進化しすぎた脳 の商品レビュー
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脳のイメージが変わる。 脳と聞くと、「コンピュータ」のような正確性と、「心」のような精神性を、漠然とイメージしていた。(双方相入れないものなのに。) 本書を読むと、正確性よりもいわば漠然性・曖昧さが脳を特徴づけていて、それは決して欠陥ではなくそれこそが人間を高尚たらしめていることがわかる。 また、心を持った人間として日々数々の判断・選択を自由意志の下で行っていると思いきや、実はそうではなく条件反射的に行なっている部分が大きいことも。意外。 そして本書を読んでなお、いや読後だからこそ残る疑問。心って結局何だろう… そういった意味でも、「これが真実!」的な語り口ではなく、まだまだ解明できていないことだらけであることを真摯に受け止めた訥々とした運びにとても好感がもてた。 知的好奇心をくすぐられる良書。
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体が脳の地図を決めていることにほえーとなった。、脳は体に指令を出すが、脳は可塑的なので例えば指が6本になれば対応する場所ができるはず。第3の〇〇的なものと接続すれば、脳は新たに対応できるんだろうなと想像する。 身体と環境をどう整えるかが自分の脳にとっても大事だといえる。 可塑性や自由意志はヘーゲルを考え直す契機。哲学は科学を踏まえて再構築されなくては
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もうだいぶ古くなってしまいましたが、デイビッド・J・リンデンの著作「脳はいい加減にできている」を評価しているということだから、これは読まねばと思い、中古本を書いました。やはり期待に違わない著作。脳は、まだまだわからないことだらけで永遠にわからないこともたくさんあるだろうということ...
もうだいぶ古くなってしまいましたが、デイビッド・J・リンデンの著作「脳はいい加減にできている」を評価しているということだから、これは読まねばと思い、中古本を書いました。やはり期待に違わない著作。脳は、まだまだわからないことだらけで永遠にわからないこともたくさんあるだろうということを匂わせつつ、当時の最新の学説をわかりやすく解説するとともに、哲学のテーマでもある「自分とは?」「意識とは?」にも積極的に解明しようとトライしてる感じがとても好印象でした。
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また読みたい。脳について知れて、 すごくおもしろかったんだけど、 何がおもしろかったのかと聞かれると答えづらい。 読んだ瞬間は、おお!ってなるんだけど、 考える事に慣れていない僕の脳みそは、 すぐに読んだ内容を忘れようとしてしまう。 しかしながら、 脳にとって忘れるということも大事な機能だとすれば、 忘れるということは恥ずかしい事ではない。 たとえ本の内容をすでに覚えていないとしても、 とにかく僕はこの本を読んだのだ、 それでいいじゃないか。
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もう一回読みたい本。今まで触れたことの内容が多かったので咀嚼できていないけれどもわかりやすく面白い。
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すごく面白かった。 まず、自分たちの見えている世界は、目から入ってきた情報を、脳が補って補って完成しているということ(目からの情報は2Dだけど、3Dに見えてるし、他もいろいろ)。他にも当たり前だと思っていたことが、実は違う仕組みで起きているということがたくさんあって、すごく勉強に...
すごく面白かった。 まず、自分たちの見えている世界は、目から入ってきた情報を、脳が補って補って完成しているということ(目からの情報は2Dだけど、3Dに見えてるし、他もいろいろ)。他にも当たり前だと思っていたことが、実は違う仕組みで起きているということがたくさんあって、すごく勉強になった。 科学的な脳についての現象だけじゃなくて、心、意識、感情ってなんだろうっていう哲学的な部分にも踏み込んでいてすごく考えさせられた。 10年以上前の講義の話なので、最前線ではないかもしれないけど、今読んでも十分に楽しい一冊でした。 情報がたっぷりすぎたので、またもう一度読んでみたいと思った。
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3年半程前に「単純な脳、複雑な『私』」を読んで以来、久しぶりに池谷さんの本に出会いました。昔読んだ本がこの本の続編だったんですね。 今回も本当に分かりやすく教えて頂きました。 「世界があってそれを見るために目が発達したのではなく、目ができたから世界が世界としてはじめて意味を持った...
3年半程前に「単純な脳、複雑な『私』」を読んで以来、久しぶりに池谷さんの本に出会いました。昔読んだ本がこの本の続編だったんですね。 今回も本当に分かりやすく教えて頂きました。 「世界があってそれを見るために目が発達したのではなく、目ができたから世界が世界としてはじめて意味を持った。」はまさに衝撃を受けました。身体に脳が制約を受けていること、脳の曖昧さの凄さ、ホント宇宙。池谷先生にまた最新の情報を分かりやすく教えて貰いたいです。
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「進化しすぎた脳」池谷裕二著、ブルーバックス、2007.01.20 397p ¥1,050 C0245 (2019.11.13読了)(2019.11.03借入)(2007.02.07/3刷) 副題「中高生と語る「大脳生理学」の最前線」 何かで紹介されていたので、いつか読もうと思っ...
「進化しすぎた脳」池谷裕二著、ブルーバックス、2007.01.20 397p ¥1,050 C0245 (2019.11.13読了)(2019.11.03借入)(2007.02.07/3刷) 副題「中高生と語る「大脳生理学」の最前線」 何かで紹介されていたので、いつか読もうと思っていました。図書館にあったので借りてきました。新書にしてはちょっと分厚いですが、興味深く読めました。 視覚については、目から入った情報を脳があらかじめ人間が生きてゆくのに役立つように加工して意識に渡しているので、現実のものと違うことがある、というのは興味深く読めました。本当は目に映っていないのに、勝手に補正してしまう。等 【目次】 はじめに 第一章 人間は脳の力を使いこなせていない 講義をはじめる前に みんなの脳に対するイメージを知りたい 心と脳の関係を人間はどう考えてきたんだろう ほか 第二章 人間は脳の解釈から逃れられない 「心」とは何だろう? 意識と無意識の境目にあるのは? 前頭葉はどうやって心を生んでいるのか ほか 第三章 人間はあいまいな記憶しかもてない 「あいまい」な記憶が役に立つ!? なかなか覚えられない脳 言葉によって生み出された幽霊 ほか 第四章 人間は進化のプロセスを進化させる 神経細胞の結びつきを決めるプログラム ウサギのように歩くネズミ 情報のループを描く脳―反回性回路 ほか 第五章 僕たちはなぜ脳科学を研究するのか なぜ脳科学を研究しようと思ったのか? 手作り感覚こそが科学の醍醐味 脳は常に活動している ほか 付論 行列を使った記憶のシミュレーション ブルーバックス版刊行に寄せて 参考文献 さくいん ●脳の大きさ(38頁) 脳が大きければ大きいほど、それから脳のシワの数が多ければ多いほど賢い、という通説は正しくないんだ。 ●会話(60頁) 会話には聴覚だけでなく、視覚も多いに関わっていることがわかってくる ●脳の地図(80頁) 指が4本。そういう人の脳を調べてみると、5本目に対応する場所がないんだ。 脳の地図は脳が決めているのではなく体が決めている ●脳の機能(101頁) 脳の機能は局在化していて、脳の場所ごとに専門化している ●前頭葉(102頁) 人間の個性や性格、心や意識、そういったものを生んでいるのは前頭葉なんじゃないかと言われてきている ●立体視(107頁) 人間の目はね、一方だけでもちゃんと立体感を感じるんだよ。 ☆関連図書(既読) 「頭脳」林髞著、カッパブックス、1958.09.25 「脳の話」時実利彦著、岩波新書、1962.08.28 「100億の脳の細胞」塚田裕三著、日本放送出版協会、1966.10.25 「脳と言葉」荒井良著、社会思想社、1982.09.15 「幼児期と脳の発達」荒井良著、主婦の友社、1983.07.01 「唯脳論」養老猛司著、青土社、1989.09.25 「私の脳科学講義」利根川進著、岩波新書、2001.10.19 「痴呆を生きるということ」小澤勲著、岩波新書、2003.07.18 「認知症とは何か」小澤勲著、岩波新書、2005.03.18 (2019年11月19日・記) (「BOOK」データベースより)amazon 『記憶力を強くする』で鮮烈デビューした著者が大脳生理学の最先端の知識を駆使して、記憶のメカニズムから、意識の問題まで中高生を相手に縦横無尽に語り尽くす。「私自身が高校生の頃にこんな講義を受けていたら、きっと人生が変わっていたのではないか?」と、著者自らが語る珠玉の名講義。
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学生の時にぼんやり考えていたことが、10年越しに答えをもらった感じがした。考えることはおもしろいと思える瞬間。同時に、本を読むのはやめられない。
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昔読んだ本。さるに電極を刺す実験が印象的で今も覚えている。人間は脳の大部分を使いこなせていないなど、脳について学習できて面白かった。
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