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構造改革の真実 竹中平蔵大臣日誌 の商品レビュー

4.2

33件のお客様レビュー

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2012/05/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

小泉改革において,ブレーンとして中心的な役割を担った竹中氏。その改革の舞台裏をスリリングにかつ大胆に書き綴った回顧録である。あまりの面白さに二日で読んでしまった。アマゾンでの書評が全員ホシ5つつけているのがうなずける。不良債権処理と郵政民営化の二つの大きな課題に対して見事に道筋をつけた功績はあまりにも大きい。その過程において,抵抗勢力との激しい攻防があり,さらにマスコミからもバッシングされながらも,終始一貫して原則を貫いている。また,最も重要な政策立案においても問題の本質を暴き出しそれに対して適切な対応策を立案する,竹中氏の経済学者としての高い能力を改めて思い知る。原理原則を貫くには,それを実行するための戦術・手法において,誰がいつまでにどのようにして行うかとう細部にまで考えをめぐらし,計画に落とし込むことが重要であることがわかる。本書の中で,竹中氏が何度となく引用する,「戦略は細部に宿る」というフレーズは,まさにこれを表している。これは,構造改革という政治・行政の舞台だけではなく,企業戦略の策定と実現に向けての行動においうても当てはまるであろう。また,竹中氏の改革は小泉総理の強力なリーダーシップによって支えられている。竹中氏が,終始原理原則を曲げずにこれたのは,リーダーである総理が一切の妥協を許さず原理原則を曲げることなく竹中氏を支持することによるものだろう。組織論としても,示唆に富むものである。この本を読んで,明らかになったのは,マスコミの報道が時にいい加減であり,かならずしも本質を捉えていないことがあるということである。これは,野党である民主党も同じである。よりよい民主主義を望むのであれば,与党と野党の高度な政策論議が必要不可欠であるにも関わらず,一連の構造改革問題に対する民主党の応対は,場当たり的であり,十分な対案を提示することなく,問題の本質とはおおよそかけ離れた次元での低レベルなものであることが良く分かる。本書の中でも竹中氏も同様なことを述べているが,民主党にはハイレベルな政策論議を期待していただけに失望した。もう一つ,竹中氏はテレビ番組で公開討論を何度と無くこなしていたようだが,そこで氏の政策を批判するエコノミスト達のレベルの低さも良く分かる。リチャードクー氏は唯一名指しされていたが,財政再建問題において,あの破綻寸前の財政状況下でさらに財政支出による景気浮揚策を唱え,竹中氏の政策を批判していたことには驚いた。監督の采配を批判する野球の解説者と同じで,外でああだこうだ言っているものは本当に気軽である楽なもんであろう。他にも低レベルなエコノミスト達がたくさんいたようだが,誰なのでしょうね?

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2009/10/07

竹中氏の視点で小泉改革が語られている。 どうやら本当に日誌をつけていたようで、何月何日に何があったとか、かなり細部まで書かれている。 竹中チームの一員だった高橋洋一氏の同じテーマの本も読んでいるんだけど、かぶる内容がほとんどで、チームとして意思疎通できていたのがよく分かる。 あく...

竹中氏の視点で小泉改革が語られている。 どうやら本当に日誌をつけていたようで、何月何日に何があったとか、かなり細部まで書かれている。 竹中チームの一員だった高橋洋一氏の同じテーマの本も読んでいるんだけど、かぶる内容がほとんどで、チームとして意思疎通できていたのがよく分かる。 あくまでも竹中氏の価値観で書かれているので、氏が嫌いな人は読んでもムカつくだけだろう。 しかし氏の考え方に賛成できるなら、「抵抗勢力」と呼ばれた族議員や官僚との戦いは、下手な小説よりもハラハラドキドキ楽しく読めるだろう。

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2009/10/04

 金融日記で紹介されていた本。  選挙も近いということで、小泉政権の功罪を改めて考えてみるべく読んでみた。  ?不良債権処理と?郵政民営化を達成するための攻防戦が詳細に描かされている。  この二点については、特に異論もないし、業績と考えていいのではないかと思う。  もっとも、竹中...

 金融日記で紹介されていた本。  選挙も近いということで、小泉政権の功罪を改めて考えてみるべく読んでみた。  ?不良債権処理と?郵政民営化を達成するための攻防戦が詳細に描かされている。  この二点については、特に異論もないし、業績と考えていいのではないかと思う。  もっとも、竹中氏らしく、郵政民営化の利点に関して、建前的な健全性の議論、法制度としての正しさ、という点のみが記述されている。  私としては、もっと本音の部分に踏み込んでメリット・デメリットを記述してほしい。  この本を読んだ後、小泉政権の功罪を考えるには、規制緩和委員会に関する文献も当たってみなければならないということに気づいた。  というのも、竹中氏が政権でおもに担当したのは、上記2点である。今むしろ問題になっている、貧富の格差の拡大の原因ともなったとされる大幅な規制緩和に関しては、竹中氏が直接担当したわけではなく、オリックスの宮内氏をはじめとする規制緩和委員会である。  小泉政権では、竹中チームと規制緩和委員会の両輪で政策が作られていたから、竹中氏の著作だけでは、網羅性を欠くのである。  ってなわけで、今度は規制緩和に関する文献を読んでみようと思う。そういう著作って宮内氏や、それに連なる村上ファンドとか六本木社長などの魑魅魍魎が出てくるから、きっと面白いはずだ。  

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2009/12/11

竹中平蔵って、ひ弱なイメージがあったけど、そのイメージは完全に覆される。この本に登場するのは理不尽な要求を繰り出す抵抗勢力に対して、ねばり強く交渉をし、信じた政策の実現に汗をかく、強い男だ。 不良債権処理、郵政民営化、経済財政諮問会議と大臣在任中の5年半の間に現れた高いハードル...

竹中平蔵って、ひ弱なイメージがあったけど、そのイメージは完全に覆される。この本に登場するのは理不尽な要求を繰り出す抵抗勢力に対して、ねばり強く交渉をし、信じた政策の実現に汗をかく、強い男だ。 不良債権処理、郵政民営化、経済財政諮問会議と大臣在任中の5年半の間に現れた高いハードル。それらの解決に学者と政治家、それぞれの視点を適切に使い分けるバランス感覚は、さすが。そして、せっぱ詰まったときの伝家の宝刀「小泉総理の一言」。 正直、自身と小泉総理を美化しすぎている気もするけど、政策決定のプロセスはドラマチックで読み応えがある。やはり、小泉政治劇場はおもしろかった。

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2009/10/04

この本は、恐らく、3年後くらいに、もう一度読んでみたくなるであろう、そして、そのときの竹中氏の主張と比較してみたくなる。ぶれているのであろうか、一貫しているのであろうか、興味深い。内容はとてもリアルで、読み応えがある。非常に感銘を受けた。しかし、登場人物の描写があまりにも二元的で...

この本は、恐らく、3年後くらいに、もう一度読んでみたくなるであろう、そして、そのときの竹中氏の主張と比較してみたくなる。ぶれているのであろうか、一貫しているのであろうか、興味深い。内容はとてもリアルで、読み応えがある。非常に感銘を受けた。しかし、登場人物の描写があまりにも二元的で気持ちが悪い。中川氏の描写があまりにも「善」で、与謝野氏の描写があまりにも「悪」で、おいおい、そこまで人間は極端にラベル付けできないだろうと思ってしまう。そのぶんマイナスだが、それを除けば、おすすめの本。

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2009/10/04

また竹中本です。 この本で知った言葉。 無謬性 英語のがわかりやすい。 infallibility. ですね。 官僚を象徴した言葉だと思うが、これって、日本の会社にも言えるのでは。 世界的にも非常に奇妙な問題です。 なのでグローバルで論じられる「リーダー」とは違っ...

また竹中本です。 この本で知った言葉。 無謬性 英語のがわかりやすい。 infallibility. ですね。 官僚を象徴した言葉だと思うが、これって、日本の会社にも言えるのでは。 世界的にも非常に奇妙な問題です。 なのでグローバルで論じられる「リーダー」とは違った特殊能力を持った人で無いと、この国では改革は成功しないのではないのかなあ。 この本だけ読むと興奮する。一方で竹中氏の客観的な評価を見たいが、ほとんどが極端すぎて比べれられない。 まあいいか。 それにしても、小泉さん以降の混迷がコレを読むと自ずとわかります。 ここまで改革したら、その後のオペレーションはもっと変人がリーダーとならないとまわらんでしょう。 「小泉以前」の体制に引き戻す力が猛烈に働き、今の政局混乱を招いているように思う。 infallibility. くだらん。。 あと一冊。。どうしよっかな。

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2020/02/16

ついに大学生になりました。 竹中さんの講演を聞いたことがありますが、この本からもわかる通り、非常に情熱的な方です。大事なのは“passion”だとおっしゃっていました。

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2009/10/04

政策決定の過程が赤裸々に書かれていて、非常におもしろい。これを読むと、政策の中身はともかく、小泉純一郎という人物がまれに見るリーダーシップの持ち主であったことがわかる。

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2009/10/04

小泉政権下で経済・財政・郵政の構造改革の全権を委任され、改革を推し進めた竹中平蔵さんの回顧録。 あのとき、あの裏側で行われていた策謀、政争について赤裸々に描かれている。 改革の最終評価については歴史が語るとして、大きな改革を推し進めようとすると、超人的な意志をもった孤高の...

小泉政権下で経済・財政・郵政の構造改革の全権を委任され、改革を推し進めた竹中平蔵さんの回顧録。 あのとき、あの裏側で行われていた策謀、政争について赤裸々に描かれている。 改革の最終評価については歴史が語るとして、大きな改革を推し進めようとすると、超人的な意志をもった孤高のリーダが必要なんだな・・・と感じた。 こういう本は、後年の歴史教科書の資料集に一部掲載されたりするだろうな。

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2009/10/04

 経済財政諮問会議がうまく機能していた時期の内幕を描いた本である。  表に出た割に仕事が出来なかった「チーム安倍」と違い、裏の実行部隊「チーム竹中」は実質的に構造改革・経済成長路線のシナリオを練り(官僚の裁量を許さないように「戦略は細部に宿る」と法案の文面まで細かく吟味し)、それ...

 経済財政諮問会議がうまく機能していた時期の内幕を描いた本である。  表に出た割に仕事が出来なかった「チーム安倍」と違い、裏の実行部隊「チーム竹中」は実質的に構造改革・経済成長路線のシナリオを練り(官僚の裁量を許さないように「戦略は細部に宿る」と法案の文面まで細かく吟味し)、それを経済財政諮問会議が承認することで、改革エンジンの役割を果たしてきた。不良債権処理の金融改革や郵政民営化も、その新たな改革エンジンによって正面突破することができたのだ。なぜ他の政治家は同じことができないのか。  国レベルで公務員改革と公会計改革が成されるとともに、地方分権(税源移譲を含む)の上で地域格差の解決策や地方政府の構造改革が図られるべきであろう。  あと改造内閣は安倍首相の出身派閥清和会の厚労利権にどこまで切り込めるか。外添大臣に期待。

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