魂萌え！(上) の商品レビュー

桐野夏生【著】

2009/10/04

夫が突然亡くなってしまった妻の戸惑いと不安。愛人が現れたり、息子・娘との遺産相続による揉め事。自分の今後に置き換えて考えさせられました。
「妻」「母」だけじゃなく「女」として最後までどう生きていくのか！これらの自分への課題にします。

2009/10/04

何この設定！
老後、夫が突然死んで悲しみにくれてたら、
夫が浮気してたことが発覚。
夫の遺産相続をめぐって実の子供と争う。
友達がアルツハイマー。
だなんて！
あたしは明るい老後夢見てるのに…！！
続きが楽しみ♪

2009/10/04

この「魂萌え！」は、昨年末にＮＨＫの夜ドラでドラマ化され、結構面白かった。

主演は金八先生の保健の先生役で有名になった高畑淳子だった。

夫は生真面目で、浮気のかけらも見当たらなかった。

しかし、突然の死から事態は大きく動いてゆく。

夫が見知らぬ女性に５００万も渡していた事実・・。

息子と娘から老人扱いを受け、財産分与を要求される・・。

女友達からのおせっかいの数々・・。

敏子のアイデンティは悲鳴を上げ、数々の行動を起こしていく。

カプセルホテルへのプチ家出。夫の知り合いとの恋のときめき・・。

やがて敏子は、ようやく還暦目前になり自分自身を取り戻していくのだ。

2009/10/04

自分の母親にあてはまりそうな、ごく普通な主婦の話だった。自分がもし息子や娘の立場にたったとき、母親に対してどのように接するのだろうか。やはり自分本位になるのか。少し考えてしまった。

2009/10/04

桐野さんらしい内容だった。なんていうか、こう自分が知らなかった社会を知っていく、みたいな。それが裏社会か、ただ知らない世界か。打ちひしがれてちゃ駄目なんだって思うところ。

2009/10/04

カップルアゲイン」という言葉があるの、知ってますか？

先日新聞に何かの広告として載ってるのを目にし、

なんとなく気にかかってる言葉です。

子供が成長し、巣立って行った後

夫婦は再び二人になり、恋人にもどるっていう意味。

「カップルアゲイン」　　　なんて素敵な響きでしょう♪

お互いに燃え上がるものはあろうはずはないけれど

穏やかに、ゆったりと、信頼しあって残りの人生を歩んでいく。

いたわり合って、助け合って

年金貯金がたまったら、旅行でもして・・・・

でも、さあこれから♪と思ったときに

予告もなく相手に逝かれてしまったら、どんな寂しさがやってくるんでしょう。

想像もつきません。こわくて想像できません。

主人公敏子の場合は「カップルアゲイン」を何年か経験し

その間幸せだったかっていうと疑問があるけれど、

夫中心だった生活から一転して、自分の判断でものごとを

決めていかなければいけないということへの戸惑いが

ひしひしと感じられる。

夫の生前の裏切りを知ったり、また自分も妻子ある男性と

一夜を共にしたりと、未亡人になってからの生活は

「寂しい」と言ってるわりには事件や出会いの連続。

最終的には不満を持ちながら夫との生活をつづけているよりも

一皮むけて内面的に強い女に成長している。

私の母も６０歳のときに伴侶を亡くしている。

「おとうさんと結婚して、女として幸せだったかどうかはわからない。」

とこぼしていた母。

家族のためだけに尽くし、闘病生活が長かった父の世話のために

自分の楽しみを削っていた母。

今は「おかあさんのこの残りの人生はおとうさんからのプレゼント」

と笑って語る。

ボランティア活動、婦人会、と毎日めまぐるしく動いて

忙しそうだけど、楽ししそう。

(やっぱり人のために動いてるんだけどね)

かなり頼もしい７０歳です。かっこいいと思う。

・・・・でもやっぱり私は「カップルアゲイン」でのんびり♪がいいな。2005.10.15