチャード三世」を読んでいて良かった。 調べたところ、タイトルの「時の娘」はフランシス・ベーコンの言葉「真理は時の娘であり、権威の娘ではない」に由来するようだ。真実は隠されていても時の経過によって明らかになり、権威によって明かされるものではない、という意味らしい。まさにぴったりのタイトル!

Posted byブクログ

2024/01/18

アームチェアディテクティブならぬベッドディテクティブ。 警官の(推理作家の)視点で歴史ミステリを解明していくお話の古典とも言える作品。 これから読むとリチャード三世推しになり、シェイクスピアから入ると真逆になるという。 映画『ロスト・キング 500年越しの運命』も見てみたいなぁ。...

アームチェアディテクティブならぬベッドディテクティブ。 警官の(推理作家の)視点で歴史ミステリを解明していくお話の古典とも言える作品。 これから読むとリチャード三世推しになり、シェイクスピアから入ると真逆になるという。 映画『ロスト・キング 500年越しの運命』も見てみたいなぁ。 映画のノベライズはなかったけど、『王家の遺伝子 DNAが解き明かした世界史の謎 (ブルーバックス) 』も関連としてメモ。 時の娘の作中作の『レイビィの薔薇』は架空の作品で残念。そうか、架空か…。

Posted byブクログ

2023/09/11

ロンドン塔の王子たちを殺害したのは本当にリチャード三世なのか?ベッド探偵が真実に迫る歴史ミステリの傑作。 シェイクスピアの戯曲では清々しいまでの極悪非道の人物として描かれていたリチャード三世。そのイメージが広く流布したまま時は流れ、本書が発表された20世紀半ばに至っても彼の悪名...

ロンドン塔の王子たちを殺害したのは本当にリチャード三世なのか?ベッド探偵が真実に迫る歴史ミステリの傑作。 シェイクスピアの戯曲では清々しいまでの極悪非道の人物として描かれていたリチャード三世。そのイメージが広く流布したまま時は流れ、本書が発表された20世紀半ばに至っても彼の悪名は依然として世間に轟いていた。退屈な入院生活中にふとその肖像画を目にすることになったグラント警部は、人間の顔分析についての職業上の経験と独自の見解から、「この人物は本当に悪人だったのか?」と疑問を抱く。退院までベッドで暇を持て余す警部は、歴史的人物の真相に迫るべく文献の調査と推理に乗り出していくのだった。 英国の歴史とか、薔薇戦争とかおぼろげな知識すらないレベルだったけれど、直前にシェイクスピアの『リチャード三世』を読んでいたおかげですんなり入り込めた。あの悪王のイメージと、表紙にある神経質そうな彼の肖像画とは、確かにイメージが合わない。加えてグラント警部の鋭すぎる「人間の顔」分析が面白く、警部がこの肖像画とその人物伝とのギャップに抱く疑問に読者としても俄然興味がわき、冒頭から引き込まれた。 焦点となるのはリチャード三世が殺害したとされるロンドン塔の二人の甥についての真相。文献と友人たちの調査から推理を重ね、次第に見えてくる、「歴史」とはまったく異なるリチャード三世の人物像に驚愕する。なぜ真実はゆがめられたのか?グラント警部は、とある人物の思惑につきあたる……。 もし、リチャード三世がボズワースの戦いに勝利していれば、歴史と彼の評価はまったく異なるものになっていただろうという「歴史のIF」について分析するところも面白い。本作の中で一つの結論にたどり着くが、この点について調べると、リチャード三世を擁護する説そのものは古くからあり、現在でも評価は分かれるようだ。ただ本書の面白さは知的好奇心を刺激する歴史の謎を題材としながらも、推理を重ねる「ミステリー」の部分が主体であり、どちらの説を取るかということよりも、その過程にこそ魅力があるのだと思う。最初から最後まで興味が尽きない、引力のある傑作だった。

Posted byブクログ

2023/03/06

あちこちで不朽の名作的な紹介を見かけたので読んでみた。面白い……とは思う。が、気軽にさらっと読むというわけにはいかなくて、読了には時間がかかった。理由ははっきりしている。 まず、基本は歴史ミステリなので、その時代背景の基礎知識がないと話に入り込みにくい。イギリスの薔薇戦争の頃とい...

あちこちで不朽の名作的な紹介を見かけたので読んでみた。面白い……とは思う。が、気軽にさらっと読むというわけにはいかなくて、読了には時間がかかった。理由ははっきりしている。 まず、基本は歴史ミステリなので、その時代背景の基礎知識がないと話に入り込みにくい。イギリスの薔薇戦争の頃というのは人間関係が複雑でただでさえ系図が分かりにくいのに、リチャードとヘンリーとエドワードとエリザベスとマーガレットそれぞれがあちこちに出てきて絶望的である。最初に載っている系図もないよりはマシだがそれでも分かりにくい。まあ同時代の日本の室町時代についてもそんなに知識はないのであるが、こんなに同じ名前の人ばかりは出てこないし地理がわかっているのでマシである。 そして、この歴史上のミステリを検証する人々が暮らすのは発表された1950年代に設定されているのだが、これがまた訳が時代がかっているせいなのかどうか馴染みにくい。今回読んだ文庫版の出版は1977年なのだが、53年の訳を底本としているということで、古めかしい言い回しを残して50年代を演出しているのかもしれない。が、私にとっては登場人物に親近感を抱きにくく、物語に入り込むのがさらに難しくなってしまった。 ということで、歴史ミステリのお手本として勉強するつもりで読むか、薔薇戦争大好物で人物関係図ソラで書けますという方は楽しめると思う。

Posted byブクログ