学園のパーシモン の商品レビュー
やっぱり、荒野さんは高校生くらいの揺れる感情を描く方が好みかも。守られた空間にいる少年少女と先生の揺れる感情や閉塞感が、けっこう剥き出しで感じられた。木綿子が、特にいい。彼女となら、話してみたい。あのみんなが崇拝するという園長先生のことがよくわからないままで残念。学園のパーシモン...
やっぱり、荒野さんは高校生くらいの揺れる感情を描く方が好みかも。守られた空間にいる少年少女と先生の揺れる感情や閉塞感が、けっこう剥き出しで感じられた。木綿子が、特にいい。彼女となら、話してみたい。あのみんなが崇拝するという園長先生のことがよくわからないままで残念。学園のパーシモンというエピソードも、最近のえげつないニュースから切り貼りしたようでいらなかったかも。
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学園は倦怠と優雅な退屈に充ちている パーシモンの手紙は選ばれた徴──裕福な子弟が通う私立T学園。薔薇の香に彩られた5月、ふたりの女生徒に赤い封筒が届く
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幼稚園から大学までそろった学園の そこに居場所のない4人の物語。それぞれ 家庭にも学園にも 違和感を持ちながらもそこにい続ける。そしてそこに不在でありながら学園を揺るがすもう一人の異邦人。進むべき道も 今いる場所も そして 自分の歩いてきた道も なにもかもが混沌としている。何にい...
幼稚園から大学までそろった学園の そこに居場所のない4人の物語。それぞれ 家庭にも学園にも 違和感を持ちながらもそこにい続ける。そしてそこに不在でありながら学園を揺るがすもう一人の異邦人。進むべき道も 今いる場所も そして 自分の歩いてきた道も なにもかもが混沌としている。何にいらだっているのか、何を求めているのか、誰がそれを示してくれるのか、そもそも示されることを求めているのか…結局 謎は謎のままなにも解決されずに終わる。ぷっつりと途絶えてしまうラストに呆然としながらも 高校生ってこういう不安定さを最大限に享受できる年代だったんだ と納得。この作家の他の小説も 読んでみたい。
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大きく期待はずれでした>< ファンタジー系をイメージしていたのですが、全く違いました。ポジティブではなくネガティブな話でした。読んだあとも達成感はなく、「これで終わり?」という感じです。
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んー微妙!文章は今時っぽくてあんまり印象には残りづらいかなぁ。想像力の乏しいわたしには「?何がいいたいんだ?」な内容でした。三浦しをんの「秘密の花園」に雰囲気はにてなくもないが、文章の流れる勢いはしをんには及ばない…
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学園は倦怠と優雅な退屈に充ちている パーシモンの手紙は選ばれた徴──裕福な子弟が通う私立T学園。薔薇の香 に彩られた5月、ふたりの女生徒に赤い封筒が届く
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「恩田陸『六番目の小夜子』+理瀬シリーズを井上荒野が書いたらこうなりました」といった雰囲気の学園小説。“爽やかな青春小説”というよりも、丁寧な心理描写と残酷なまでに鋭く人間関係をとらえる眼差しが光る作品だ。言葉にならない空気感を表現するのが、すごく上手い。 ただ、細部やエピソー...
「恩田陸『六番目の小夜子』+理瀬シリーズを井上荒野が書いたらこうなりました」といった雰囲気の学園小説。“爽やかな青春小説”というよりも、丁寧な心理描写と残酷なまでに鋭く人間関係をとらえる眼差しが光る作品だ。言葉にならない空気感を表現するのが、すごく上手い。 ただ、細部やエピソードの一つ一つはすごく上手いのに、全体を通じてのストーリーは「え?それだけ?ここでお終いなの?」宙ぶらりんというか、中途半端で終わってしまったという印象が強い。 さすが井上さんだけあって、フツーの学園小説じゃなかった(汗)。これから先の真衣、木綿子、そして恭は?ああ、とても気になる。学園が変わっていくように(たぶん)、彼女らにも変化が訪れるんでしょうか。
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