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時の娘 の商品レビュー

3.9

111件のお客様レビュー

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    27

  2. 4つ

    45

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イギリス国王リチャー…

イギリス国王リチャード3世の汚名を晴らす歴史ミステリの名作。入院中のグラント警部は歴史書を読み漁り、文献だけを頼りにリチャード3世の真の姿を推理していく。安楽椅子探偵ものとして有名な作品ですが、ミステリという意識も無く読了。英国史の勉強にもなるが、何より歴史の常識を覆す知的な面白...

イギリス国王リチャード3世の汚名を晴らす歴史ミステリの名作。入院中のグラント警部は歴史書を読み漁り、文献だけを頼りにリチャード3世の真の姿を推理していく。安楽椅子探偵ものとして有名な作品ですが、ミステリという意識も無く読了。英国史の勉強にもなるが、何より歴史の常識を覆す知的な面白さが満載。

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いわゆる安楽椅子探偵…

いわゆる安楽椅子探偵モノ(この作品の主人公はベッドに寝ていますが)の傑作。歴史ミステリの白眉です。

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恩田陸「象と耳鳴り」…

恩田陸「象と耳鳴り」の中にこの作品へのオマージュとも言える短編が載っていたのがきっかけで読んだもの。足を骨折して病院でヒマに耐えかねているグラント警部がふと手にしたのは、王位を奪うため甥王子2人を殺したと悪名高いリチャード3世の肖像画。リチャード3世は、本当にそのような悪人なのか...

恩田陸「象と耳鳴り」の中にこの作品へのオマージュとも言える短編が載っていたのがきっかけで読んだもの。足を骨折して病院でヒマに耐えかねているグラント警部がふと手にしたのは、王位を奪うため甥王子2人を殺したと悪名高いリチャード3世の肖像画。リチャード3世は、本当にそのような悪人なのか?と疑問を抱いた彼は、歴史の学生に協力させ、文献を集め、史実のみからリチャード3世の素顔を推理していく。。最後には「ブラヴォー!!」と言いたくなります。「歴史とは勝者の歴史」という言葉が身にしみる作品。ついでに薔薇

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シェイクスピアの「リ…

シェイクスピアの「リチャード三世」からはまったく別人のリチャード三世を呼び起こす歴史発掘ミステリ。典型的にせむしでびっこで大悪人に演出されるリチャード三世が、本当は賢王でのちの王朝に貶められただけというのは、眼からウロコ。

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安楽探偵物(現場に行…

安楽探偵物(現場に行かない探偵)。グラント警部のひらめきと論理的思考に終始圧倒されました。おもしろい!

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2024/09/28

映画『ラスト・キング』を鑑賞後、リチャード三世に興味が湧きシェイクスピアの『リチャード三世』を読んでみることに。だが映画を観た後ではリチャード三世に対するイメージがまるで違うため、本当の彼のことについて書かれた物を探したのですが皆無…。リチャード三世で検索すると必ず『時の娘』が出...

映画『ラスト・キング』を鑑賞後、リチャード三世に興味が湧きシェイクスピアの『リチャード三世』を読んでみることに。だが映画を観た後ではリチャード三世に対するイメージがまるで違うため、本当の彼のことについて書かれた物を探したのですが皆無…。リチャード三世で検索すると必ず『時の娘』が出てくるので取り敢えず読むことに。リチャード三世に対する嫌なイメージからは逃れられるものの、これはあくまでフィクション。彼を知りたい気持ちが余計高まっただけだった。とにかく家系が複雑過ぎてわけがわからなくなる。これは英仏史からやり直さなければ駄目だな…、と思った。推理小説としては面白さはソコソコ。登場人物に感情移入する以前の問題。人に魅力は感じられなかった。

Posted byブクログ

2024/07/14

北村薫さんの短編集「中野のお父さんは謎を解くか」の一編に本作が触れられていたので、気になって読んでみました。 安楽椅子探偵ならぬ寝台探偵の主人公。療養中の刑事が、偶然一枚の肖像画を見たことによって、歴史の評価を一変させるような推理を繰り広げる。 粗筋としてのストーリーは面白そ...

北村薫さんの短編集「中野のお父さんは謎を解くか」の一編に本作が触れられていたので、気になって読んでみました。 安楽椅子探偵ならぬ寝台探偵の主人公。療養中の刑事が、偶然一枚の肖像画を見たことによって、歴史の評価を一変させるような推理を繰り広げる。 粗筋としてのストーリーは面白そうで、実際面白い要素はあるんですが、とにかく名前が入って来ない…。似たような名前が大勢出てくるので、読み進めるのがなかなかキビしかったです。 歴史の背景を勉強して、登場人物の関係性を理解して、シェークスピアの芝居もちゃんと見た上で再読すれば、面白さが全然変わってくるのかな、とは思います。

Posted byブクログ

2024/06/24

ミーハーなためニュースを観て再読。『薔薇王の葬列』をかじったため、昔より「うっすら分かる」状態になっていて、やっぱ絵と物語で覚えるのは強いなと思いはしたものの、知識に対して非ネイティブであるためのピンと来なさはまだかなりありました。シェイクスピアを学ぶ気運が来たろうか。

Posted byブクログ

2024/06/14

歴史ミステリーの傑作とのことで手に取りました。 感想としては大満足の一言です。 ただ本書を存分に楽しむためには、事前知識がそれなりに必要であり、自分も百年戦争から薔薇戦争、ヘンリー八世在位頃までの知識を復習し、かつシェイクスピアの『リチャード三世』を読了した後に読み始めています...

歴史ミステリーの傑作とのことで手に取りました。 感想としては大満足の一言です。 ただ本書を存分に楽しむためには、事前知識がそれなりに必要であり、自分も百年戦争から薔薇戦争、ヘンリー八世在位頃までの知識を復習し、かつシェイクスピアの『リチャード三世』を読了した後に読み始めています。 また自分は歴史が好きなので特に苦労しませんでしたが、登場人物の名前が被りがちな点も、読み進めるハードルが上がってしまう要因かと思います。ランカスター家とヨーク家の家系図はある程度頭に入れておいた方が良いかなと。 加えてやや古い訳のためか、「テューダー」が「チュードル」に「ボーフォート」が「ボーフォール」になっている等、近年の教科書とは表記が異なっている点にも注意ですね。

Posted byブクログ

2024/06/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ネットで見かけて。 リチャード三世の謎を解くミステリーとあった。 リチャード三世については、 行方不明だった遺体が最近駐車場で見つかったということは知っていた。 そのニュースで悪名高い王様だった、と報じられたいたような…。 兄の遺児を殺害し王位を簒奪した、ということらしい。 マンホールに落ち(骨折か?)入院しているグラント警部が、 リチャード三世の肖像画を見て、被告人ではなく裁判官の顔だと思ったことから、 暇に飽かせて謎を解いていくと言うお話。 トーマス・モアの書いたリチャード三世は伝聞で根拠がないとか、 殺されたはずの王子たち以外にも邪魔な王位継承者は他にもいたのにとか、 リチャード三世の悪行をあげつらった時に甥殺しが入っていなかったのはなぜかとか、 興味深い指摘が続く。 とはいえ、薔薇戦争当時のイギリスは、 ヘンリーとかリチャードとかエリザベスとか、親子や親せきで同じ名前が多すぎる。 全然わからない。 みな同じ藤原なのでわかりにくいと文句を言っていた平安時代どころの騒ぎではない。 しかも、 ベッドの上での謎解きとして書かれているのが、 余計にわかりにくく、面白みもなかった気がする。 グラント警部と彼の助手を務めたアメリカ人、キャラダインが何度も口にしていた「Tonypandy」が面白かった。 ウェールズ南部で起こった暴動のことだが、 世間で広く知られている歴史的事件が実際には全く異なっている例えに使われていた。 キャラダインにとっての「Tonypandy」は「ボストン大虐殺 Boston Massacre」だと語っていた。 その通り。 植民地時代のボストンで市民の投石にイギリス軍が発砲し「虐殺」された事件。 後の独立戦争の一端となったということだったが、 死亡したのが5人だったと知った時には、自分も驚いた。 それと、タイトルの「時の娘」がなんのことかわからなかったが、 「真理は時の娘」というイギリスの古い諺からきているらしい。

Posted byブクログ