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殺しの双曲線 の商品レビュー

4.1

37件のお客様レビュー

  1. 5つ

    10

  2. 4つ

    17

  3. 3つ

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2024/01/04

「西村京太郎」の長篇ミステリ作品『殺しの双曲線』を読みました。 『新装版 天使の傷痕』に続き、「西村京太郎」の作品です。 -----story------------- 差出人不明で、東北の山荘への招待状が6名の男女に届けられた。 彼らは半信半疑で出かけて行く。 雪に埋もれ、幸...

「西村京太郎」の長篇ミステリ作品『殺しの双曲線』を読みました。 『新装版 天使の傷痕』に続き、「西村京太郎」の作品です。 -----story------------- 差出人不明で、東北の山荘への招待状が6名の男女に届けられた。 彼らは半信半疑で出かけて行く。 雪に埋もれ、幸福感に酔っていた彼らはやがて恐怖のどん底に突き落とされた。 殺人が発生したのだ。 しかも順々に……。 「クリスティ女史」の名作『そして誰もいなくなった』に、異色の様式で挑戦する本格推理長篇。 ----------------------- 1971年(昭和46年)に発表された作品、、、 「アガサ・クリスティ」の名作『そして誰もいなくなった』への挑戦、吹雪の山荘ものの傑作… とか、双生児の替玉トリックとクローズド・サークルを主眼とした本格推理の傑作… と呼ばれている作品なので、いつかは読みたいと思っていた一冊です。 差出人不詳の、東北の山荘・観雪荘への招待状が、六名の男女に届けられた、、、 東京在住のタイピスト「戸部京子」は、婚約者の「森口克郎」とスキーを楽しみに雪深い観雪荘を訪れた… そこで自分たちと同じように東京から招待された風俗嬢の「太地亜矢子」、サラリーマンの「矢部一郎」、犯罪学を研究している大学の研究生「五十嵐哲也」、タクシー運転手の「田島信夫」と合流した。 そして、彼らを観雪荘の主人「早川」が出迎えた… ところが、初めから暗く沈んだ顔をしていた「矢部」が内側から鍵のかかった部屋で首を吊って死んでいるのが見つかった、、、 自殺かと思われたが、壁には「かくて第一の復讐が行われた」という言葉と、奇妙なマークを描いたカードが画鋲でピン止めされていた… さらに電話線が切られ、唯一の交通手段である雪上車も何者かに破壊され、宿泊客全員のスキーが折られてしまい、深い雪に囲まれた山荘は交通も連絡手段も途絶した陸の孤島と化す。 そして、そこで巻き起こる連続殺人… 雪のために孤立した山荘で順番に殺されてゆく……。 「西村京太郎」の作品は相変わらず読みやすいですね… もちろん、作品が魅力的だということもあるし、テンポが良いので飽きさせずに一気に読ませる感じ、、、 東京で起こった連続強盗事件と、雪山の山荘で繰り広げられる連続殺人事件が並行して描かれ、どこでこの二つのエピソードが交叉するのか… 気になって次々とページを捲りました。 オープニングでいきなり「この推理小説のメイントリックは、双生児であることを利用したものです。」と種明かしされることによりミスリードさせられる… という展開も印象的でしたね… 面白かったです。 以下、主な登場人物です。 「戸部 京子」   「観雪荘」の招待客。鉄鋼会社に勤めるタイピスト。22歳。 「森口 克郎」   「観雪荘」の招待客。京子の婚約者。平凡なサラリーマン。25歳。 「太地 亜矢子」  ソープランドの風俗嬢。23歳。 「矢部 一郎」   「観雪荘」の招待客。サラリーマン。25,6歳。 「五十嵐 哲也」   「観雪荘」の招待客。犯罪学を研究している大学の研究生。25歳。 「田島 信夫」   「観雪荘」の招待客。タクシーの運転手。25,6歳。 「早川 謙」   「観雪荘」の主人。25,6歳。 「小柴 勝男」  セールスマン。利男の双生児の兄。25歳。 「小柴 利男」  勝男の双生児の弟。25歳。 「工藤」  警視庁捜査一課の警部。連続強盗事件の捜査主任。 「宮地」  連続強盗事件担当のベテラン刑事。 「鈴木」  連続強盗事件担当の刑事。 「沢木」  タクシー強盗殺人事件担当の若手刑事。 「西崎 純」  中央新聞社の記者。

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2024/04/28
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お父さんが持ってた本で気になったので読みました。 なかなか面白い作品でした。 「この事件のトリックを明かしておきます」という前書きが書かれている本は初めてで、最初からインパクトを感じました。 人物も場所も事件の内容も全く違った2つの視点が、今後どのようにつながっていくのかが読んでいてとても楽しみでした。 昔のミステリー小説なので少々想像出来る展開もあるのですが、トリックや警察が翻弄されていく姿や、頭のキレる双子などの様子が秀逸に描かれていると思います。 最後の最後で警察が犯人を追い詰めていくシーンが好きでした。

Posted byブクログ

2020/12/03
  • ネタバレ

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ミステリそんなに読み込んでない人間にとって、西村京太郎といえばトラベルミステリーのイメージが強く、本格ものを書いている印象はあまりなかった。 西村京太郎が乱歩賞でデビューしてることもこの解説を読むまでは知らず……。 有栖川有栖おススメという事で読んでいるんだけど、なるほど!面白い! これはめちゃくちゃ面白かった。昭和ミステリ面白いわ。 いわゆる「本格冬の時代」の前のものなんだろうか? 女性の会話文の「あたしは信じないワ」みたいな、語尾をカタカナにするような表記だとか、妙に読点の多い文体だとかに何となく古さを感じつつ読み始めたけど、進むにつれてスケールの大きさと二つの事件の関わりの様相の面白さにぐんぐん引き込まれた。 冒頭いきなり「この推理小説のメイントリックは、双生児であることを利用したものです」と宣言していて、実際早々に双子が出てきて実際その通りだった。しかも、それが、伏線にもなっている。すごくフェアでめちゃくちゃ面白かった。 物語の途中から少しずつ真相を見せて、「この人が怪しい……」みたいなことを読者に明かしつつ、しかし最後までトリックを見破らせないような、すごい小説だった。 京子の手記の抜かれたところがもう少しはっきり明かされいたらなあ……。 最後の犯人と刑事のやりとりなんかは、いかにも昭和の感じがした。あのことさえなければ、しらを切りとおせた犯人の、最後の良心のようなもの……昭和的だし、サスペンスドラマ的でもある。 傑作と言われるものはなるほど面白いんだなあと思った。もっと読もう。

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2020/03/27

久しぶりに『推理小説を読む』ということを堪能した。 作者は、メイントリックが双生児であることを利用したものであるということを冒頭で明かしている。これでわたしたち読者に対してフェアであるということなのだ。 さあ、推理を楽しんでごらんと言っているかのように。 勿論それを言葉通りに受...

久しぶりに『推理小説を読む』ということを堪能した。 作者は、メイントリックが双生児であることを利用したものであるということを冒頭で明かしている。これでわたしたち読者に対してフェアであるということなのだ。 さあ、推理を楽しんでごらんと言っているかのように。 勿論それを言葉通りに受け取ってしまったのでは、犯人は当てることができない。 東京で一卵性のとてもよく似た双子であることを利用した強盗事件が起こる。犯人の目星はたっているがある理由から逮捕することはできない。 もう一方で、宮城県の雪深い山奥にあるホテルに招待された男女とオーナーを含めた計7人が閉ざされた建物の中で次々と殺されていく。そしてその犯行現場には、謎のマークとともに復讐が行われたと書かれたカードが残されていた。 もちろん、東京と宮城で起こった事件は関連があるに決まっている。 が、しかしどうやって? ちゃんと読めば犯人は分かるようになっている。 ミスリードもなくどんでん返しもない、読み終わったあとに騙されたという腑に落ちない気持ちにもならない、正統派の推理小説だと思う。分かりそうで分からない、薄々真実が見えてくる(ような気がする)感じがワクワクした。 太地亜也子の職業が、わたしが読んだ本ではトルコ嬢という記載になっており、セリフの語尾の「~だと思うワ」「ひどいワ」の片仮名の使い方が古さを感じさせたが、内容的には今でも充分に斬新なトリックだと思う。

Posted byブクログ

2019/02/28

1971年発表の作品ですが、そんなに古さは感じませんでした。 最初に双子を使ってると読者に教えてくれるところから一気読み。続きが気になってページをめくる手が止まりませんでした。 犯人は最初から思っていた人で当たってましたが、それでもめっちゃ楽しめました。 西村京太郎さんはトラベ...

1971年発表の作品ですが、そんなに古さは感じませんでした。 最初に双子を使ってると読者に教えてくれるところから一気読み。続きが気になってページをめくる手が止まりませんでした。 犯人は最初から思っていた人で当たってましたが、それでもめっちゃ楽しめました。 西村京太郎さんはトラベルミステリーばかり書いてはるイメージでしたが、こんな本格ミステリーも書かれていてやっぱり凄い方ですね。 ただ「そして誰もいなくなった」のネタバレがちょいちょいあるのは残念でした。 私は以前読んでいたので大丈夫でしたが、これから読まれる方は楽しめないと思うので・・・ それ以外は本当に楽しめる作品でした。

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2016/10/13

40年程前に書かれたミステリ。 西村京太郎と言えば、十津川さん 内田康夫と言えば、浅見光彦 どちらも火サス。京都や温泉やトラベルや……と、そのくらいの事しか知らないのですが この本は以前から読みたくてめっちゃ探したのですよ 雪で閉ざされた山荘と、町で起こる強盗事件 「そして...

40年程前に書かれたミステリ。 西村京太郎と言えば、十津川さん 内田康夫と言えば、浅見光彦 どちらも火サス。京都や温泉やトラベルや……と、そのくらいの事しか知らないのですが この本は以前から読みたくてめっちゃ探したのですよ 雪で閉ざされた山荘と、町で起こる強盗事件 「そして誰も~」のオマージュだそうで、もうwkwkする要素しかなかったのです 勿論、それだけではなく、離れた場所で起こっている強盗事件が絡んでくるのが見えてくるとどんどん引き込まれてしまったのです 流石に40年前のミステリなので、最初の読み初めで「多分、そう言う事なんだろうな……」とは勘付いてしまうのですが、どこが?どれが??と探してる内にお話は進んでいってしまうのです 丁寧な伏線……と言うか、多分当時はそういう書き方をしなくちゃ読者が分かり辛かったんだろうな……?なんて事も思いながら、ちゃんと回収。 ストーリーの中に入って、自分も一員になりながら読むととっても楽しい種類のミステリだったのですね そう、まるでドラマの様な……!!1 読み終わって、やっぱり流石だな……という感想が。 ミステリ読み始めてた頃に読みたかった……! 勿論、色々読んで色々予想できてしまうようになっても、楽しめる本でした

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2016/09/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

都内で起きる連続強盗事件と、ある雪山のホテルで起こる連続殺人事件。全く接点のないように見える2つの事件がリンクしていく。 最初に作者からの重大な注釈があるにも関わらず、というかむしろそのせいでなかなか全体像が見えず、最後で一気に持って行かれる。 「そして誰もいなくなった」のオマージュ的な作品。 西村京太郎と言えば電車モノと思って避けていたが、やはりすごい作家さんだと再認識。 昭和の感じがすごくて、その時代には生きてなかったけどノスタルジー。

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2016/01/11

都内で起こる連続強盗事件。雪に囲まれた山荘で起こる連続殺人事件。二つの事件が結びついたとき真相が明らかにされるという内容の物語でした。西村京太郎というだけで読む気がしない人もいるかもしれませんが、これは別格。ドラマで良く見るトラベルミステリーとは桁違いの面白さです。偏見がある方も...

都内で起こる連続強盗事件。雪に囲まれた山荘で起こる連続殺人事件。二つの事件が結びついたとき真相が明らかにされるという内容の物語でした。西村京太郎というだけで読む気がしない人もいるかもしれませんが、これは別格。ドラマで良く見るトラベルミステリーとは桁違いの面白さです。偏見がある方も是非読んでほしいです。でも双子が犯罪犯したらホントに、こんな感じになるんでしょうかねー。「疑わしきは罰せず」とは言いますけど、刑事がそんなに甘いとは思えません。こんなに刑事が慎重だったら冤罪なんて起こらないと思いますけどね。

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2014/07/22

西村京太郎の『殺しの双曲線』を読了。 西村京太郎といえば、世間一般的にはトラベルミステリーが得意な作家ではないだろうか。 いですが、初期の頃は本作のような本格推理物も書いていたようだ。全然知らなかった。 本作はあらすじにも書かれているように、アガサ・クリスティの名作「そして...

西村京太郎の『殺しの双曲線』を読了。 西村京太郎といえば、世間一般的にはトラベルミステリーが得意な作家ではないだろうか。 いですが、初期の頃は本作のような本格推理物も書いていたようだ。全然知らなかった。 本作はあらすじにも書かれているように、アガサ・クリスティの名作「そして誰もいなくなった」に挑戦した推理小説。とは言っても、決してパロディ小説ではなく、立派な本格推理小説だった。 一番始めに『この小説のトリックは双子を使ったものです』と、予め読者に知らされる。これは推理小説を書くときの決まりごとの中に『双子を使ったトリックは予め読者に知らせておかなければならない』というものがあるからだろう。 この双子が東京で起こす事件と、東北のホテルで起きる連続殺人事件。何の関係もないように見える二つの双曲線が交わったとき、驚愕の事実が発覚する。 双子を使ったトリックというのが頭で判ってはいたものの、やはり解らないものは解らない。動機も同じく。その分、最後にはすごいスッキリしたが。 『そして誰もいなくなった』はオレが一番初めに読んだ推理小説だが、確かに似ていた部分はところどころあった。例えば、手紙で呼び寄せられる、人数分のインディアン人形(本作では代わりにボウリングのピンなど)など。ただ、メイントリックに双子を使うことで『そして~』を発展させた形になっているのはポイント。 いずれにせよ本作は『そして~』に影響を受けた数多くある作品の中で、かなりレベルの高い作品には違いないだろう。

Posted byブクログ

2014/03/08

冒頭で『双子によるトリック』と明かしたうえでスタートする著者の意欲作。王道中の王道とも言えるクローズドサークルものです。読んでいくにつれてどんな結末になるのかどんどん期待が膨らみましたが、結局無難にまとまりしりすぼみした印象でした。

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