小さい“つ"が消えた日 の商品レビュー
絵本、児童書と侮るなかれ……不覚にも電車でうるっとしてしまったではないか。この日本語のひらがなのお話を外国の方が書いたというのが、またすごい。イラストもかわいいです。
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(No.13-44) 児童書です。童話かな。 『五十音村の住人たちは一人ひとり皆違う性格。いつ頃始まったのか分からないけれど、毎晩人間たちが寝付いた頃に、村では宴会が開かれる。 ある夏の夜の宴会で。「あ」さんがいつものように自分が一番偉いという自慢話。 その夜は大勢の文字さんた...
(No.13-44) 児童書です。童話かな。 『五十音村の住人たちは一人ひとり皆違う性格。いつ頃始まったのか分からないけれど、毎晩人間たちが寝付いた頃に、村では宴会が開かれる。 ある夏の夜の宴会で。「あ」さんがいつものように自分が一番偉いという自慢話。 その夜は大勢の文字さんたちが、そんなことはない自分が一番と反論を始めて大騒ぎ。いよいよ本格的な喧嘩になりそうなとき誰かが叫んだ。 「誰が一番えらいかは分からないけど、だれが一番偉くないかは知ってる。小さい つ さ。音を出さないなんてそんなの文字でもなんでもないさ」 とっても悲しくなった小さい つ は一晩中眠れなかった。そしてついに置手紙を置いて家を出てしまう。〈僕はあまり大切ではないので、消えることにしました。さようなら〉』 小さい つ とは詰まる音、促音のことです。音が詰まるけれど発音はしないのでばかにされてしまったのです。 そんな文字は要らないんじゃないか?と つ が仕事をしなくなったら人間の世界では大混乱が起きました。 小さい、役に立たない、と思われた存在でもとても大切な役割を負っているのですというメッセージを、さして教訓的でなく、言葉遊びをしながら語っている物語です。 私がこれを読みたくなったのは、著者がドイツ人だと知って驚いたからです。日本人ならこの題材で本を書いても驚きません。 ドイツ人の著者は20歳の時に来日し、上智大学で日本語を学びました。その後ケンブリッジ大学、ハーバード大学、東京大学、で学び、ドイツ語・日本語の他、英語・フランス語・イタリア語が堪能だそうです。ほえ~!って感じ。 ヨーロッパ言語はラテン語が元なのでお互い共通点があるので、ドイツ語と英語などは他言語でもネイティブのように使える人は多いようです。 日本語と韓国語等アジア圏同士の言葉も、お互い学びやすい言語らしい。 ヨーロッパの人が母国語でない日本語で本を書くのは、並大抵のことではないでしょう。 しかも日本語の言葉遊びがたくさん入っているのですから。著者もこれに一番苦労したと書いています。 絵を描いたトルステンさんは本職は生物学者で、日本伝統の木版画に関心が高い方だそうです。個性的な文字さんたちが大勢登場しますよ。 子供はそのままこの本を楽しめますし、大人だったら著者の背景まで含めて興味深く読めます。
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短くてかわいい絵付きの絵本ですぐよみおわった☆ 短い中にぎゅっと大切な内容がつまったお話だった!よみおわったあとなんだか心が温かくなる感じ。 どんなものも大切で意味があるんだょってこと、違ってもいいってこと、 何でもなくなってから大切さに気づく、胸に響いた。 凄いのがこれを書...
短くてかわいい絵付きの絵本ですぐよみおわった☆ 短い中にぎゅっと大切な内容がつまったお話だった!よみおわったあとなんだか心が温かくなる感じ。 どんなものも大切で意味があるんだょってこと、違ってもいいってこと、 何でもなくなってから大切さに気づく、胸に響いた。 凄いのがこれを書いたのがドイツ人だって事! 着眼点が面白い! 自分が日本語を勉強してる時に‘’っ‘’の発音が難しかったのが、本が生まれるきっかけになったとも。 作者もいってたけど、‘’っ‘’がないと困る言葉を見つけるの難しかっただろぅなぁ! 自分の子供にも読ませたい本♪
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印刷所のおじいさんが語るお話。 それは、50音村の言葉たちの話。 ある日、50音村で「『小さいつ』はいらない、音が無いから必要のない、取るに足らないものだ」という話になりました。「小さいつ」はそれに落ち込んで、家出してしまうのです。 「小さいつ」がなくなるとどんなに大変なこと...
印刷所のおじいさんが語るお話。 それは、50音村の言葉たちの話。 ある日、50音村で「『小さいつ』はいらない、音が無いから必要のない、取るに足らないものだ」という話になりました。「小さいつ」はそれに落ち込んで、家出してしまうのです。 「小さいつ」がなくなるとどんなに大変なことになるのか、ちいさんモノにも価値があること、言葉の面白さなど、色々と考えさせられます。 心が温まる可愛らしいお話です。
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うちの奥さんが借りてきた本を読んでみました。 どちらかというと、こども向けといった作品です。 音と文字は違うぞなどとツッコミどころはあるものの、何がすごいって、日本語の話なのに著者は海外の方なんです。 なんだか少し嬉しくなりました。
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文字たちが魂を持つ世界、その中で小さい“つ”、すなわち「促音」を主役にし、それが消えてしまった世の中を描くことで、普遍的でシンプルなテーマを印象深く心に残す作品。 ともかく、世界観が素晴らしい。これに似た世界観は、ワシも考えたことがあるし、ということは多くの人も想像したことがあ...
文字たちが魂を持つ世界、その中で小さい“つ”、すなわち「促音」を主役にし、それが消えてしまった世の中を描くことで、普遍的でシンプルなテーマを印象深く心に残す作品。 ともかく、世界観が素晴らしい。これに似た世界観は、ワシも考えたことがあるし、ということは多くの人も想像したことがあると思うんですが、それをきちんと文字で表現しているのが素晴らしい。 ただ、いじめられている子に読ませたい、という感想が多く見受けられますが、確かにこれで心持ちが変わる子もいるでしょうけど、それって大人目線の都合の良い解釈な気がします。子供たちは、本作を読んでも、自分を取り巻く問題が解決しないであろうことがすぐ分かりますから。 むしろワシは、人生の指標を求め損ねているモラトリアムな方々に読んで欲しいと思いました。別に本作を読んで指標が見えるわけじゃありませんが、ひとりひとりの役割は小さくても、皆が繋がって世の中が成り立ってるってことは分かるんじゃないかと思います。 (2007年読了)
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50音順の中で一番価値がないといわれていた「っ」がいなくなると(使えなくなると)、言葉がおかしくなったしまった。 50音順をそれぞれのキャラクターにしており、価値がないことばはないよ、というメッセージと「人間みんな大切」というメッセージが伝わってくる。
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《僕はあまり大切ではないので、 消えることにしました。さようなら》 魂をもつ文字たちが暮らす村。 音を表さない“っ”は、 文字としての価値がないと笑われ、 必要ないなら…と村を飛び出してしまう。 五十音村のファンシーと、 東京の街のリアリティが交錯し、 ...
《僕はあまり大切ではないので、 消えることにしました。さようなら》 魂をもつ文字たちが暮らす村。 音を表さない“っ”は、 文字としての価値がないと笑われ、 必要ないなら…と村を飛び出してしまう。 五十音村のファンシーと、 東京の街のリアリティが交錯し、 読み手の視点をいったりきたりさせて、 何だか疲れるお話だった。 一番 伝えたいこと以外を、 たくさん詰め込みすぎていて、 よくも わるくも、 噛むたびに違う味がする。 ひらがなを学びはじめた子ども向けに、 大人向け要素を削ぎ落とした、 五十音村メインのバージョンがあるといいかも?
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図書館で出会った本です 題名に惹かれました、それから読んでみると 優しく暖かく可愛らしい絵、文章。 もし、小さい“つ”が使えなくなったら どうなってしまうでしょうか。 実際に起こったら・・・なんて想像してみたら 案外小さな事件のようだけどすっごく大きいもので。 ...
図書館で出会った本です 題名に惹かれました、それから読んでみると 優しく暖かく可愛らしい絵、文章。 もし、小さい“つ”が使えなくなったら どうなってしまうでしょうか。 実際に起こったら・・・なんて想像してみたら 案外小さな事件のようだけどすっごく大きいもので。 ひらがなの一文字一文字をキャラクターに変えて 物語を思いつくなんて作者さんは凄いなっと思いました。 良かったら手にとってみて下さい。
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小さい「っ」の家でのシーンは泣けちゃった。 誰にでも、どんなモノにも必要だから存在するんだよね。 「あ」は自慢好きのおじさん。 明るくて人気の「はひふへほ」五人組。 一番い謙虚な「ん」さん。 文字の性格特徴が捕らえられてて素敵☆ 日本人じゃないからこそ気づけたのかな。 将来子...
小さい「っ」の家でのシーンは泣けちゃった。 誰にでも、どんなモノにも必要だから存在するんだよね。 「あ」は自慢好きのおじさん。 明るくて人気の「はひふへほ」五人組。 一番い謙虚な「ん」さん。 文字の性格特徴が捕らえられてて素敵☆ 日本人じゃないからこそ気づけたのかな。 将来子供にも読ませてあげたい。
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