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燃えよ剣(下) の商品レビュー

4.4

552件のお客様レビュー

  1. 5つ

    296

  2. 4つ

    146

  3. 3つ

    67

  4. 2つ

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2023/10/06

新撰組崩壊から、土方の死まで。 土方は組織がいくら変化しようとやることは変えなかった。 ただ戦術はしっかり様式に変更する臨機応変さ。 大事なとこはぶれずそれ以外の要素は切り捨て、臨機応変に対応する。 それは周囲の人間が変わっても同じで、中々普通の人間ならできる芸当ではない。...

新撰組崩壊から、土方の死まで。 土方は組織がいくら変化しようとやることは変えなかった。 ただ戦術はしっかり様式に変更する臨機応変さ。 大事なとこはぶれずそれ以外の要素は切り捨て、臨機応変に対応する。 それは周囲の人間が変わっても同じで、中々普通の人間ならできる芸当ではない。 また土方の考えも固定観念ではあるが美学がある、 隊長が自分に不安や悩みを相談したら、組織は崩壊する。 一生とは美しさを飾るためのもの。 今、後ろを向いたら今までの自分の行為を否定することになる。 (芹沢、山南、伊藤を切った行為の正当性を守るためにも) 戦闘においては率先垂範で常に前に立ち道を示す。 戦闘の大義は、目の前の敵を討つのみ。 函館の政府がどうとか何も考えていなかっただろう。 ただ一点、函館の民からの献金を止めたのは、おそらく土方の美学から外れた行為であったからのだろう。 最後も唯一土方のみ戦死と、結果だけ見たら彼らしいと評価せざるをいなく、美しい最後だったと感じた。 ここには正しさがない。乱世では正解がない。薩長が正解とは思わないし、 慶喜の腰の軽さも大義がある。 これは現代でも言える。当時の人間が皆美しく映るのは、皆他人関係なく大義があるから、間違いという概念がないから。 つまりは現代においてもその根幹は変わらずに進むべきである。 燃えよ剣。土方の命は刀。 人生を燃やし尽くした男の一生は儚くも美しさが眩しい炎であった。

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2023/10/04

新選組の躍進から、沖田の病、近藤の死、土方の活躍から死までを劇的に描写されている。 もし、沖田総司が病にならずに健在であれば今なお江戸幕府であったかもしれないと感じさせる。また、近藤、土方、沖田の三人でなければ新選組なりえなかったと思う。土方にフォーカスした作品なだけあり、好き...

新選組の躍進から、沖田の病、近藤の死、土方の活躍から死までを劇的に描写されている。 もし、沖田総司が病にならずに健在であれば今なお江戸幕府であったかもしれないと感じさせる。また、近藤、土方、沖田の三人でなければ新選組なりえなかったと思う。土方にフォーカスした作品なだけあり、好きになった。 読み続けられていることに納得。

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2023/09/02

#司馬遼太郎 の時代劇小説下巻。 下巻は、鳥羽伏見から五稜郭という新選組の失速後の話で、土方歳三の死までが描かれる。 最後まで新選組として戦い続けるのは単純にカッコイイ。 時代の流れに乗ることも必要だが、自分の軸はブレてはいけない。 @BizHack1 #燃えよ剣下巻 ht...

#司馬遼太郎 の時代劇小説下巻。 下巻は、鳥羽伏見から五稜郭という新選組の失速後の話で、土方歳三の死までが描かれる。 最後まで新選組として戦い続けるのは単純にカッコイイ。 時代の流れに乗ることも必要だが、自分の軸はブレてはいけない。 @BizHack1 #燃えよ剣下巻 https://amzn.to/44pu4JB 2023/09/02

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2023/09/01

鳥羽伏見以降は意地のみで流れに竿刺していく。 「俺は、永い喧嘩相手だった薩長に降れるか」 この一言が全てである。 お雪さんとのほんのひと時の穏やかな時間。その中でも何処かに死の影がある。 五稜郭の最期に於いてもその意地と命は鮮明である。新選組副長土方歳三義豊 死に様までも男の鏡だ...

鳥羽伏見以降は意地のみで流れに竿刺していく。 「俺は、永い喧嘩相手だった薩長に降れるか」 この一言が全てである。 お雪さんとのほんのひと時の穏やかな時間。その中でも何処かに死の影がある。 五稜郭の最期に於いてもその意地と命は鮮明である。新選組副長土方歳三義豊 死に様までも男の鏡だ。

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2023/08/16

2023.8.16 38 改めて新選組について知られた。土方歳三の生き方。男に生まれたからには、その性分を全うせよ。かっこよかった。 人として何をするか、何ができるか。自分のこもを知り、それが周りや後世になんと言われようと、生き抜く。

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2023/07/27

【上下巻を通しての感想】 司馬遼太郎氏は、こんな熱い漢(おとこ)達を書くんだとは、全く知らなかった。良い意味で裏切られた。僕はもっと史実に則って、淡々と物語を書く作家だと勘違いしていた。司馬氏は、今作を読んでよく分かったのだが、実は結構フィクション要素が多い。それこそ上巻に出てき...

【上下巻を通しての感想】 司馬遼太郎氏は、こんな熱い漢(おとこ)達を書くんだとは、全く知らなかった。良い意味で裏切られた。僕はもっと史実に則って、淡々と物語を書く作家だと勘違いしていた。司馬氏は、今作を読んでよく分かったのだが、実は結構フィクション要素が多い。それこそ上巻に出てきた宿敵である、七里研之助は完全に司馬氏によって創られた人物であるし、歳三の恋人の雪も実は想像上の人物だ。 なので、史実に則った物語しか読みたくない、あるいは、フィクション要素が少ないストーリーでないと没入出来ないという方には、恐らく向いていない作品だと思う。ただ、もしそういう拘りがそこまで強くない方には、是非読んで欲しい作品だ。 なぜなら、それこそ上記で書いた七里研之助は、強烈なライバルであると共に、運命の糸で土方と結ばれているように司馬氏は描いている。また、本来ぞっとするほど冷徹で鬼と言われた土方に、恋人の雪がいることにより、感情移入してしまうし、それこそ土方の唯一の心の支えになってくれている。そう、この作品を名作たらしめている大きな理由が、司馬遼太郎氏が創作した人物達なんだと僕は感じた。なので司馬遼太郎氏は、歴史家ではなく、まごうことなき小説家なんだと今作を読んで強く思った。 自分の思いを先に書いてしまったが、あらすじを書くと以下となる。 この物語は、一言で言うと、新選組副長、土方歳三の生涯を描き切った小説だ。そういう意味でいうと、かなり単純明快な物語である。武州石田村(現在の東京都日野市)の百姓の息子に生まれた土方歳三が、剣一本の素養だけを頼りに、幕末の動乱期を文字通り走り抜いた一代記だ。喧嘩ばかりに明け暮れた青年期。京都で新選組を立ち上げ、その名を全国に轟かせ、ある意味栄華を誇った京都時代。そして戊辰戦争後、各地で戦うも、徐々に北へ北へと追い詰められ、函館五稜郭まで追い詰められていく…。 今作は上巻の感想にも書いたが、それぞれの主要人物である3人が、被ることなくとても良い味を出している。 局長の近藤勇は、出世欲が非常に強く、上昇志向が誰よりも強い。また、政治思想が強くなるにつれ、徐々に新選組の方向性が変わっていく。土方は、基本的に人間的な感情がかなり薄く、言葉数も非常に少ない。また規律を破った隊士への仕打ちは、それこそ鬼そのものだ。ただそんな土方を、どんな時も理解者として味方になってくれる沖田総司。また土方が下手な俳句を読んだ時に見せる沖田のお茶目な態度が、作品に温かみを与えてくれる。そう、3人のバランスが絶妙なんだ。 ただ殺伐と敵を斬っていくだけの作品なら、ここまで国民的人気を得なかった筈だ。主要キャラクターにそれぞれ感情移入しやすい様、敢えて欠点を描いているところが、作品により没入させてくれる。そこに僕は司馬遼太郎氏の上手さを感じた。 また作品が終盤に近づくにつれ作者である司馬遼太郎氏は、この作品を通じて読者に何を伝えたかったのだろう?と感じてしまう。 それは、上巻の人物エピソードにも書いたが、司馬氏が自身の作品で、好きな作品は?と問われ、空海(恐らく「空海の風景」)と、今作「燃えよ剣」と答えている。司馬氏は、世にかなり沢山の作品を送り出している。それこそ、長編小説44作品、短編小説156作品、エッセイに至っては1,500編を超えるという。そこまでの作品数を書いた中で、今作を好きだという。なにかよっぽど、読者に訴えかけたいことがあった筈だ。 そのことを意識しながら、今作を読むも明確にこれだと分からなかった。例えば「男のロマン」とか、「志を強く持て」とかかな?とも思ったが、なんか違う気がする。作中で土方の考え方や近藤の想いに触れるも、現代に生きる自分には理解しにくい意見や思想がたまにある。それを理解するためには、たぶん司馬氏の小説を多数読むより、幕末や明治維新の頃の思想書を読む方が早いのかなと思った。 なので、今作を読みながら幕末や明治の頃の思想書で探していると、良い本を見つけた。新渡戸稲造氏の「武士道」だ。恥ずかしながらこの本、武士の心得を書いた本だとばかり思っていた。実はそうではなく当時生きた新渡戸稲造氏が、西洋人向けに日本人はこんな道徳感を持って生きているとか、日本人の倫理観を西洋人に伝えるために書いた思想書だ。その想いを知ってしまうと、積読本を後回しにしてでも、どうしても読みたくなってしまった。なので次は、「武士道」を読みます!

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2023/07/10

結末はわかってはいたけど悲しい…。 上巻まであんまりのめり込んで読んではなかったけど、お雪と総司とのやりとりが増えてきたあたりから急激に歳が好きになって、最後はほんとに悲しかった。 正義を貫くとかじゃなくて、ほんとに自分のポリシーだけを貫いた感じがかっこいい。

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2023/05/25

戦いこそ生きる意味としてひたすら戦場に飛び込んでいく下巻。 鬼のように戦う姿と、仲間やお雪を想う人間としての部分が対照的に描かれているところに引き込まれる。 土方の態度がどこか達観しているのもあって読んでいくうちに自然と土方と同じ目線で時代を見ることができたような気がする。

Posted byブクログ

2023/05/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「時勢などは問題ではない。勝敗も論外である。男は、自分が考えている美しさのために殉ずべきだ」 近藤勇との決別時のこの言葉に、土方歳三の生き様が詰まっていました。 何かを成し遂げるための犠牲、その罪悪感が方針転換の足枷となることは誰しもあると思います。 土方歳三は新選組を作り上げましたが、その過程で犠牲としたのは命。その重さは現代に生きる私には想像できません。最後まで自信の理想に生きた姿は圧巻でした。 土方歳三自身が「おれの名は、悪名として残る。やりすぎた者の名は、すべて悪名として人々のなかに生きるものだ」と回想した場面がありましたが、むしろ武士として信念を貫いたかっこよさが現代まで伝わっていて、もう本当にカッコいい、、、。 「誠」の羽織を着て「御用改めである!」といって敵を取り締まる組織が新選組で、その中の鬼の副長と言われているのが土方歳三だよね、、というかすっかすな理解しかなかった自分が恥ずかしいです。幕末が舞台の他の小説も読みます。 また、お雪の存在によって土方歳三の鬼の副長ではない部分が垣間見え、より一層引き込まれました。 読んで良かったです。

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2023/04/27

2023/04/26読了。 司馬遼太郎がまとめた、土方歳三の生涯を描いた本である。 下巻では、関東でのいくつかの争いから、五稜郭までを描いている。 最後は経験不足な他のメンバーとのコントラストで、経験が圧倒的な土方歳三が勝ち上がっていくものの、結果全体として敗北を喫する形にな...

2023/04/26読了。 司馬遼太郎がまとめた、土方歳三の生涯を描いた本である。 下巻では、関東でのいくつかの争いから、五稜郭までを描いている。 最後は経験不足な他のメンバーとのコントラストで、経験が圧倒的な土方歳三が勝ち上がっていくものの、結果全体として敗北を喫する形になる。 他の士官は降伏して新政府にも役割を持ったことを考えると、戦場に死を求めた人間との描かれ方が、より明確になっている。

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