三四郎 の商品レビュー

3.8

36件のお客様レビュー

  1. 5つ

    7

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2011/03/25

恋なんだけど、深刻でなくて特にラストの軽い終わり方がよかった。あと省略、というか書かなさ具合がいいと思う。

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2010/11/14

門、それからへと続く三部作の第一部らしい。 三四郎はまさに、現代で言うところの草食系男子。女に対する態度だけでなく、与次郎にすべて流されるままに行動するあたりも、自分を持っていないというか、自信がないのか、全く意気地のない男だ。こういう人をみていると、私なんかは見ていてもどかし...

門、それからへと続く三部作の第一部らしい。 三四郎はまさに、現代で言うところの草食系男子。女に対する態度だけでなく、与次郎にすべて流されるままに行動するあたりも、自分を持っていないというか、自信がないのか、全く意気地のない男だ。こういう人をみていると、私なんかは見ていてもどかしいしイライラするしw、喝をいれたくなる。 このように、何に対してもはっきり物を言わない主人公単体には嫌悪感を懐くが、作品全体としてはなかなかよかった。読了後の気分もいささか悪くない。何か事件が起きたり波乱のある内容ではないけれど、登場人物の心理描写が(時に間接的に)事細かに記されていて、駆け引きをする男女の心情を追って行くのが楽しかった。 ストレイシープ。三四郎と美 子の代名詞だ。三四郎は熊本から東京への電車で知り合った女性に言われた一言で、既にストレイシープと明らかになっていたのか。印象的。

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2010/05/28

始めに「それから」を読み、面白かったので三部作の第一部であるこの「三四郎」を読んだ。 今だったらもっとウジウジした内容になりそうだけど、どっかのほほんとしているのは漱石ならではなのでしょうか? 正直ストーリーとしては普通だと思いますが、所々に出てくる文にハッとさせられます。 ...

始めに「それから」を読み、面白かったので三部作の第一部であるこの「三四郎」を読んだ。 今だったらもっとウジウジした内容になりそうだけど、どっかのほほんとしているのは漱石ならではなのでしょうか? 正直ストーリーとしては普通だと思いますが、所々に出てくる文にハッとさせられます。 これから読む「門」が楽しみ。

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2009/10/04

「あなたはよっぽど意気地の無い人なんですね」 現実(行動)と理想とのギャップ。 ストレイシープ… 人は正しい方向に動くばかりではない。 恋しているのに動けない男。 好きな男がいるのに他の男と結婚する女。 師匠を担ぎ出すため学内活動をする輩。 人間皆カオス。 人間の集まりの...

「あなたはよっぽど意気地の無い人なんですね」 現実(行動)と理想とのギャップ。 ストレイシープ… 人は正しい方向に動くばかりではない。 恋しているのに動けない男。 好きな男がいるのに他の男と結婚する女。 師匠を担ぎ出すため学内活動をする輩。 人間皆カオス。 人間の集まりの世の中もカオス。 個人的に村上春樹の『ノルウェイの森』との相性がばっちりだった。 ☆4つ。

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2009/10/04

面白くて心あらわれる小説を求めて中学時代のバイブル(はいいすぎか。。)を再読。 タグとしてはこんな感じかなあ。 ・まじめ・誠実 ハムテル ・ユーモア ・へたれラヴ ・青春・大学生活 ・男子 ・片恋 まじめとか誠実とかっていうのは、この日本語に起因してるのであって、それって今の基...

面白くて心あらわれる小説を求めて中学時代のバイブル(はいいすぎか。。)を再読。 タグとしてはこんな感じかなあ。 ・まじめ・誠実 ハムテル ・ユーモア ・へたれラヴ ・青春・大学生活 ・男子 ・片恋 まじめとか誠実とかっていうのは、この日本語に起因してるのであって、それって今の基準で判断していいのかなあという感じがする。今の基準で読むと三四郎はまじめそうだけど、これが書かれた時代に読んだらどうかな?と思う。まじめかもしれないけど、その度合いというか。。 かっちりしすぎてていいなあ、と思うところは、別に当時は普通だったかもしれない。難しい。 例えば四本の棒の上に板をはったもの、という椅子の描写とかギャグなのか前衛なのかよくわからない。おもしろい。 三四郎はへたれっぷりがかわいい。熱出しちゃうところ萌え。 与次郎は魅力的。誰よりよじろうが書き込まれている印象を受けた。愛かな〜。 男子間の友情具合とか、あと大学への身の入れ方(すげーゆるゆる)とか、青春味わえる。 切実なのは恋の部分か。 三四郎はへたれだがまっすぐでえらい。「苦悶をとるために一足わきへのくことは夢にも案じえない。」 人から縁談聞いた後もきちんと会って決着つけるとことか、偉いなあ。しっかりしてますよ。九州男児。 昔読んだときはうじうじしてんなーと思ったけど、そればっかでもない。 あと広田先生の夢の話だけが妙に浮いている。すごいいい。 醒めてるけど隙間からでざるをえない切実さ、それをかくしたいのか大サービスユーモア、とかですか。 ああ、結局素敵でした。

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2020/07/15

「私?」美禰子がまた言った。 三四郎が美禰子を知ってから、美禰子はかつて、長い言葉を使ったことがない。たいていの応対は一句か二句で済ましている。しかもはなはだ簡単なものにすぎない。それでいて、三四郎の耳には一種の深い響を与える。ほとんど他の人からは、聞きうることのできない色が出る...

「私?」美禰子がまた言った。 三四郎が美禰子を知ってから、美禰子はかつて、長い言葉を使ったことがない。たいていの応対は一句か二句で済ましている。しかもはなはだ簡単なものにすぎない。それでいて、三四郎の耳には一種の深い響を与える。ほとんど他の人からは、聞きうることのできない色が出る。三四郎はそれに敬服した。それを不思議がった。(p.260)

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