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学園のパーシモン の商品レビュー

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27件のお客様レビュー

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2010/09/02

+++ 赤い手紙がうちの学園で流行っているんだ。届くと別世界へいけるというんだけど―。真衣・木綿子・恭・磯貝―三人の生徒とひとりの教師。彼らは、倦怠し、愛し合い、傷つけあう。 +++ 良家の子女が通う学園。そこでは学園長先生はひとりひとりの象徴のような存在なのだった。そんな学園...

+++ 赤い手紙がうちの学園で流行っているんだ。届くと別世界へいけるというんだけど―。真衣・木綿子・恭・磯貝―三人の生徒とひとりの教師。彼らは、倦怠し、愛し合い、傷つけあう。 +++ 良家の子女が通う学園。そこでは学園長先生はひとりひとりの象徴のような存在なのだった。そんな学園長先生の病がどんどん重くなっているらしい、という噂が学園の雰囲気を心なしか重く不安定にする。そういう雰囲気を背景にして思春期の学園生たちの日々は流れている。この年代に特有の揺らぎや寄る辺なさがさまざまな形となって表に裏にあらわれ、胸に楔を打ち込むさまがとてもよく描かれている。半透明の膜を隔てて世界を見ているようなもどかしさが伝わってくる一冊である。

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2010/08/29

タイトル通り学校というより学園と読んだ方がしっくりくる。閉塞感とか。 カリスマ学園長の下の宗教的な危うさと少年少女の脆さが相俟って、 しかも殊更赤が強調されているから 晩秋を想像する。 紅葉と枯葉と木枯らしと。安直な発想ですが。

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2010/02/20

どうしようもない話だけど、少しミステリーも入って来る 本当にどうしようもない話 でもなぜか心に残っている話

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2009/11/18

短編しか読んだことのなかったこの人の長編。 キリスト教系私立高校の伝説(赤い手紙が届くと、バラ色の学園生活が送れる)をベースに、モデル張りの美少女・一風変わったプレイボーイ・うだつのあがらない美術教師・飛び抜けた絵の才能を持ついじめられっ子・・・等の変遷が語られてゆく。 ...

短編しか読んだことのなかったこの人の長編。 キリスト教系私立高校の伝説(赤い手紙が届くと、バラ色の学園生活が送れる)をベースに、モデル張りの美少女・一風変わったプレイボーイ・うだつのあがらない美術教師・飛び抜けた絵の才能を持ついじめられっ子・・・等の変遷が語られてゆく。 割と好きな感じの描き方。 ラストがいまいち納得できなかったが、また時を経て読んだときには、初回とは違った感想を持ちそうだな、という予感めいたものが残った。

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2009/10/04

荒野ファン待望の新刊は、初の学園物である。これだけでもびっくりなのに、さらに驚くことに、なんとミステリ仕立てなのだ。とはいえ、荒野さんお得意の「禁断の男女関係」も健在。これまでの作品とはちょっと毛色が違う、でも根本では荒野さんテイストが味わえる、一粒で何度もおいしい小説だ。 舞...

荒野ファン待望の新刊は、初の学園物である。これだけでもびっくりなのに、さらに驚くことに、なんとミステリ仕立てなのだ。とはいえ、荒野さんお得意の「禁断の男女関係」も健在。これまでの作品とはちょっと毛色が違う、でも根本では荒野さんテイストが味わえる、一粒で何度もおいしい小説だ。 舞台は、幼稚舎から大学まで一貫教育をとるカトリック系の広大な学園。そこでまことしやかにささやかれるのは、高等部生になると赤い手紙が届くかもしれないという噂である。誰に届くのかはわからず、それが来たことを誰にも言ってはいけないという秘密の赤い手紙。内容もはっきりわからないが、どうやら届いた学生は<学園生活ばら色になる>らしい。 学園長が病気で入院し、もういよいよ危ないと言われている5月のある日、高等部2年の女生徒二人の下駄箱に赤い封筒が入っていた。一人は勝堂真衣。演劇部で、読者モデルをしている母親の血を引きルックスが良く、少し大人びたドライな性格をしている。もう一人は迫木綿子。絵が得意で、学園祭のために描いた桜の老木の絵が園長賞に選ばれ、それがずっと大講堂に飾られているのだが、絵の一部のせいで軽いいじめに合っている、おとなしい性格の孤独な女生徒だ。 しかし二人に届いた封筒は、秘密の赤い手紙ではなく単なるラブレターだった。差出人は、岩崎恭。4月から2年に編入してきたばかりなのにすでにファンクラブまである、目立つ男子生徒だ。元の進学校で女性問題を起こして追い出されたのだが、その原因となった詩緒子との思い出は甘く切ない。真衣と木綿子に赤いラブレターを出したのはちょっとしたいたずら心だった。 そのうち、校舎前の樅の大木に、様々な種類の赤の紙で折られた大量の千羽鶴がぶら下げられたり、ピカソの「ゲルニカ」を模した絵に園長の死にまつわるスローガンが書かれたポスターが貼られていたり、いかにも本物らしい赤いカードがばら撒かれたりと、不可解な出来事が高等部に次々と起こる。ついには自殺者まで出てしまうものの、このあたりから少しずつ謎の手がかりが見えてくる。 主な登場人物は、真衣、木綿子、恭と、もう一人、油絵教師の磯貝勉。この4人の視点から、カリスマ的存在である学園長の死にいたる病をバックに、数々の事件が語られる。その中で、4人の心の変化と成長が見えてくることもあって、読者は様々な出来事を客観的に見ることができる。4人とも、それぞれ秘密の手紙のことをなんとなく打ち明けてしまう相手がいるのは興味深い。 やっぱり荒野さんは人物造形がうまい。4人以外の脇役たちもきちんと書き分けられており、「そうそう、こんな先生いるいる」と思わずつぶやいたり、学校の様子の描写を読めば、自分の高校時代を思い出して懐かしくなったりした。この一冊で、恋愛小説、青春小説、ミステリ小説、そして成長物語が楽しめる、荒野さんの新境地とも言える作品になっている。 読了日:2007年3月15日(木)

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2009/10/07

なんだか甘酸っぱい感じのお話でした。学園 が舞台なせいもあるのかしら。 若さゆえの残酷さとか、諸々。

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2009/10/04

表紙絵が高校の裏門で人を待っている「恭」のイメージと重なる。何かを問うているような目がいい。 ミッション系の高校でのそれぞれの学園生活という内容だったが、スポットを当てられている人物4人がみんなどこか変わっている。そして余命幾ばくもない学園長の存在。木綿子が特に毅然としている...

表紙絵が高校の裏門で人を待っている「恭」のイメージと重なる。何かを問うているような目がいい。 ミッション系の高校でのそれぞれの学園生活という内容だったが、スポットを当てられている人物4人がみんなどこか変わっている。そして余命幾ばくもない学園長の存在。木綿子が特に毅然としているかも。 飽きることなく読み終えたが、何の解決も示されないまま終わる。 作成日時 2007年06月24日 08:22

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2009/10/04

最後までどんな結末になるのかわからなくてわくわくしました。 学園長を慕い、独特な学園でいいなぁ、と思って読んでましたがどの学校にも歪みはありますよね。 装丁が素敵です。

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2009/10/04

連載でたまたま読んでました。どんな話か輪郭ははっきりしないんだけど、雰囲気に惹かれるものがあります。要するに好きだということです。

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2009/10/04

高校生で歳も近いし、私の好きな「異世界」っていうキーワードがあったのもあって、というかとにかく表紙に惹かれて呼んでみたのですが・・・なんか、内容がとても大人っぽくてびっくりしました。でも淡々と話が進んでいるのとか、2つの一見ばらばらなのかな?って思っちゃうようなお話をきちんとまと...

高校生で歳も近いし、私の好きな「異世界」っていうキーワードがあったのもあって、というかとにかく表紙に惹かれて呼んでみたのですが・・・なんか、内容がとても大人っぽくてびっくりしました。でも淡々と話が進んでいるのとか、2つの一見ばらばらなのかな?って思っちゃうようなお話をきちんとまとめているのはすごく好きでした。 舞台になっている学園、本当にあるなら通ってみたいです。

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