源氏物語(巻2) の商品レビュー
源氏の自信たっぷりで強姦、強姦未遂ばかりしているところが許せない。それはそれとしてさまざまな境遇にある女性の心情が平安時代の文学でここまで描写されているのに感心する。
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・末摘花‥常陸の宮の姫君。宮様が亡くなってからは琴を友にしてひっそりと暮らしていたところ、その話を聞いた光源氏は興味を持ち始める、何度も歌を送りアプローチをするが手応えがなく、強引に会って顔を見たところ末摘花(紅花)のように鼻の先が赤く下に垂れ下がっている。不器量なだけでなく、詠...
・末摘花‥常陸の宮の姫君。宮様が亡くなってからは琴を友にしてひっそりと暮らしていたところ、その話を聞いた光源氏は興味を持ち始める、何度も歌を送りアプローチをするが手応えがなく、強引に会って顔を見たところ末摘花(紅花)のように鼻の先が赤く下に垂れ下がっている。不器量なだけでなく、詠む歌も無粋でやることも不躾。がっかりするが、そこは光源氏。可哀想でほっとけないと思うのである。 ・紅葉賀‥源の典侍(ないしのすけ)、年配(50代半ば)の色好みの高級女官。光源氏も時々ちょっかいをかける。典侍と交渉に至ったある夜、いたずら心を起こした悪友の頭の中将が二人の寝屋に忍び込む。慌てた源氏は裸同然で飛び出す。典侍も「あなた、あなた」と大慌て。若い二人、それも飛び切りいい男No.1のNo.2に挟まれて、おばちゃんさぞやいい気分だったでしょう。 この章で、源氏は頭の中将と共に紅葉の下で見事な青海波の舞を踊る。源氏は正三位、頭の中将は正四位下に昇格する。次の年7月に藤壺の宮は中宮(皇后)に、源氏は宰相になる。藤壺が産んだ若宮は東宮になる約束をもらえたわけだが、あまりにもお顔が源氏に似ていて二人とも複雑な気持ち。(帝は自分の子だと信じている) ・花宴‥愛しい藤壺の宮に会えないかとウロウロ探しているうちに、敵対する弘徽殿(こきでん)に入り込み、そこで朧月夜の女に出会い一夜を共にする。右大臣の何番目の娘かもわからない。わからないながらも会いたさが募る。(朧月夜は右大臣の六女) ・葵‥ 桐壺帝が譲位をし、弘徽殿の女御(こきでんのにょご)が産んだ皇子が帝(朱雀帝)となると、右大臣家が権勢を強めた。肩身が狭くなった葵の上は出産間近にして亡くなってしまう。亡くなる直前、葵の上に「六条御息所(みやすどころ)(光源氏の兄嫁)」が生き霊として取り憑いていた。葵の上は亡くなったが源氏そっくりの若宮は生き残った。 一方、二条に連れ帰り娘のように大切に育ててきた紫の上とついに体の関係を結ぶ。紫の上は裏切られた気分で源氏を避けるようになる。 ・賢木‥娘が斎宮(天皇の代わりに伊勢神宮に仕える。未婚の皇女が選ばれる)に選ばれ、六条の御息所は娘に付いて伊勢に下る決意をする。いなくなるとなれば源氏の心は乱れる。 その頃桐壺院が病死。弘徽殿の太后(現帝の母)が勢力を持ち始め、頭の中将や源氏は行動を慎むようになる。藤壺の中宮は、次期帝になる若宮のことは気になるが、言い寄ってくる源氏への複雑な思いから出家することにした。 朧月夜は尚侍(ないしのかみ)に。尚侍(かん)の君となり、お里がちの弘徽殿の大后の部屋に住むようになる。 葵の上が亡くなり、六条の御息所は伊勢へ。藤壺の中宮は出家、朝顔も賀茂の斎院となり神に仕える身に。‥となると源氏のお相手は紫の上と朧月夜。帝の寵愛を受け、敵対する右大臣の六女、愛を育むには障害が多すぎる。しかしそこは光源氏。困難な恋路ほど燃え上がるのだ。万難排して会いに行き逢瀬を重ねるが、ある日とうとう右大臣に見つかってしまう。右大臣はそれを大后に告げ口‥さてどうなることか。 ・花散里‥ 弘徽殿(こきでん)の女御(桐壺帝の女御の一人)の妹の三の君。昔関係を持ったことがある。一度関係を持った女は礼儀としてずっと気にかけるのが光源氏。三の君のところに出かける途中、見覚えのある邸が‥。そこも昔通った女の家だったのだ。その女に会ってから三の君に会いに行く。光源氏25歳。
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喪中にも関わらず、蝶よ花よと育ててきた紫の姫君についに手を出し、姫君はショックを受ける中で、その姿もまたいじらしいと思う源氏が、現代的にみるとひどい男すぎて、こんな男だったか!?と面白い。 生霊に苦しむ姿など、陰陽師などのこの時代特有の恐ろしさがある。藤壺などまだまとも?な人間もいるだけに、好き放題やっている源氏の自由っぷりときたら笑 末摘花 常陸の宮の姫君が不器量で、鼻が異様に長く垂れ下がっていて先が赤い。(これをネタにして後日紫と微笑ましい笑いをとる皮肉)滑稽譚 紅葉賀 藤壺が源氏の子を出産。(帝には源氏の子であることは秘密)赤子の顔が源氏にそっくりなので帝にバレないかとヒヤヒヤ。 一方の源氏は、好色で評判の57〜8歳にもなる老女・源の典侍に好奇心から手を出すも、尾行していた頭の中将が現れてお互いに笑う。(能天気すぎる笑) 花の宴 宴のあとの酔いのノリで知らぬ女と交わり、源氏は自分の名を名乗ったものの女は名乗らず別れたので、後日あれは誰だったのか調査することに。検討はつけていたが、右大臣の六の君、兄東宮の許嫁だった。 葵 妊娠中の葵の上に、つききりで安産の加持祈祷をさせるなど源氏が世話を焼き、(車をぶつけられる事件もあり)プライドの高い御息所の怨念が生霊となり、葵の上へ憑依。 看病に来た源氏が薄暗い中葵の上に話しかけふと顔をみると、御息所の顔で、御息所の声色で、「たまらなく苦しいので、少し調伏をゆるめて楽にしていただきたくて」という台詞でゾッとする。 葵の上は男の子を出産後、急死。 源氏は喪中だが、紫の姫君と新枕し、3日夜の餅まで用意。(なんてこった) 賢木 生霊となるほどの女なので源氏は恐ろしくなり、御息所との関係はこじれた。ゆえに、御息所は源氏との仲に絶望して野の宮で1年間の潔斎の後、伊勢へ下る。藤壺は出家。源氏は昔出会った朧月夜と密会していたが右大臣にバレ、右大臣は大后に全てを告げ、大后は激怒。これを口実に源氏抹殺を計る。 花散里 麗景殿は子供ができず淋しい暮らしをしていたので源氏は慰めに行き、妹の三の君も訪ねる。(サラッと終わる章ながら、この三の君は今後長らく源氏と交流するらしい)
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寂聴源氏2巻です。「末摘花」から「花散里」まで、6帖を収録。 寂聴さんの訳文は丁寧で上品で、この『源氏物語』の世界観にぴったりなのですが、角田源氏を読んでしまった私は、この文章ですらもたつきを感じるようになってしまいました。 巻一と同様、巻末に「源氏のしおり(訳者解説)」と、...
寂聴源氏2巻です。「末摘花」から「花散里」まで、6帖を収録。 寂聴さんの訳文は丁寧で上品で、この『源氏物語』の世界観にぴったりなのですが、角田源氏を読んでしまった私は、この文章ですらもたつきを感じるようになってしまいました。 巻一と同様、巻末に「源氏のしおり(訳者解説)」と、「系図」、「語句解釈」があります。「源氏のしおり」では今回も寂聴さん自身の言葉で歯切れ良く解説がなされていて、これがやっぱりおもしろい。本文のやわらかな文体からは、解説にあるような緊張感や迫力や激しさは味わいきれてなかったなぁ。 あとちょっと気になったのが、「〜につけても」。大塚源氏の訳文にこの表現が多すぎると感想に書きましたが、この寂聴訳でもけっこう使われていました。1巻ではたまに出てくるくらいでしたが、2巻ではちょくちょく登場。1ページに2回使われていることも。自分ではほとんど使わないせいか、どうも気になってしまいます。 内容については角田源氏の感想に書いていきたいので、ここでは、寂聴訳、大塚訳、角田訳のそれぞれの特徴がよく出ているなと思った箇所を書いておきます。「末摘花」の冒頭です。 [原文] 思へどもなほ飽かざりし夕顔の露に後れし心地を、年月経れど、思し忘れず、ここもかしこも、うちとけぬ限りの、気色ばみ心深きかたの御いどましさに、け近くうちとけたりしあはれに、似るものなう恋しく思ほえたまふ。 [寂聴訳] 愛しても愛しても、なお愛したりない思いのしたあの夕顔の君に、花に置く露よりもはかなく先立たれてしまった時の悲しさを、源氏の君はあれから歳月の過ぎた今もなお、お忘れになれないのでした。 あちらの方もこちらの方も、女君たちは心を鎧い、気取った様子で、お互い思慮の深さでも競いあっていられるのを御覧になりますと、なおさら親しみやすくすべてを任せきっていたあの人のたぐいないなつかしさと愛らしさを、源氏の君は恋しくお思い出しになられるのでした。 [大塚訳] いくら思ってもなお尽きなかった〝夕顔の露〟に死なれた悲しみを、年月が経っても忘れずに、どこもかしこも気づまりな人たちばかりで、気取ったり、思慮深さを張り合ったりしているので、親しみやすく打ち解けていたあの人がしみじみ愛しくて、 「似ている人もいないものだ」と恋しく思われます。 [角田訳] いくら思いを寄せても、なお飽きることのなかったあの人が、夕顔の露のようにはかなく消えてしまった悲しみを、月日がたっても光君は忘れることができないでいた。あの女もこの女も、心を開いてくれない人たちばかりで、気取り澄まして、たしなみの深さを競っているような有様だ。彼女たちとはちがい、心を開いて自分を信じ切ってくれたあの人の愛らしさを、光君は恋しく思うのである。
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源氏物語に星つけるっていいのかなぁ…と思いながら 一冊目よりさらに面白かったです 源氏の君の17才〜25才の青春グラフティ 相変わらずリスキーな恋愛ばかり というか、これって恋愛なのかしら?と思いつつ 今の時代だったらアウトよね、などと思ったり 読みやすくて面白いです
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巻一に引き続き、素敵な現代語で綴られた源氏物語だった。 末摘花〜花散里の六帖が納められている。恋愛小説であるが、少々オカルトめいた話が含まれるところにエンタメ性を感じる。 平安時代の恋愛は不自由な点が多かっただろうと思うが、典型的な恋愛の始め方があるというのは少し羨ましくもある。
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末摘花,紅葉賀,花宴,葵,賢木,花散里の6帖が収録.普段使う形容詞と動詞の組合せと,本書で使われる組合せに齟齬があり,感覚的な違和感が常につきまとう.言語は,時間とともに変化するので,平安時代と現代とで言葉の使い方が異なるのは当然.中高時代の古文の訳を直感的に行えなかった訳がここ...
末摘花,紅葉賀,花宴,葵,賢木,花散里の6帖が収録.普段使う形容詞と動詞の組合せと,本書で使われる組合せに齟齬があり,感覚的な違和感が常につきまとう.言語は,時間とともに変化するので,平安時代と現代とで言葉の使い方が異なるのは当然.中高時代の古文の訳を直感的に行えなかった訳がここにある.それにしても,私が読むと,光源氏が完全なる自己中心的人間で,屑に感じるのだが,何故多くの女官達は盲目的になびくのか理解できない.
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やっと第二巻。有名な、というか自分がわりと覚えている女性たちがたくさん出てきて賑やかだった印象。 藤壺の出家を受け茫然自失となる源氏を見て、出家ってどんなことなのだろうと疑問に思ったが、巻末の「源氏のしおり」、寂聴さんによる解説を読んで、少し理解が深まった。それだけでなく、出...
やっと第二巻。有名な、というか自分がわりと覚えている女性たちがたくさん出てきて賑やかだった印象。 藤壺の出家を受け茫然自失となる源氏を見て、出家ってどんなことなのだろうと疑問に思ったが、巻末の「源氏のしおり」、寂聴さんによる解説を読んで、少し理解が深まった。それだけでなく、出家を決意するに至るまでの藤壺の葛藤とその描き方や、出家後の藤壺が意外と強い女性に変貌していくことについての指摘もとても興味深く、寂聴さんのおかげで藤壺への認識が改まった。 以下自分用メモ。 ■末摘花(源氏十八歳) ・頭中将とのライバル関係が楽しい。夕顔の子を引き取る算段までしている源氏は密かに優越感を持っている。 ・手引きする命婦が「浮気っぽく軽率な性分」と説明され妙に存在感がある。 ・こんなに末摘花のことを見苦しい見苦しいと、この章は何のためにあるのかわからない。夕顔は良かった、空蝉は良かった、若紫かわいすぎ、かわいすぎて六条御息所のところ行く暇ないわと。なんやねん。 ■紅葉賀 ・藤壺、葵のそれぞれ。葵パパは源氏に甘いが、それでいいのか。 ・若紫「それじゃあ私は夫を持っていたのね」って。ちゃんと説明しろよなー。 ・十二月の予定だったのが二月に生まれた。やはり自分の子だと思う源氏。 ・また頭中将との張り合い。六十歳近い源の典侍(ないしのすけ)をめぐって…。 ■花宴 ・朧月夜登場。弘徽殿の女御の娘で東宮に入内予定。ばったり源氏と出会う。 ■葵(源氏二十二〜二十三歳) ・一巻では、藤壺懐妊について悩みながら若紫をかっさらったが、ここでは、葵の上の喪も明けぬうちに若紫と結婚してしまったよ、まったく。乳母などは、こんなにきちんと結婚の儀をしてくれるとは思っていなかったからありがたい恐れ多いと思っているようだが、人目につかぬよう憚りながらの儀式なんてままごと同然では。そういう甲斐甲斐しさにだまされるな〜!しかも若紫に夢中で他の女のところに行かないのを喪中のせいにしてて、最低。 ■賢木(源氏二十三〜二十五歳) ・六条御息所と源氏。会いたい、会いたくないの逡巡に逡巡を重ねた末、会って、泣きながら別れるも(野の宮の別れ)、すぐ十四歳の娘のこともいいなと思ってる。なお、六条御息所はおばさんおばさんと思っていたが三十歳。 ・桐壺院崩御。今の帝は弘徽殿の女御の子で右大臣系なので、そっちの権勢の時代になっちゃうなあという政治的なそわそわ。藤壺中宮も里帰り。 ・朧月夜は尚侍(ないしのかみ。女御や更衣のような、帝の寵愛を受けることも多い地位の役職。)だが密通を続けている。「心からかたがた袖を濡らすかなあくと教ふる声につけても」我(朧月夜)から求めた恋ゆえに〜と訳されている。 ・とかなんとかしつつも中宮への執心も続いていて、なんとか忍び込んで逢っている。藤壺は頼りたい気持ちもあるががんばって冷たくあしらう、その心が辛すぎてついに女房が駆け寄るほど御病気になったがそのとき源氏の君は服脱いだまま呆然としているってどういう状況だ。塗籠からいつ出てくるか問題などややコミカルだがその後もまた惑乱、拒絶、諦めるなど。それで紫の上の前でメソメソするという。 ・何も手につかないので雲林院に逗留して仏道の勉強などする。紫の上や、賀茂の斎院になった朝顔の姫君に手紙。源氏は朝顔の君へ、昔が懐かしいなどと手紙を送るも、昔に私たちの間に何があったというのと返される。手紙のやりとりはあまりすげなくもなさらずにしてくれる。 ・紫の上が気にかかるので戻ってくる。そしてお土産の紅葉を藤壺の中宮にもっていく(おい)。帝にも挨拶。帝は源氏と朧月夜の関係をなんとなく認めているという大らかさで、源氏とは故院の思い出や色恋や学問の話で盛り上がる。 ・藤壺、御落飾。左大臣も辞職。いよいよ右大臣系が強くなる。頭中将は右大臣の四の君の婿ではあるがいまいち。源氏とは相変わらず風流に遊んだりして過ごす。 ・朧月夜との逢瀬。この姫君は積極的というか、源氏と示しあって合う算段をつけているところが他の女性たちとは違うところだ。右大臣パパに見つかった時の堂々たる源氏の姿の描写は見事。 「中には何とも言えず色っぽい様子で、臆面もなく横になっている男がいます。今になって、男はそっと顔をおし隠して、何とか身をかくそうととりつくろっています。」 ■花散里(源氏二十五歳) ・花散里さんは、麗景殿の女御のおん妹君の三の君、という人物らしい。久々に思い出して訪ねる途中で通りかかった家が、さらに別の昔の女の家だったと思い出して歌を送るがもう別の男がいるっぽいので断念。去り際に、そういえば筑紫のなんとかいうあの人も素敵だったなと思い出すなど。花散里とは再会してまたゆるやかに関係が続いていく模様。源氏の付き合い方に合う人合わない人点描といった章。
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二巻の時点で光源氏が自分の年齢まで到達してるんだけど、この先々まで"凄い"んだなと。あと既知の部分がここで出尽くしてしまった。 妻の葵の上と頼りにしていた帝が亡くなって憧れの藤壺も出家して、これからどうなっちゃうの〜!?って感じでここで区切ったの上手いなと思っ...
二巻の時点で光源氏が自分の年齢まで到達してるんだけど、この先々まで"凄い"んだなと。あと既知の部分がここで出尽くしてしまった。 妻の葵の上と頼りにしていた帝が亡くなって憧れの藤壺も出家して、これからどうなっちゃうの〜!?って感じでここで区切ったの上手いなと思った。それにしても節操ねえな。
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面白くなってきましたね。 この巻では大きな“別れ”が四つもあります。 まずは正妻の葵の上。 源氏との子を出産の時に、六条御息所の生霊に苦しめられて亡くなってしまいます。源氏は今まで葵の上に対してつれなかったくせに、亡くなる間際になって「いつものように強気でない自然な姿が艶めかしい」だとか思い、亡くなった後は本当に落ち込みます。そして、葵の親元の左大臣家の人々は「これで源氏と縁が切れてしまった」と言って嘆きます。 次に六条御息所です。御息所は源氏より少し年上の聡明で趣味のいい女性でしたが、気位の高さや嫉妬深さなどが次第に源氏をとおざけてしまいます。そして、源氏の若い恋人や正妻に対して生霊を出してしまうほどの嫉妬をいだき、そんな自分が嫌になって、斎宮となった娘と共に伊勢にくだります。その御息所と最後にお別れのをするときも、本当に悲しくしっとりとした場面でした。「今までほっておいたくせに、調子のいいヤツ!」とこんなときこんな人に対して思いますが、源氏は“悲しいふり”をしているわけではなく、本当に心から残念に思っているのです。 葵の上にしても、六条御息所にしても今まで当たり前のように居てくれた人が居なくなった時にその寂しさに気づくのですね。二人とも世間からみたら、美しいし、聡明だし、落ち度などどこにも無いのに、源氏は困難な恋にしか燃えられないたちだから、当たり前のように自分を求めてくる女性にはつれなくなってしまったのですね。人間とはそういうものなのでしょうが。 そして、3番目の別れは重大です。父であった桐壺帝が亡くなったのです。これにより、宮廷の勢力図がガラリと変わってしまいました。弘キ殿(漢字難しい)女御と故桐壺帝との息子が帝に即位しましたが、まだ若いので、弘キ殿女御を初め、右大臣家のやりたい放題になり、源氏や藤壺の宮や頭の中将や左大臣にとっては生きづらい世の中になります。 そして最後の大きな別れが、藤壺の宮です。藤壺の宮は故桐壺帝が自分が亡き後も東宮を後見できるようにと、中宮の位を与えられていました。が、東宮が実は桐壺帝との子ではなく、源氏の子であるという罪を自分の中にひた隠しに隠して(源氏は気づいてますが)、罪の意識に苛まれるのと、右大臣勢力の中で生きづらいのとで、出家してしまいます。義母である藤壺に誰よりも恋い慕い、過ちまで犯してしまった源氏はショックで、自分まで出家したい気持ちになります。 今まで、若宮としてやりたい放題だった源氏を取り巻く環境がガラリと変わってしまった中で、新しく生まれた命があります。 一人は藤壺の宮と桐壺帝の皇子とされるが実は源氏との子である東宮(後の冷泉帝)です。あまりにも源氏そっくりで、世間に事実がバレないかとヒヤヒヤします。右大臣家の世の中になり、後見人であったはずの中宮(藤壺)も出家してしまって、この後どうなるのでしょう。 もう一人は夕霧。これは源氏と亡くなった葵の上との子です。これも「目元が東宮そっくり」と書かれています。ということは源氏にも似てるということですね。父が亡くなり、自分が二人の息子の父となった源氏。今後の物語が楽しみです。 それから、新しい女性との関係も。 一人は、若紫。巻一で、北山のお寺から連れてきた幼女。藤壺の姪にあたり、藤壺そっくりなので、二条院で親代わりとなって育てていた娘。ようやく、少し大人びてきたころ、事実上結婚します。まだ葵の上が亡くなって間もなかったのに、これはアカンでしょう。若紫もショックでした。でも源氏にとっては人が亡くなって悲しむのも人を恋することも全力というのか。容姿、能力、性格において欠点ゼロだというだけなら面白くも何ともないのだけれど、全力で振る舞うことによって、時に「末摘花」との失敗談があったり女の人を出家させるほどの悲しみを負わせてしまったり、嫉妬をかったりするから物語を面白くしてるのでしょうね。 あと、朧月夜の姫君。宿敵弘キ殿の女御の妹であり。大胆にも右大臣邸で逢瀬を重ねていたら、右大臣に見つかってしまいました。これからどうなることでしょう。 それから最後のほうにチラッと出てきた、麗景殿の女御の妹の三の君。これはこの後、花散里という重要な女性になるらしいです。 気になる人物がいっぱいです。こんなに面白くなっているのに、まだ10巻中の2巻目です。まだまだ波乱万丈ですね。
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