白の月 の商品レビュー
オススメ!
月の満ち欠けと共に時は流れ、変わってゆく体。揺れ動く女心が丁寧に描かれた、痛いほど切ない短篇集である。夫への、子供への、昔の恋人への想いを抱えながら、女たちは前に進む。その姿は潔く、美しい。
TKS
図書館の本⑪ 「妊娠」に関わる短編集。 家庭がある身で、他の異性に想いを寄せる描写が多かった気がするが、 そのような感覚は共感できなかった。 短編集も中では「冬瓜色」が印象的で、命のリスクを必然的に伴う妊娠・出産についての男女の価値観の違いがリアルに描写されていて、この話は男...
図書館の本⑪ 「妊娠」に関わる短編集。 家庭がある身で、他の異性に想いを寄せる描写が多かった気がするが、 そのような感覚は共感できなかった。 短編集も中では「冬瓜色」が印象的で、命のリスクを必然的に伴う妊娠・出産についての男女の価値観の違いがリアルに描写されていて、この話は男性にも面白く読めそうだった。この話に登場する、出産についてどこか他人事のような男性は現実にもたくさんいるだろうと改めて考えたときに、女性として肩身が狭く感じられた。 好きなフレーズ ◎「眠るのがもったいないような気がするから。そんなときはめったになくて、僕はそれを探して生きているからです。」
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心の中の小さな島 無人島にしておきたいけど 時々上陸して草など抜いてみる ほったらかしの木に実がなっている そんなことがあったな 今なら言える 今なら言葉になる またそっと島を離れる 確かにある心の島 漠然とそんな感想 巧みな表現に感心します
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H29.01.24 読了。 個人的に、女性が主役の話が好きではないけれど、背表紙を読んで気になったので買ってみた。 著書が女性だけあって、確かに、男性には書けない文章だと思った。 が、それが面白さに直結しているかと考えると、むむむ。 章毎の主人公の気持ちが丁寧に描かれてい...
H29.01.24 読了。 個人的に、女性が主役の話が好きではないけれど、背表紙を読んで気になったので買ってみた。 著書が女性だけあって、確かに、男性には書けない文章だと思った。 が、それが面白さに直結しているかと考えると、むむむ。 章毎の主人公の気持ちが丁寧に描かれているとは思う。 で?っていう。 短編集なのに、読み終わるのに時間がかかったな、という印象。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
表紙通りの小説。 「生きたかった」彼女と「産んで欲しかった」彼の構図が、どっちも間違ってないから切ない。 生きたかったという台詞が、凄くいい。ある意味エゴであり、また泣きそうなくらいな誠実さを感じたから。
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8編からなる短編集。 表題作の「白の月」「祭り恋」「卵色の愛」「冬瓜色」「蒼い水」は妊娠中もしくは出産後間もない女性が主人公だ。 妊娠や出産を境に彼女たちの心を占めるようになった悲しみ、戸惑い、葛藤、疑問…。共通しているのは彼女たちがそれらを乗り越えるために男たち、特に夫をあてに...
8編からなる短編集。 表題作の「白の月」「祭り恋」「卵色の愛」「冬瓜色」「蒼い水」は妊娠中もしくは出産後間もない女性が主人公だ。 妊娠や出産を境に彼女たちの心を占めるようになった悲しみ、戸惑い、葛藤、疑問…。共通しているのは彼女たちがそれらを乗り越えるために男たち、特に夫をあてにしていないということだ。蚊帳の外に置かれていると言ってもいい。結果的にその穏やかさの中に帰って行くとしても、彼女たちにを導いたわけではない。 一見孤独に見えながら、読後感がそんなに荒んだ感じにならないのはどこか似たような心境を辿ったことがあるからか…。 ただ「卵色の愛」だけはちょっと動機が単純過ぎる気がして残念だった。
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2011.08.04 図書館 妊娠をめぐる短編集。私には、冷え切った状態で婚姻関係を継続する夫婦のことや、配偶者と落ち着いた生活を送りながら他の異性を思ったりする気持ちは分からない。だから、どこか入り込めないまま読んだ作品が多かった。 しかしその中で、『冬瓜色』は、別の色を持っ...
2011.08.04 図書館 妊娠をめぐる短編集。私には、冷え切った状態で婚姻関係を継続する夫婦のことや、配偶者と落ち着いた生活を送りながら他の異性を思ったりする気持ちは分からない。だから、どこか入り込めないまま読んだ作品が多かった。 しかしその中で、『冬瓜色』は、別の色を持って見えた。妻が39歳を目前に初めての妊娠が分かる。夫婦揃って訪れた産婦人科医は、高齢で、しかもその妻が幼少期より腎臓を患っていることから、出産に伴うリスクを説く。夫は苛立つ。妻は産みたい筈だ、普段から動物や子供を可愛がる妻、子供の頃から病弱で何かと諦めることを強いられてきた妻の初めての可能性。リスクってどれくらいかと医師に詰め寄ると、「5パーセントです」「100人に5人ですね」。その後、妻は夫に黙って子供を堕ろしていた。悪阻があまりに辛かった、それに何より、私は生きたかったの。戸惑い、向き合えない夫は次第に距離をとってゆき、ある日、妻に憤りをぶつける。すると妻は。100人に5人が死ぬといわれて、あなたはその5人が想像できなかった。その時に"ああこの人は他人なんだと思った"。子供の頃から命に限りがあると常に思わせられながら生きてきた私の気持ちは分からないでしょう。生きたかった。死にたくはないわ。妻は去った。夫はようやく自分が何をしたのかを知る。
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妊娠・出産を軸にすえた短篇集。 表題作が一番好きかも。 色黒の身体に、そこだけがほの白く、まるくふくらむおなか。 表現がすぱん、と素直に鋭いので直截なのが苦手な方は気をつけたほうがいいかも。 谷村さんの描く女性は、大胆だ。 言動が度外的にはじけてるのではなくて、どこか...
妊娠・出産を軸にすえた短篇集。 表題作が一番好きかも。 色黒の身体に、そこだけがほの白く、まるくふくらむおなか。 表現がすぱん、と素直に鋭いので直截なのが苦手な方は気をつけたほうがいいかも。 谷村さんの描く女性は、大胆だ。 言動が度外的にはじけてるのではなくて、どこかしなやかで強い精神部分がみえるという意味で。 谷村さんが、そうした根本の野生的な女性の強さを信じているのかな、と感じる。 痛々しいまでに、男の人を求めてる「女性」であるのに、ひとりでも傷つきながらでも。 地に足をつけている、そんな生き方をしている。 そんな生き方を本能的に知っているような。 こういう、連作じゃないけれど。 根底のテーマが通じてる短篇集も好き。
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不明。谷村志穂は最近の方がめっぽういい。大人の女の嫌らしさや強さというものを泥臭くなく描くことができる人。女って感じ。
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12/14 妊娠って自分がまだリアルに考えたことないことばっかり。でもやっぱりゴールではないんだなあと思った。女ってめんどくさいね。
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