白の月 の商品レビュー

谷村志穂【著】

2009/10/04

ブクオフ１００円。女の人と赤ちゃんが生まれる（＝お母さんになる？）ときの瀬戸際の揺れ動き。すごく繊細でやわらかい感じなのかなぁって思う。[08/05/08]

2011/09/12

子どもを産んだ後で読んでよかった。産む前だったら不安でしょうがなかった。子どもをかわいいと思えない母親。子どもをお腹に宿しながらも揺れる気持ち。自分にも覚えがなくはないから余計に怖いのだ。私自身、今は、子どもがかわいくてしょうがないし、自分以上に大事な生命だと思っているけれど、でも、主人公たちの気持ちも理解できる。女性は、生まれながらにして母親で母性を持っていると思われがちだけれど、それは多分少し間違っている。妊娠して、大きく不恰好になっていくお腹、絶えず二日酔いのようでむかむかして、気分が悪く、精神状態も最悪。かわいい洋服も入らなくなり、顔はむくみ、女ではなく母になっていく体。望んで産む子どもでも、自分の変化には慣れず、子どもなんかいらないと思った日もあった。そういう日々を過ごし、諦め、受容して、そして母になっていくのだ。母になりきれない女性がいたって全然おかしくない。当たり前のように簡単になれると思ってる方がおかしいのだ。この話の中の「非常にリスクの高いお産で１００人のうち５人は亡くなります」と言われて、「５人しか死なない」と考える夫。「５人も死ぬ」のだ。バンジージャンプで１００人の内、五人死にますって言われて飛ぶ人が何人いるだろう。そりゃ、自分の中に生命が宿っているのだから、バンジーとはまた別の話だけれど、自分の命が大事なのはあったり前の話じゃないの？とかいろいろ思ったわけですが、えーと、これは全て私が連想したことです。書いているうちに脱線して、なんだか、全然違うお話のようになってしまったので、興味ある人はちゃんと本読んでくださいましね？