本陣殺人事件 の商品レビュー
見え見えのミスリードと思いきや、それが伏線になってたり、密室の必然性の処理が秀逸。トリックの説明で頭がウニ状態。 後の2編はちょっとイマイチ。
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金田一耕助シリーズ最初の作品。 金田一耕助が日本の事件に関わる前の映画・ドラマでは公にされていない意外な過去の経歴を知れたりして大変面白かった。 最後までトリックと犯人の予想を覆す展開に読み終わった後、満足しました。
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再読。因習的な舞台設定といい、日本家屋での密室殺人といい、まさに戦後本格の幕開けを飾るにふさわしい名作。 「百日紅の下にて」もこの本に収録されていると思ってたのだけど記憶違い。収録されてたのは「車井戸はなぜ軋る」でした。
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中・短編集で、表題作が、本当の意味での金田一初登場作。 日本版の密室殺人だが、オチはあまり好きではないかも… なんとなく、納得いかない。
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動機や殺人の状況など、現代日本が舞台ではありえない濃密な事件三編。戦争はいろんなものを大きく変えた、ってことをひしひしと感じる。「黒猫亭~」は映像で観たいけど…無理かねえ。あと金田一が笑えるくらいオジサマキラーwww
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「本陣殺人事件」 本格ミステリなので、How, Who, Why が適度にバランスよく記述されています。まずHow ですが密室殺人事件なのでこれは大きな焦点になっています。、密室の謎はなんとなく読んでいると見えてきますので読んでいる方としては楽しくなってきます。怪しい琴の存在...
「本陣殺人事件」 本格ミステリなので、How, Who, Why が適度にバランスよく記述されています。まずHow ですが密室殺人事件なのでこれは大きな焦点になっています。、密室の謎はなんとなく読んでいると見えてきますので読んでいる方としては楽しくなってきます。怪しい琴の存在とかが、思わせぶりですね。 Who は、密室が解けると微妙に 1名しかいなくなるように記述されています。ただ確かにその人物なのか、という疑いを払拭できなかったのが、全く Why の動機が解らなかったからです。そういう意味では、Why に関しては現代人にはかなり難しいものになっているように思います。婚礼の日という事を考えれば、昭和初期の人は推理できるのかもしれません。 まったく本論に関係ないですが、現在の文庫本では地名が伏字になっています(清―駅、川―村、岡―村、久―村、高―川で、それぞれ清音駅、川辺村、岡田村、久代村、高梁川を表すそうです)。 「車井戸はなぜ軋る」 印象に残る女性、生まれつき体が弱いというのもその一因なのでしょうが、鶴代という女性が出てきます。兄の慎吉は病気で療養所にいて、鶴代は兄の元に手紙をよく送っていて、その手紙を通じて読者は物語を見ていくような手法が採られています。印象に残るのは、やはり推理を展開して分析でき、かつ女性らしく描かれていることだろうと思います。 一方、二重瞳孔、重瞳の人物がいて、かつこれがキーワードになっています。調べるまでは知りませんでしたが、貴人によく設定されるものらしいですね。 「黒猫亭事件」 金田一耕助が作者を訪ねた話があり、その中で「顔のない屍体」のトリックについて書かれています。作者は今までにない顔のない屍体トリックを描きたいというリクエストに合致する事件を金田一がその後伝えた、という形を取っています。 黒猫の死の理由、畳に残された意味ありげな血、一人二役など面白いところは多いですが、最も意外だったことはと言えば、最後に金田一が銃で撃たれそうになるクライマックスは盛り上がります。 多少時代劇っぽいところがあるのはしょうがないと思えば、ミステリーの王道を今でもいけるような気がします。まあ、今の王道はもう少し違うところに意外性を求めているような気もします。
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今は昔の中学時代、横溝作品との出会いの1冊。トリックに魅せられ金田一耕助に憧れ、角川版の全作品を読破しました。あの当時はもっとおどろおどろしい表紙イラストで ずらっと並んだ本棚はとんでもない雰囲気でしたが、最近のは都会的な感じ?私にはスマートすぎて物足りないかも。
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横溝さんってなんか猟奇的なイメージがあったのだけど、日々があってそこから気づくとこんなおかしな事態になっているという印象を持った。
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「本陣殺人事件」「車井戸はなぜ軋る」「黒猫亭事件」の3篇を収録。 私的には「車井戸はなぜ軋る」が好き。 金田一耕助はこの事件とはほとんど関わりを持たないが、兄弟の間で交わされる手紙のやりとりから事件を語ってる点が面白い。 最後は何だか少し寂しい気持ちになります。 「黒猫亭事件」は...
「本陣殺人事件」「車井戸はなぜ軋る」「黒猫亭事件」の3篇を収録。 私的には「車井戸はなぜ軋る」が好き。 金田一耕助はこの事件とはほとんど関わりを持たないが、兄弟の間で交わされる手紙のやりとりから事件を語ってる点が面白い。 最後は何だか少し寂しい気持ちになります。 「黒猫亭事件」はあれだけ色々最初にヒントを与えられていながら負けました。 推理小説をお書きになられる方はやはり頭が冴えていらっしゃるのですね。
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「本陣殺人事件」「車井戸はなぜ軋る」「黒猫亭事件」の三篇を収録 金田一耕助のデビュー作となる「本陣殺人事件」。 宿場本陣の旧家に起こった、婚礼の日の雪の夜の惨劇。 離れの座敷を舞台に琴や屏風など和の小道具で彩られた密室殺人。 「車井戸」と「黒猫亭」は顔のない死体モノ。 ですが...
「本陣殺人事件」「車井戸はなぜ軋る」「黒猫亭事件」の三篇を収録 金田一耕助のデビュー作となる「本陣殺人事件」。 宿場本陣の旧家に起こった、婚礼の日の雪の夜の惨劇。 離れの座敷を舞台に琴や屏風など和の小道具で彩られた密室殺人。 「車井戸」と「黒猫亭」は顔のない死体モノ。 ですがどちらもひねりにひねられています。 「車井戸」は二家族の古い因縁が引き起こした殺人。 この作品も復員者が肝で、戦争が暗い影を落としています。 「黒猫亭」は戦後の混乱に乗じた殺人。 なぜ黒猫が死ななければならなかったのか。 ポーの『黒猫』を思い出させます。 同じ素材をこうも異なった作品に仕上げられるその独創性に驚かされます。 終戦で「さあこれからだ!」と意気込んだ横溝。 その勢いそのまま、推理小説への熱意溢れる作品ばかり。 まだ描きなれていない金田一の初々しさや若さも感じられる、力のはいった短編集です。
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