High and dry はつ恋 の商品レビュー
270515読了。よしもとばななの作品の中でも文章の表現が柔らかくて繊細で、すきだなと思う。14歳の少女がはつ恋を通して成長していく物語だけれど、相手との精神的な繋がりしかないところが邪心みたいなものを感じなくて、すごく安心した。物語だからこそ成立するんだろうな。よかった。
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不安定で心許なくて、そんな時にハッとするほどすきになる、というのは奇跡みたいだ。 思春期の女の子が主人公だけれど、思春期だから不安定で心許ないわけじゃない。 大人のはずで自立してるはずのキュウくんも、お母さんも、みんなホントは、かさぶたや傷や抱えきれない思いがある。 よしもと...
不安定で心許なくて、そんな時にハッとするほどすきになる、というのは奇跡みたいだ。 思春期の女の子が主人公だけれど、思春期だから不安定で心許ないわけじゃない。 大人のはずで自立してるはずのキュウくんも、お母さんも、みんなホントは、かさぶたや傷や抱えきれない思いがある。 よしもとばななさんの言葉は水みたい。 心の柔くて渇いたところに、ぐんぐん潤って満たされていくのがわかる。 こんな世界あるわけないよ、って人に言いたい。 こんな世界こそ、ホントなんだよね、って。
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すごく深く、じっくり、ゆっくりと恋をしているなあと思った。主人公とキュウくんの話はいつも深いところで会話をしていて、ましてや主人公の夕子ちゃんは中学生なのに本当に落ち着いていて大人だなあと思った。 ばななさんの作品は〜だったり、とたくさん例をあげてるから想像がしやすいです。 ...
すごく深く、じっくり、ゆっくりと恋をしているなあと思った。主人公とキュウくんの話はいつも深いところで会話をしていて、ましてや主人公の夕子ちゃんは中学生なのに本当に落ち着いていて大人だなあと思った。 ばななさんの作品は〜だったり、とたくさん例をあげてるから想像がしやすいです。 途中途中にカラフルでかわいいイラストもあってこころがぽかぽかします。 読んでいて、心地よい気分になります。
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明るくなった電球がお父さんの顔をぱっと照らす瞬間には・・・人の得意なことの頼もしさが、いつでも家族を包んだ。お父さんの顔は迷いがない感じで、誇らしげで、そして私たちのことがとても好きで、私たちの役にたてることが嬉しい、そういうふうだった。
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この人のお話や文章が好きだなぁ と思った本でした。 最後スッキリしない終わり方も このおはなしのよさなのかなぁと 思いました。
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内容は可愛らしくあたたか。 人物のこころ、場面の描写がきれいな、ていねいな言葉で表現されています。 言葉がキラキラしていて、何度も読みたくなる物語です。
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14歳の夕子ちゃんが、20代後半らしき絵画教室の先生であるキュウくんに恋をする話。 なんとも大人っぽい14歳だと思った。 それでいて、14歳らしい瑞々しい感性も持っている。 そんな夕子に対してキュウくんは、夕子視点で語られているせいもあるかもしれないけど、子供っぽい印象を受けたが...
14歳の夕子ちゃんが、20代後半らしき絵画教室の先生であるキュウくんに恋をする話。 なんとも大人っぽい14歳だと思った。 それでいて、14歳らしい瑞々しい感性も持っている。 そんな夕子に対してキュウくんは、夕子視点で語られているせいもあるかもしれないけど、子供っぽい印象を受けたが、それでないと14歳と20代後半の青年の恋愛なんて成立しないのかもしれない。 後書きにもあるけれど、14歳という未成熟な年代だからこそ成立する、清い恋愛がぎゅっと詰まっていた。
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14歳の主人公夕子と、20代後半のキュウくんの物語。 はじめは夕子さんの片思いだったのが、少しずつ二人の心が通っていく。 年の差とかそういった枠を飛び越えて、人間同士の心のつながりとか、ふれあいってこういうことなのかもしれないと思いながら読みました。 以下、印象的なことばの引用...
14歳の主人公夕子と、20代後半のキュウくんの物語。 はじめは夕子さんの片思いだったのが、少しずつ二人の心が通っていく。 年の差とかそういった枠を飛び越えて、人間同士の心のつながりとか、ふれあいってこういうことなのかもしれないと思いながら読みました。 以下、印象的なことばの引用。 「この冬は一回しかないから、あまりたくさん気持ちを言葉に移しかえてしゃべりたくない、そういう気持ちだった。しゃべるとどんどん消えてしまうものと、増えていくものがある気がする。こういうのは、減っていく類のことだった。」
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塾の先生を好きになるってとても生々しくていやなかんじがするけど、そういうんじゃない。 夕子は身の回りをそのままに愛そうとしていて、夕子母も自分のままに生きようとする 自分のままであることは薄情とは違うけど、とにかく行き違うことが多いから、なるべくできることを、素直に伝えたい 薄い...
塾の先生を好きになるってとても生々しくていやなかんじがするけど、そういうんじゃない。 夕子は身の回りをそのままに愛そうとしていて、夕子母も自分のままに生きようとする 自分のままであることは薄情とは違うけど、とにかく行き違うことが多いから、なるべくできることを、素直に伝えたい 薄い膜を剥がすように変化する姿はとても色鮮やかなんだろう キュウくんは大人で子供で素直でガードが固くて、外側で生きようとしてたけど、夕子と話すことで内側も外に向かって使うようになった 肉欲とプラトニックってほんと陳腐な対比だけれど、狭いルールのなかで触れあうっていうプラトニックは不便だけど言葉を尽くして伝えたい、とおもうことになるのかも 肉で安心するとこもあるかもしれないけど、それを使わないけど大人と二人で主観と客観で交互に確認しあっている 一生のうちに奇跡が一回もない、なんてことはない おとなりでもきっと起きてることなのだ
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登場人物の絶妙な人間同士の距離の取り方は、非常に理想的だった。14歳の少女は、その中で、社会という名の胎内で、ゆったり育ってゆく。
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