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日本人とユダヤ人 の商品レビュー

3.7

48件のお客様レビュー

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いろいろと批判もある…

いろいろと批判もあるようですが、日本を考える上で非常に参考になる本です。どのようなスタンスで日本を見ることができるのか、見方のヒントを提供してくれることは確かです。

文庫OFF

俗流日本人論のさきが…

俗流日本人論のさきがけ。 呉智英さんなども何かにつけ叩いていた山本七平さんの、初期の一般向け著作。内容に関しては浅見定雄さんの「にせユダヤ人と日本人」と読み比べるのが楽しいと思われます。 「にせユダヤ人~」には本書のでたらめさが実に徹底的に批判されてますが、浅見さんに「どうしてこ...

俗流日本人論のさきがけ。 呉智英さんなども何かにつけ叩いていた山本七平さんの、初期の一般向け著作。内容に関しては浅見定雄さんの「にせユダヤ人と日本人」と読み比べるのが楽しいと思われます。 「にせユダヤ人~」には本書のでたらめさが実に徹底的に批判されてますが、浅見さんに「どうしてこうもひとつひとつ間違うことができるのだろう」と書かれるくらいの代物です。(とは言え、一般読者の我々では簡単に幻惑されそうですが)平成3年で既に82版を重ねて売れまくってます。「にせユダヤ人~」の方は

文庫OFF

2024/07/30

日本人とユダヤ人 著:イザヤ・ベンダサン 角川ソフィア文庫 218 前にも読んだことがありましたが、文庫を見つけたので改めて、読ませて頂きました 日本教、最初はなんじゃこりゃと思いましたが、最近はけっこう気に入っています うんうん、日本教。なかなか、つっこみどころ満載なところ...

日本人とユダヤ人 著:イザヤ・ベンダサン 角川ソフィア文庫 218 前にも読んだことがありましたが、文庫を見つけたので改めて、読ませて頂きました 日本教、最初はなんじゃこりゃと思いましたが、最近はけっこう気に入っています うんうん、日本教。なかなか、つっこみどころ満載なところもいいとおもいます。 気にいったところは以下です。 ・日本人は、安全と水は無料で手に入ると思い込んでいる ・いかに効率的に、低コストで安全を計るかなどと言う考えは、その考え方自体が論外になってくる ・日本人を、ユーラシア大陸から少し離れた箱庭のような別荘で何の苦労もなく育った青年とみるなら  ユダヤ人は、ユーラシアとアフリカをつなぐハイウェイに、裸のままほうりだされた子供である ・国民の捕囚とか全国民の完全虐殺とかいった恐ろしいことも、何もユダヤ人だけが経験したことではない  ドーソンの「蒙古史」を読めば、ジンギスカンの部下のユーラシア全地域にわたる行動はまさにこれにまさるものすごさの一言につきる ・祭儀権と行政権は分立させねば独裁者がでてくる。日本の朝廷・幕府制度を知ったら、羨望の余り、ため息をついたであろう ・「日暮硯」、戦争中、アメリカのある機関で、日本研究のため徹底的に研究されたのがこの本であり、  私は今でも、これが、日本人的政治研究の最もよいテキストだと考えている ・日本人は人間的弁証法というべきものを使っている  日本では、決議は100%は人を拘束せずという厳然たる原則がある  ここに、日本独特の法外の法がある  満場一致の議決も、法外の法を無視することを得ず  「今のべたような人間味あふるる判決」とは「人間性の豊かな」、「人間が出来ている」という言葉  日本における最高の法であり、これに違反する決定はすべてまるで違憲の法律のように棄却されでしまう  しかし、では廃止すればいいではないかとの主張をする外国人はまことに日本を知らない奴と言わなければならない  人間性を無視しない範囲では厳然として存在し、それをおかせば罰せられるからである ・日本人とは日本教徒なのである  ユダヤ教が存在するごとく、日本教という宗教も厳として存在しているのである ・無宗教というが、本当に無宗教なら、どの宗教にもすぐ染まるはずである   ・日本教を知りたければ、日本教の聖人、殉教者である、西郷隆盛を研究することをすすめている ・一老人と宣教者の問答   金や銅で作ったものの中に神はいない   塵を払って仏を見る、いかに   仏もまた塵 ・日本では、以心伝心で、真理は言外 である ・日本では、いかなる時でも、憲法を改正したことがない   大宝律令 改正することなしに、令外の官を設ける   明治憲法にも、現憲法にも、憲法改正の規定があるが、いずれも空文である 等々 目次 はじめに 1 安全と自由と水のコスト―隠れ切支丹と隠れユダヤ人 2 お米が羊・神が四つ足―祭司の務めが非人の仕事 3 クローノスの牙と首―天の時・地の利・人の和 4 別荘の民・ハイウェイの民―じゃがたら文と祝砲と西暦 5 政治天才と政治低能―ゼカリヤの夢と恩田木工 6 全員一致の審決は無効―サンヘドリンの規定と「法外の法」 7 日本教徒・ユダヤ教徒―ユーダイオスはユーダイオス 8 再び「日本教徒」について―(その二)日本教の体現者の生き方 9 さらに「日本教徒」について―(その三)是非なき関係と水くさい関係 10 すばらしき誤訳「蒼ざめた馬」―黙示的世界とムード的世界 11 処女降誕なき民―血縁の国と召命の国 12 しのびよる日本人への迫害―ディプロストーンと東京と名誉白人 13 少々、苦情を!―傷つけたのが目なら目で、歯なら歯で、つぐなえ 14 プールサイダー―ソロバンの民と数式の民 15 終りに―三つの詩 あとがき―末期の一票 ISBN:9784043207015 出版社:KADOKAWA 判型:文庫 ページ数:264ページ 定価:560円(本体) 1971年09月30日 初版発行 2013年01月25日 103版発行

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2024/05/20

読んだのは手元にあった初版なので,現在は内容は改変されているかもしれない。ユダヤ人に関する記述は誤りを含むと批判もされているが,日本人山本七平の著作として読めば今でも面白い。『空気』よりも「日本教」=人間教の方が日本論としては優れているのではないだろうか。 「日本人は(中略)日...

読んだのは手元にあった初版なので,現在は内容は改変されているかもしれない。ユダヤ人に関する記述は誤りを含むと批判もされているが,日本人山本七平の著作として読めば今でも面白い。『空気』よりも「日本教」=人間教の方が日本論としては優れているのではないだろうか。 「日本人は(中略)日本教徒などという自覚は全くもっていないないし,日本教などという宗教が存在するとも思っていない。その必要がないからである。しかし日本教という宗教は厳として存在する。これは世界で最も強固な宗教である。というのは,その信徒自身すら自覚しえぬまで完全に浸透しきっているからである。日本教徒を他宗教に改宗さすことが可能だなどと考える人間がいたら,まさに正気の沙汰ではない。」 しかし,グローバル化した現代では,この「日本教」を自覚することが必要になっているのではなかろうか。「日本人が一民族・一国家・一宗団であること」を前提とする社会であることの歪みはもはや無視できない。 朝廷と幕府の二権分立の評価は一考の価値がある。また,勝海舟をもって世界でも一世紀にひとりの逸材とするのも興味深い。

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2024/05/20

ユダヤ人から見た日本人評価。私自身も知らない日本の知識を使っている事にまず驚き。すごい。そして、ユダヤ教やキリスト教独特の考えや、そこと対比させて論じている(筆者からすれば)日本の宗教的考えは、分かりやすく、面白かった。

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2024/02/20

日本人がこれまで歩んできた背景を知ることで、今も昔も変わらない日本人の気質や考え方の根本を理解できるとともに、ユダヤ人が歩んできた背景から考え方の違いや物事の捉え方の違いを知ることができる。 今イスラエルとパレスチナの戦争も、日本人からしてみれば「なぜこの戦争は繰り返されるのか」...

日本人がこれまで歩んできた背景を知ることで、今も昔も変わらない日本人の気質や考え方の根本を理解できるとともに、ユダヤ人が歩んできた背景から考え方の違いや物事の捉え方の違いを知ることができる。 今イスラエルとパレスチナの戦争も、日本人からしてみれば「なぜこの戦争は繰り返されるのか」となかなか理解できないことであって、宗教上の違いという話だけでなく、その歴史的な出来事から、繰り返されるべくして繰り返されているものであるということを知り、その繰り返されることへの意味を考える視点を持つことが大切だと感じた。 他民族に虐げられ、虐殺されたことのない日本人。 一方、これまで500万人以上の血を流したユダヤ人。同じ人間として生を受けたものの、積み重ねた歴史があまりにも違いすぎることを、日本人である私たちは知っておかなくてはならない気がする。

Posted byブクログ

2024/02/06

日本教、法外の法、言外の言、人間性 のくだりは山本七平ならでは指摘で秀逸。本当に難しい国民だと思う。無理して欧米化せず、日本らしさで、突き進めばいいと思う。

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2023/11/08

内容はユダヤ人からみた日本人についての論評で、非常に鋭い視点で書かれた良著である。 ただ一点、この著者が実はユダヤ人でもなんでもなく、この本で論じられている日本人その人であるという嘘が、本の全体的な価値を下げていると思う。

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2022/02/12

〝「外国人や外国文明に対する批評は、自己および自国民の潜在的欲望の表出である」とヤーシュヴ•ベン•ダーネルは言った。〟 「はじめに」の冒頭のこの一文が琴線に触れたなら、そのまま読み続けて欲しい一冊。 オンリーワンと言ってもそれは比較対象があって初めて認識できるもので、比較するこ...

〝「外国人や外国文明に対する批評は、自己および自国民の潜在的欲望の表出である」とヤーシュヴ•ベン•ダーネルは言った。〟 「はじめに」の冒頭のこの一文が琴線に触れたなら、そのまま読み続けて欲しい一冊。 オンリーワンと言ってもそれは比較対象があって初めて認識できるもので、比較することそのものは決して悪ではないと思う。 約50年前に書かれたという点で今となっては当てはまらない古き良き(?)日本像に偏っているところもあるけれど、それを差し引いても充分面白い。

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2021/07/19

●日本教: 日本教は人間教であり、神学ではなく人間学=人間とはかくあるべきを基準とする。 「ユダヤ人の神様は水くさいのね。 血が通ってないみたい」 律法よりも人間味。法外の法、言外の言。 日本的思考はソロバン型。それは意識的思考を極力排除した放心状態であり、考え出した瞬間に動き...

●日本教: 日本教は人間教であり、神学ではなく人間学=人間とはかくあるべきを基準とする。 「ユダヤ人の神様は水くさいのね。 血が通ってないみたい」 律法よりも人間味。法外の法、言外の言。 日本的思考はソロバン型。それは意識的思考を極力排除した放心状態であり、考え出した瞬間に動きは止まる。言葉を持つとは喋ることではない。一言も口を利かなくても頭脳の中で、あらゆる言葉を縦横無尽に駆使できるのである。他国民には到底想像もできない。 日本人にとって人間という概念は物理的に存在する人間ではなく、ソロバンやユダヤ人にとっての神と同じもの。  日本人はソロバンのように会話の訓練をしていない。日本語は完璧だから。数式のようなラテン語のような訓練は不要。 ●ユダヤ教: ユダヤ教の神と人間の関係は血縁なき養子縁組。契約に違反すれば子としての権利は失う。よって律法を一点一画まで守り抜く。いつも神がそこにいるので、信じるとか、ズルするとか言う発想はない。 日本人にとってソロバンはそこに物理的に存在しなくても、確かに実存しており、それを駆使して得た答えは正確な成果として実際の生活に影響を及ぼしている。ユダヤ人にとっての神とその律法はこれと同様に厳然と実存しているのである。

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