燃えよ剣(下) の商品レビュー
テストなどで間が開いてしまって読み終わるまでに時間がかかってしまった。中学生までの私は歴史が嫌いでこの時代については単語しか知らない状態だったから、ある程度歴史を勉強していればもっと楽しめた作品だったと後悔している。今の私は将来の道など気にせずに歴史はしっかり勉強しようと若い世代...
テストなどで間が開いてしまって読み終わるまでに時間がかかってしまった。中学生までの私は歴史が嫌いでこの時代については単語しか知らない状態だったから、ある程度歴史を勉強していればもっと楽しめた作品だったと後悔している。今の私は将来の道など気にせずに歴史はしっかり勉強しようと若い世代に向かって教えるだろう。 今回は何回か泣きそうになった。まず、お雪と土方の気持ちが通じ合った時。土方さんは自分の信念は強い分、周りとは少し距離があって人間関係が不器用。だからこそ数少ない新撰組以外で、信頼し愛し合える人ができたときは、私は会ったこともないのに親の気分みたいでとても嬉しかった。 他には推しである沖田さんが死んだとき。本当に悲しかった。将来有望のはずなのに若くして死んでしまったこともショックだったし、土方さんが唯一気を許していた相手だったようにも思えるから、土方さんが1人になってしまうような気がしてそれも悲しかった。また、もう2人の掛け合いが見られなくなるということも悲しかった。また、沖田さんは近藤勇が亡くなったということを知らされずに亡くなったし、お世話をしてくれていた姉も夫の都合でもう遠くにいたから若いのに孤独なしであったから本当に泣きそうだった。自分の刀で黒猫を切ろうとして死んだらしいが、最期まで武士であったことが読み取れてさらにカッコよくて好きになった。 この時代の武士の人たちや新撰組のような幕府側にいた人たちは今までずっと頭が硬いなと思っていた。はやく降伏すればよかったのにと。でもこの時代には今ではない武士道があって自分たちの信念を貫いて生き抜いたと思うととてもかっこいいと思った。最後の五稜郭の戦いでも榎本武揚や大鳥らは降伏してしまうが、土方さんをはじめとする人たちは途中で曲がることなく、進むと決めた道を行く姿に痺れた。その分お雪との別れはお互いに最期だとわかっていたのが読者にも伝わるから辛かった。 全体的にとてもよかった。またいつか知識をつけてからもう一度再読してより楽しみたいと思う。
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やはり、名作と言われる小説は余韻がすごい。 上巻の希望に満ちた“バラガキ”感はなく、敗けに向かっていく歳三の雰囲気が変わっていくが、その中でも喧嘩屋や剣士の誇りを失わない姿に感動した。 あとお雪さんがかっこいい。 小説で感動したのは久々。 司馬遼太郎もっと読もう。
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鳥羽伏見、会津若松、最終の函館まで戦いを諦めず、また新たな武器や戦法も柔軟に取り入れながら戦いを継続する所にも、抜きん出た喧嘩屋の魂を感じた。戦場の描写も興味深く引き込まれる内容でした。鬼と恐れられていた前半と違い、女性との関わりや、最期の決戦前に信頼できる仲間を戦場から離脱させ...
鳥羽伏見、会津若松、最終の函館まで戦いを諦めず、また新たな武器や戦法も柔軟に取り入れながら戦いを継続する所にも、抜きん出た喧嘩屋の魂を感じた。戦場の描写も興味深く引き込まれる内容でした。鬼と恐れられていた前半と違い、女性との関わりや、最期の決戦前に信頼できる仲間を戦場から離脱させるような人間らしさが随分出てきて、後半は私にとっての好感度があがりました。
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新選組。言葉だけを知っていた。 土方歳三の真っ直ぐで不器用な生き方が、ひたすらにかっこいい。 良くも悪くも自分に嘘をつかない時代はかっこいい生き様に見える。 途中までは少しイライラ?する性格だと思っていたが、最後は人間臭さも出て一気に好きになる。
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約25年ぶりに読んだ。上下合わせるとちょっと長く感じた。 歳さんはほんとに不器用。と言うか、武士の世界ってそういうもんなんやろな。25年前はそれがかっこよかったけど、サラリーマンも20年にもなると、そんなんでは生きていけないと思える。
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なによりも、土方歳三の自分の筋を通す生き様が格好良すぎる。とても心地好い。これを読んだのは2年前だが、自身の考え方がその思想に基づいている自覚があり、人生に大きな影響を与えた一冊だと感じる。 司馬遼太郎の描く物語は史実にある程度基づいているため、すこし背伸びして読まなくてはいけな...
なによりも、土方歳三の自分の筋を通す生き様が格好良すぎる。とても心地好い。これを読んだのは2年前だが、自身の考え方がその思想に基づいている自覚があり、人生に大きな影響を与えた一冊だと感じる。 司馬遼太郎の描く物語は史実にある程度基づいているため、すこし背伸びして読まなくてはいけない所感があった。だがしかし、隊士たちの躍動や、その中で各々が持っていた志をなぞることは大きな学びであったと同時に憧れを抱かされざる負えないものだったため、背伸びした甲斐があったと振り返って思う。
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土方歳三の生涯も後半戦。物語の早い段階で鳥羽伏見の戦いが始まり新選組という形が無くなっていく様が描かれる。その後に沖田や近藤との別れ、他の仲間もいなくなるのだが、土方だけは戦いに魅せられていくように北へと向かっていく。鬼とまで恐れられた土方が人間味を出し、人を思いやっていくように...
土方歳三の生涯も後半戦。物語の早い段階で鳥羽伏見の戦いが始まり新選組という形が無くなっていく様が描かれる。その後に沖田や近藤との別れ、他の仲間もいなくなるのだが、土方だけは戦いに魅せられていくように北へと向かっていく。鬼とまで恐れられた土方が人間味を出し、人を思いやっていくようになる場面なぞは上巻との違いもあり驚いた。また新選組後期で人気のある市村鉄之助とのエピソードはこれまたグッとくる。最後の死地を求めて彷徨いながらも漢であろうとした土方に現代人は何かしら学ぶことがあるだろうか。
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「竜馬がゆく」を読む前に、「燃えよ剣」のほうが短いし、新撰組について何も知らないから読んでみよ〜と思って約半年積んでた。まさか泣くとは思わなかった。函館に行ってからは読むのが辛かった。 激推しです。歴史に疎い私でも(よくわからない所は流しながら)楽しめた。それでも文は堅いから、結構時間かかってしまった。 映像では「青天を衝け」で町田啓太が演じていた土方歳三しか見たことがなかったけど、町田啓太ピッタリ!日本人離れした顔と背の高さ。 歳かっこよかった、、何より自分に着いてきてくれた新撰組の主要メンバーを生き残らせようとする強い優しさが泣かせる。喧嘩好きって再三書かれるけど、ただの喧嘩好きだったらここまで人は着いてこないし、慕われることもなかったと思う。 お雪にだけ見せる子どもっぽいところもまた良かった。 もっと新撰組について知りたくなった。
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新撰組の栄枯盛衰の中で土方がどう生きたか、というのが描かれていた。 新撰組というのは節義の集団であり、歴史とか変転するものに従うものではない。 勝てない戦でも戦だけに生きた人にとって死に場所を求めるために戦場に向かう。 とかが印象に残った点。
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燃えよ剣」の映画を観に行って、岡田准一さん演じる土方歳三にすっかり心奪われました。 それから読み始めた「燃えよ剣」。 読んでいる間中、岡田准一の土方歳三、山田涼介の沖田総司、鈴木亮平の近藤勇、柴咲コウのお雪たちで脳内再生され、なんとも贅沢で臨場感あふれる読書体験となりました。 ...
燃えよ剣」の映画を観に行って、岡田准一さん演じる土方歳三にすっかり心奪われました。 それから読み始めた「燃えよ剣」。 読んでいる間中、岡田准一の土方歳三、山田涼介の沖田総司、鈴木亮平の近藤勇、柴咲コウのお雪たちで脳内再生され、なんとも贅沢で臨場感あふれる読書体験となりました。 時代の変わり目において、 時流に乗るか、乗れないか 広い見識、高い視点で物を見れるか。 時が過ぎて、どうすればよかったかと理解できるかもしれないし、誰だって上手に時流に乗って生きていきたい。 でも、渦中にいる時に時流に抗って信念を貫く生き方だってあっていい。 そんなふうに思います。 息子の試合応援でよくアミノバイタルフィールドに通っていましたが、この映画を観た後初めて、最寄りの西調布駅前に「近藤勇生誕の地」の案内があることに気付きました。 ああ、この辺りで近藤勇たちが過ごしていたのかとじーんときました。 函館にもぜひ行きたい。
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