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仕事中だけ「うつ病」になる人たち の商品レビュー

3.3

14件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

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  3. 3つ

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  4. 2つ

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  5. 1つ

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2024/02/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

※自分自身もかなり悩んでいる内容について書いているので、今ダメージを受けたくない方なんかは読み飛ばしてください。 本当に「真面目」で「ピュア」だから、うつは起きたのか?ーメンタルヘルス本と違う面から読み解くうつの傾向とは。 気分が憂鬱だったり、無気力なことが続く。 不安になってネットの心理診断チェックを受けてみると、「これはうつ病なのでは?」「何らかなの心理的傾向があるのか?」と『予兆』のようにも感じられる。 それだけうつ病に関する知見も体験談も世に広まっているし、予防として「逃げれるうちに逃げろ」「抱え込む前に相談」「好きなことをする」とか色々なアドバイスも散見される。 だけど、いまいちわからないのが、「なにゆえ苦しんでいるのか?」ということだ。自分の認知の歪み、経験不足ゆえに立ち回りがうまくいかないのか、とか別の要因もある気はするが、多面的な問題な気もするが、それも結局は「あなたが悪いわけではない」「今は休むべき」という言葉で封じられている。 世に蔓延るメンタルヘルスライフハック本も、ジャーナリングや瞑想など習慣をつければ、多少楽になることを説くのに、辛さは解消されていない。 自分が今本当に真面目ゆえに憂鬱なのか、それとも仕事のプレッシャーに耐えかねているのかどちらなんだろう、とは思う。上手くいかないと本当にダメなのか。 この本では医療者からの立場から、散見されてきた、タイトル通り「仕事中だけうつ」を取り上げている。適応障害とか、他の可能性もちらつくが 一回それらを横に置いて見たとき。 二次的なうつ病や元々のうつ病からみると、明らかに違って見えるうつ病がいる。 側から見ればなんだか調子良いうつ病で、でも一応仕事の場だと確かに苦しくてしんどい。 文章でも触れられているが、やどかりが宿を探すがごとく、この辛さに名前をつけたくて宿を探している節はあるのかもしれない。 だけど、実際はどうなんだろう。重責からただ逃げていただけなんじゃないか?自身の不当な不満をぶつけている可能性があるんじゃないか? きついし、聞きたくはない、だけどいつかそれに気づかなかったら、本当に宿借りるだけですまされない状況になるんじゃないかーー。 打算的な休み、「頑張っているわたしだから大丈夫」の姿勢が本当に謙虚と言えるのか。 新しい自分を見つける、選択肢の多い現代では、決めつけでその仕事にかけること自体がもてはやされず、前向きな転職、マルチタスクももてはやされる。だからこそ、青い鳥を求めるのかもしれないし、自分はここに骨を埋める、という覚悟も実は必要なんじゃないかとも、ハッとさせられた。 他人に厳しく、自分に甘い自己愛。 完璧な性格は存在しやしないけど、史上類を見ないほど恵まれてきた現代だから、生まれたのかなぁ、とも。でもそれに引っ張られてしまいたいか、とか、合理的に判断して生きていくか、とか。難しい。

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2012/09/14

新型うつ。という言葉をよく耳にするが、この本でいう「30代うつ」は、それに該当すると思う。 この本は2006年に書かれているので、その当時、30代前半だった1975年生まれくらいまでの若者に増えているとしているが、現在、「新型うつ」と名前をかえ、1975年以降に生まれた若者にも見...

新型うつ。という言葉をよく耳にするが、この本でいう「30代うつ」は、それに該当すると思う。 この本は2006年に書かれているので、その当時、30代前半だった1975年生まれくらいまでの若者に増えているとしているが、現在、「新型うつ」と名前をかえ、1975年以降に生まれた若者にも見受けられる症状。 「自分の外に全ての原因がある」。 体調を崩したのも、会社にいかれなくなったのも、全て周りのせい。 周りのせいにして、自分の事と捉えられないから、なかなか脱脚できない。 何が悪くてそうなったのか? 色々な要因が重なりに重なってなった結果だと思う。 香山さんが文中で「マイナスの気分が襲ってきた時こそ、人生の深遠にふれ、自分の本当の力に気づくチャンス」といっているように、自分に起こったことを自分でしっかりとらえる。それが大事だよなー。 それを教えてやりたい。。。と、何名かの後輩の顔が浮かんだが(^_^;)

Posted byブクログ

2011/10/03

筆者が命名した「30代うつ」に対して疑問を持っているのが良く分かりますし、誰でも共感できる節があるであろう一冊でした。我侭と自己愛と甘えに捉えてしまいそうな新しいタイプの鬱病についての見解が記されています。専門的な内容(神経伝達物質名、脳内の神経核、刺激伝導路etc)ではなく、気...

筆者が命名した「30代うつ」に対して疑問を持っているのが良く分かりますし、誰でも共感できる節があるであろう一冊でした。我侭と自己愛と甘えに捉えてしまいそうな新しいタイプの鬱病についての見解が記されています。専門的な内容(神経伝達物質名、脳内の神経核、刺激伝導路etc)ではなく、気軽に読めるよう工夫されていました。

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2011/07/26

あくまでもこういう事例が増えている、ということなのだろうし、著者も本文中で繰り返しているが、これをうつに全く面識のない第三者が読んで、「やはりうつ病は甘え、怠け病なのだ」との解釈をしかねないかが不安。 というのも、読後はそのような解釈が強く胸に残り、「従来の症状」を呈している者に...

あくまでもこういう事例が増えている、ということなのだろうし、著者も本文中で繰り返しているが、これをうつに全く面識のない第三者が読んで、「やはりうつ病は甘え、怠け病なのだ」との解釈をしかねないかが不安。 というのも、読後はそのような解釈が強く胸に残り、「従来の症状」を呈している者には不快感があると思われるため。

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2011/07/25

ついこのあいだ、これとソックリのタイトルの本をよんだが、それだけいまのホット・トピックである。ここでは発症年齢の特徴から<30代うつ>とよばれているが、<職場うつ><社内うつ>あるいは<新型うつ>などともいわれる。そもそもこれが<病気>なのかどうかという議論もあり、従来型うつ病と...

ついこのあいだ、これとソックリのタイトルの本をよんだが、それだけいまのホット・トピックである。ここでは発症年齢の特徴から<30代うつ>とよばれているが、<職場うつ><社内うつ>あるいは<新型うつ>などともいわれる。そもそもこれが<病気>なのかどうかという議論もあり、従来型うつ病との目立った違いは、ストレス因がはっきりしているので職場を離れると普通で、悲哀感、関心欠如、自責感、罪悪感がないことなどである。本人の「つらい」という訴えを聞いて、医師は休養と投薬の判断をせざるを得ないというのが現状だ。こういう人たちはまた、他者や社会に対して、自己中心的な攻撃性をよくみせる。社会、組織と個人のあり方のもっとも現代的な陥穽のひとつで、組織者の側にたってみればさぞかしたいへんだろうと思うが、これをなんとか将来設計のヒントにすることができないものだろうか? 「コンクリートから人へ」というスローガンはどこに行ってしまったのだろう? リカちゃんの本はいつもとてもよみやすいのだが、すぐにわすれてしまうというのが特徴である。これは本人よりも編集者のせいであるような気がしてならない。もうちょっと彼女のアクを引き出して欲しい。

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2011/05/24

うつ病で仕事を休職中でも趣味や旅行に行ったりすることができる人を従来の「古典的うつ」と区別した、「30代うつ」と定義して解説。 この本は少し古いため、これは「新型うつ病」、「非定型うつ病」と同義である。 様々なタイプとその治療法にもアプローチされていて勉強になった。最後には読...

うつ病で仕事を休職中でも趣味や旅行に行ったりすることができる人を従来の「古典的うつ」と区別した、「30代うつ」と定義して解説。 この本は少し古いため、これは「新型うつ病」、「非定型うつ病」と同義である。 様々なタイプとその治療法にもアプローチされていて勉強になった。最後には読者へ配慮する優しさは香山さんの魅力だ。

Posted byブクログ

2011/01/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 身の周りで「うつ」と診断される人が増えてきた。  休職というか……ある日突然来なくなる人も居る(しかも兆候が良く分からない)。  でも、そういう人達は、プライベートは充実していたり、遊んだりはする。楽しそうで元気そうだ。  けれども仕事となると調子を崩したり、精神的に不安定になったりする。  過去にうつ病であった人が居たり、その頃に得た知識の中の「うつ」と、最近診断される人の「うつ」って症状というか……なんか違うんじゃないかな? と思い、読んでみた。  あー。 あー? あー! と思い当たる症状が出てくる。  現代のうつについて、精神科医の中でも色々な考えがあるそうだ。  この本ではその中のいくつかについて触れた後、(主流ではないけれどと前置きした上で)著者の意見が述べられている。  取り上げられた中に、最近のうつは軽度の躁鬱であるという意見があった。  先日読んだ「問題は躁なんです」を思い出す。  確かに、プライベートが軽度の躁状態であるならば「楽しそうだし元気そうだ」なぁ……と。  坑うつ剤だけでは良くならないので、躁病にも効く薬を処方する必要があるらしい。  また、現代のうつは、うつ病ではないという意見もある。  うつ病じゃないとしたら、周囲の人は「本人のパーソナリティに責任があるのか」となるけれど、著者は「抑鬱状態であることは確か」と説く。  まとめると。  「問題は躁なんです」にもポジティブで有ることを社会が求めている、と有ったが、自分もポジティブであろうとし、でもそうなれない時(辛い時や落ち込んだ時など)、それを当たり前と思わず、自身がそれを病気とらえ、気軽に病院を受信し、よい薬があるからと医師が簡単に薬を処方し、うつ病になれてしまう。  様々な要因があり、一概には言い切れないけど、大きくまとめると、この本に書かれているのはそういうことだ。  だから、現代のうつ病の人に対しては、周囲も今までの鬱病と同じように接するのではなく、抑鬱症状で苦しんでいるのは確かであるから、本人を見守り、話を聞き過ぎない程度に聞き、励まし、けじめを付けて付き合わないと、周囲が鬱になったり、倒れてしまう。  ……読み終えて、今ってほんとに大変な時代だなぁと……。  衣食住は満たされている、生活も仕事も満たされていても、この本と同じ著書が書いている「しがみつかない死に方」にあるように、「死んだ後のこと」について思い悩み、病んでしまう。  先日読んだ「忘れられた日本人」のように、昔から戦前〜戦後の日本人のように食うのもやっと……という生活であれば「自己実現」とか考えずに済んだし(生活をするのが第一で、楽しみはその合間やハレの時)、やりがいには事欠かない(生活が困難だから)。  どんどんと「楽になるように」と進んで行くと…………どうなるんだろうね。  考え過ぎると怖くなるので、とりあえず日々の生活を大切にしようと思いました。

Posted byブクログ

2010/11/06

著者の分析によれば、「30代うつ」という新たな疾患のジャンルが確立されるほど従来のうつ病とは異なるうつ病状が30代を中心に発生しているという。ただ注意したいのは、うつ状態とうつ病にはれっきとした差があり混同するべきではないということだ。 30代の特徴である、免責の精神がこの30代...

著者の分析によれば、「30代うつ」という新たな疾患のジャンルが確立されるほど従来のうつ病とは異なるうつ病状が30代を中心に発生しているという。ただ注意したいのは、うつ状態とうつ病にはれっきとした差があり混同するべきではないということだ。 30代の特徴である、免責の精神がこの30代うつには潜んでいると考えている。

Posted byブクログ

2010/06/25

好きなことは出来る、うつを理由に希望の部署に移転する、30代うつ。 それが無意識だとしても、私も優しくはなれないなあ。 うつというレッテルが一般に認識されるにあたって、真面目な人はより追い込まれ、 権利を主張する人はよりあつかましくなるのって・・・。

Posted byブクログ

2010/01/27

今までの典型的な「うつ」ではなく、30代に多い特徴のあるうつ病について書かれた本です。 逃避型うつ・未熟型うつ等など・・・ この現代だから起こったかも知れない特徴のあるうつ病です。

Posted byブクログ