物語の役割 の商品レビュー
人間の「世界」は、脳みその中にある。「世界」は「物語」によっていくらでも変われる。人間は「物語」を作ることで、受け入れがたい現実を受け入れて生きる、という。 本=他人の「物語」を読むことは、他人の物語に出会うためより、自分一人では作れない自分の物語を作るためなのかもしれない。本は...
人間の「世界」は、脳みその中にある。「世界」は「物語」によっていくらでも変われる。人間は「物語」を作ることで、受け入れがたい現実を受け入れて生きる、という。 本=他人の「物語」を読むことは、他人の物語に出会うためより、自分一人では作れない自分の物語を作るためなのかもしれない。本は、傷ついてなお物語のない人に物語を与える。
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物語を書くという行為について教えていただいた気分になりつつ、その一方で、常々考えていた色々なことの答え合わせができた気分にもなった。
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小川洋子さんが、自分が小説を書くときの情景や心情を語ったことをまとめた本。 創作の過程で大きなものに対面し、バク然とした畏れや不安を抱いて立ちすくんでしまう、その気持ちは共感できます。 テーマは最初から存在せず、言葉は常にあとから遅れてやってくる感触です。 小川さんの感性にふれ...
小川洋子さんが、自分が小説を書くときの情景や心情を語ったことをまとめた本。 創作の過程で大きなものに対面し、バク然とした畏れや不安を抱いて立ちすくんでしまう、その気持ちは共感できます。 テーマは最初から存在せず、言葉は常にあとから遅れてやってくる感触です。 小川さんの感性にふれ、自分も感性豊になる間隔を覚えた。
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3年前に出た新書だが『原稿零枚日記』と併読したのでとても興味深く読めた。どのように書くか、なぜ書くかを語った本。 読書のすばらしさについて「自分が自分であるための大切な証明」と前書きで述べている
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読みやすい本。 「小説というのは言葉で書いてあるのに、言葉にできない感動を与えなければならない不思議なものです。」 この文が、もっとも記憶に残っている。 もっと本を読んで、言葉にできない感情を味わいたい と思った。
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とても読みやすい本だった。 『博士の愛した数式』はDVDで見ていたのだが、原作をこの方が書いていたとは知らなかった。 この本に出てくる本を事前に読んでいたら、内容にもっと共感できたのではないかと思った。 (本の概要は説明してくれているのだが)
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図:友人から薦められて読んだ1冊。優しい気分。 内容(「BOOK」データベースより) 私たちは日々受け入れられない現実を、自分の心の形に合うように転換している。誰もが作り出し、必要としている物語を、言葉で表現していくことの喜びを伝える。
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(2008.12.27読了) 小説家、小川洋子の講演集です。3回分の講演が収められています。 「物語の役割」「物語が生まれる現場」「物語と私」の3つです。 本にする気はなかったのだそうですが、「本書を手に取ってくださった方が、改めて物語の魅力を確認し、物語の役割に目覚め、ああ、本...
(2008.12.27読了) 小説家、小川洋子の講演集です。3回分の講演が収められています。 「物語の役割」「物語が生まれる現場」「物語と私」の3つです。 本にする気はなかったのだそうですが、「本書を手に取ってくださった方が、改めて物語の魅力を確認し、物語の役割に目覚め、ああ、本を読むことはなんと素晴らしいことであろうか、と思ってくれたら、との願い」からだそうです。 ●異星人が本を読んでいる人間を見たら(8頁) 小さな箱型の紙の束を手に、ただじっと座っているだけで、あるいは寝転がっているだけで、時折、一枚紙がめくられる以外変化はなく、ただ静かに時間が過ぎてゆく。いくら辛抱強く待っていても、何か新しい製品が生み出されるわけでもない。いったい何の得があって人間たちはこんな地味な営みをしているのか? ●誰でも物語を作っている(22頁) 自分が小説を書き続けてきて最近思うのは、物語は本を開いたときに、その本のなかだけにあるのではなく、日常生活の中、人生のなかにいくらでもあるんじゃないかということです。たとえば、非常に受け入れがたい困難な現実にぶつかったとき、人間はほとんど無意識のうちに自分の心の形にあうようにその現実をいろいろ変形させ、どうにかしてその現実を受け入れようとする。もうそこで一つの物語を作っているわけです。 (人間は、決して客観視はできないということを言っているようにも思えます。人間の本質を突いている気がします。) いくつかの作品を例にしながら、小川さんの物語製作の方法も語られています。 小川さんが成長する中で、印象に残っている本を三冊あげています。 「ファーブル昆虫記」「トムは真夜中の庭で」「アンネの日記」です。 (また、読む本が増えてしまった。) ある種の読書入門書というところでしょうか? (2009年1月14日・記)
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2010.03.18. 講演会の再録ということで、読みやすかった。ホロコースト文学、というジャンルがあることを初めて知る。第2章でふれられていた、小川さんの中で物語が生まれていく瞬間、過程というのがとても興味深い。前にどこかのエッセイで、登場人物の家の間取りを書くというのを読んだ...
2010.03.18. 講演会の再録ということで、読みやすかった。ホロコースト文学、というジャンルがあることを初めて知る。第2章でふれられていた、小川さんの中で物語が生まれていく瞬間、過程というのがとても興味深い。前にどこかのエッセイで、登場人物の家の間取りを書くというのを読んだ時もおもしろいなあとは思ったけれど。 2010.03.08. 夢さんに薦めていただいたのを思い出して。小川さんの本で未読のものがあったとは。この、ちくまプリマー新書というのは、中高生向けに作られたらしいけど、なかなか興味深いラインナップ。
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請求記号:901オ 資料番号:020168035 装丁:クラフト・エヴィング商會
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