氷点(上) の商品レビュー
妻が浮気をししてる最中に子供をなくした夫が妻への屈折した憎しみと、「汝の敵を愛せよ」という教えの挑戦とで殺人犯の娘を養女にした。明るく素直な少女に育っていく陽子…。 この本はかなり考えさせられたわね~。 誰が悪いとかじゃなくて、人それぞれの思いがひしひしと分かっちゃってね なん...
妻が浮気をししてる最中に子供をなくした夫が妻への屈折した憎しみと、「汝の敵を愛せよ」という教えの挑戦とで殺人犯の娘を養女にした。明るく素直な少女に育っていく陽子…。 この本はかなり考えさせられたわね~。 誰が悪いとかじゃなくて、人それぞれの思いがひしひしと分かっちゃってね なんだか心が痛く感じたのを思い出すわ~。 自分だったらどう思うかなぁ~。って。 同じようなことをしたかもしれない。。。ってね。 だから誰が悪くて善くてなんて言われないのよね。 これは続編もあって、一気に読めちゃった。
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高校生のとき、当時放送されていた氷点のドラマから興味を持ち、図書室で借りた キリスト教色が強く、原罪については解りかねたが、文学はおもしろいと明確に気付かせてくれた作品だ 文章から北海道の寒さや景色が伝わる 陽子がどこまでも良い子なのが不思議で、夏枝がいやらしいと感じた 最後に...
高校生のとき、当時放送されていた氷点のドラマから興味を持ち、図書室で借りた キリスト教色が強く、原罪については解りかねたが、文学はおもしろいと明確に気付かせてくれた作品だ 文章から北海道の寒さや景色が伝わる 陽子がどこまでも良い子なのが不思議で、夏枝がいやらしいと感じた 最後に納得できなかった
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昭和39年から40年にかけて、朝日新聞に連載された。当時まだ聞きなれない言葉だった“人間の原罪”という深いテーマを掲げたこの小説は、かなりの注目を集めたという。 辻口病院の院長啓造、美しく優しい妻夏枝、聡い息子の徹、かわいい盛りの娘ルリ子。絵に描いたような幸せを築いている一家に突...
昭和39年から40年にかけて、朝日新聞に連載された。当時まだ聞きなれない言葉だった“人間の原罪”という深いテーマを掲げたこの小説は、かなりの注目を集めたという。 辻口病院の院長啓造、美しく優しい妻夏枝、聡い息子の徹、かわいい盛りの娘ルリ子。絵に描いたような幸せを築いている一家に突然悲劇が訪れる。それは、欺き欺かれ、愛憎が渦巻く空恐ろしい日常の始まりだった…。 目まぐるしく起伏する人々の心の機微を見事なまでに描写する。重いテーマながら、story tellerの才によって、猛スピードで読んでしまう。読み終わったらすぐに「続・氷点」に進むべし!
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初めて読んだのは中学生のとき。そのときは陽子や徹のような無垢で潔癖な目線に近かった。 何度も読み返すうちに、啓造や夏枝の心理もわかったり。 綾子さんは大人も子供も、男性も女性も…心理描写がたくみ。 「結局ひとって考えてることの根っこの部分はかわらないと思うの」
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学生の時に読んだ時にはわからなかった、人への憎悪と愛情… 空回りする人の想い…、男と女の考え方違い… 恐ろしくも悲しい。 一気に読んでしまった。 下を読むのが楽しみだ。
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無名の主婦だった三浦綾子氏を一躍作家にした作品。 全四冊でしたが、一気に読めました。 1970年代くらいの作品ですが、時代は変わっても 人の嫉妬・憎しみ、欲望は変わらないもの。 2010年の今でも、ある意味違和感なく読めました。 「原罪」とは何かがテーマですが、人はほんとに...
無名の主婦だった三浦綾子氏を一躍作家にした作品。 全四冊でしたが、一気に読めました。 1970年代くらいの作品ですが、時代は変わっても 人の嫉妬・憎しみ、欲望は変わらないもの。 2010年の今でも、ある意味違和感なく読めました。 「原罪」とは何かがテーマですが、人はほんとに罪深い生き物だと思いました。そのうごめく臨場感は、秀逸でした。 育ての母親が言い放つ陽子さんへの怨念のような言動は、 どの女性でも持ちえる独特のものなんでしょうか。 レビューには、独特の醜さと記した方もいましたが、ほんとにそうなのか。判断はつきません。 「許す」ということは、人を上からも下からみない、そう接しないということでしょうか。 それが隣人への愛でしょうか。 「許さない」と思った時点で、上か下かはわかりませんが、 自分の立ち位置が変化しているということなのか。 主人公の陽子さんは、ラストでそれがわかったので、 ああいう決断に至ったのか。 心情的には、そっちじゃない方にいってほしかったけど。 せつなかったので。 人は絶対ではない、永遠に相対的な存在だ、と常々考えの基本においてますが、「許さない」とは、絶対的な存在だと自己を示しているということか。だとしたら、神以外許すことはできないっていうことになる。 だから本文にもあった、大きな石と小石の話か。 大きな石を移動させて、元に戻せと言われてもできるけど、 小さな石は、いちいち場所を覚えていないので、元に戻せないって話に繋がるのか。 多くのひとは小さな石(小さな悪)の集合体とも言えて、そのひとつひとつを覚えてはないし、覚えていては生きていけない。 なぜなら、人は相対的な存在でしかないから。 だから、小さな石のことくらいは許すけど、大きな石は許せないか。 陽子さんは、本文で「権威がほしい」と言っていたけど、あいにく永遠に持てない存在。だから苦しいのか。 わかったようで、わからない永久なテーマですねえ。
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今さら読んでみた。 三浦綾子の本は苦悩する人生が凝縮されているものだから、ずっしり重い。 出だしから、暗雲が見えるわ… いつバレるか、いつバレるかと心の弱い私は神経をすり減らしながら読んでいます。やり場のない「隠し事」をしながら一生いきなければいけないという事がこの世で1番つら...
今さら読んでみた。 三浦綾子の本は苦悩する人生が凝縮されているものだから、ずっしり重い。 出だしから、暗雲が見えるわ… いつバレるか、いつバレるかと心の弱い私は神経をすり減らしながら読んでいます。やり場のない「隠し事」をしながら一生いきなければいけないという事がこの世で1番つらい。 このままだと悪循環で全員潰れてしまう…
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どうすれば救われるのだろうか。 夏枝も啓造も、少なくとも私には責められない。 誰だって一時の激情で判断を誤ることもある。 今回、その過ちは多くを巻き込み、伺い知れない展開を呼ぶことになったが‥。 人間は愚かで醜い。 だけどあの頃確かにあった、彼の誠実さと彼女の愛情深さは決して嘘に...
どうすれば救われるのだろうか。 夏枝も啓造も、少なくとも私には責められない。 誰だって一時の激情で判断を誤ることもある。 今回、その過ちは多くを巻き込み、伺い知れない展開を呼ぶことになったが‥。 人間は愚かで醜い。 だけどあの頃確かにあった、彼の誠実さと彼女の愛情深さは決して嘘にはならないはずだ。 死から生還した啓造が、罪を背負う覚悟をした最後に微かな希望を抱きつつ、下巻へ。
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「汝の敵を愛せよ」 残酷な言葉。愛せたら、敵はおらんでしょ。 けど、これができれば人間悩み、苦しみなく生きていけるのか。 みんな、口に出さず思い悩み過ぎでしょ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
昭和21年、旭川。辻口啓造は、三歳になる娘のルリ子を佐石という男に殺される。その時妻の夏枝は、啓造の同僚村井と密会中だった。妻を責めることが出来ない啓造に、ルリ子の代わりの女の子が欲しいと言う夏枝。啓造は佐石の娘を引き取り、夏枝にはそうと知らせず育てさせる事で娘を殺された報いとしようと考える。夏枝は啓造の目論見通り、『実の娘を殺した男の子供』に愛情を注いでいたが、ある日啓造が書きかけのままにしていた手紙を読んでしまったことで真相を知る。そして陽子もまた、自分が辻口家の実子ではないことに気付いていた。ここから夏枝のターン! 読もう読もうと思い続けてやっと読んだ。もう全員ひどい。一人残らず自分のことしか考えてない。実子だろうが継子だろうが、また生死を問わず子供は道具だ。辰子が出てくるとちょっとほっとするけど、それは彼女が全ての責任の外にいるためだ。エキセントリックな人だし、自分の中の子供がそういう大人に反応するのだろう。ダブルヒロインのひとり夏枝がかなりの人格障害なことはもちろんだけど、陽子も実は相当。悪意なく平気で人を傷つけてしまうタイプだ。続くらしいが読んだら疲れそう。
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