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夜に猫が身をひそめるところ Think の商品レビュー

3.9

24件のお客様レビュー

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2009/10/04

最後に謎が解き明かされる「すっきり感」を物語に求めていたわたしが、色々と想像しながらも謎は謎のままにしておく、ということの居心地よさに気づいた作品。

Posted byブクログ

2009/10/04

様々な品物を持ち帰ってくる、Think という名の黒猫。あるときは、16個のボタン、あるときは、映画の広告。音は、それらを元に、Thinkが、それらの品物をどこから持ってきたのかを推理する「ミルリトン探偵団」を結成するのでした。 これは、ミルリトン探偵団の推理と、その品物の持ち主...

様々な品物を持ち帰ってくる、Think という名の黒猫。あるときは、16個のボタン、あるときは、映画の広告。音は、それらを元に、Thinkが、それらの品物をどこから持ってきたのかを推理する「ミルリトン探偵団」を結成するのでした。 これは、ミルリトン探偵団の推理と、その品物の持ち主たちの物語です。 シンクが持ってくる品物以外にも、いくつもの小さなキーワードが、別々の物語にちりばめられて、それぞれは全く違う物語なのに、実は、大きな1つの物語になっているという、不思議な本。 それらのキーワードがツナガル度に、胸がキュンとして、なんだか、温かい気持ちになります。ああ、人は、知らない誰かと、知らず知らずのうちに、ツナガッテルものなんだなあ。なんて素敵なんだろう。

Posted byブクログ

2009/10/04

主人公は著者でもある吉田音(よしだ・おん)。中学生。クラフト・エヴィング商會名義で著作・装丁を手がける吉田篤弘・浩美夫妻の娘さんということである(本当?)。両親と暮らす彼女の家の庭には、たくさんの野良猫が行き来する。最近登場した新入りの黒猫は、“まっくろで、まだ小さいが、なかなか...

主人公は著者でもある吉田音(よしだ・おん)。中学生。クラフト・エヴィング商會名義で著作・装丁を手がける吉田篤弘・浩美夫妻の娘さんということである(本当?)。両親と暮らす彼女の家の庭には、たくさんの野良猫が行き来する。最近登場した新入りの黒猫は、“まっくろで、まだ小さいが、なかなか姿かたちがいい。黒いからそう見えるのか、どんな狭いすき間でも、すいすい抜けていく。すいすいと抜け、またどこからか、するするとあらわれ、今度は庭のまん中あたりで立ち止まって腰をおろし、目を閉じ、何やらじっと考えこんでいる様子。”であるが、ご近所に住むお父さんの古い友達、円田(つぶらだ)さんの家で居候を始めたらしい。「考える」風情の猫だから、円田さんが付けた名前が「シンク(Think)」。で、このシンク、夜な夜な散歩に出かけるのだが、必ず「おみやげ」持参で帰参する。シンクはいったいどこへ出かけて何をしているのか?音さんと円田さんは「おみやげ」を眺めて推理する。最初の章で、シンクが拾ってくる「おみやげ」はキレイな「釘」、「光沢ビス・・・五十」という文字が読める破れた紙袋の切れ端、古い折れ曲がった「釘」、吸いかけのタバコ「ゴールデン・バット」、「謎の白い粉」、「箱舟」という古い映画のチラシ(「おみやげ」の写真がまた良い)。円田さんは「安楽椅子探偵」よろしく、これらの断片からシンクの行き先がどこかの大工さんの家であると考え、その人となりまで推理してみせるのだが・・・。次の章は、その解答編とも言える物語。こんな調子で、シンクの「おみやげ」の元の持ち主の人物像に関する推理の章が3つ(猫だけが行ける場所/川を眺める/11時のお茶)、そして解答編の章が3つ、交互に登場する。解答編の物語は、独立した作品としても読める上に、静かな余韻の残る「久助」、ユーモラスな「奏者」、神話的な「箱舟」というように、それぞれタッチが全く異なる。そして、推理編を含め、全ての章が微かに共振するように触れ合う。ちなみに円田さんは別の作品に出てくる架空の人物だ。素敵な本です。

Posted byブクログ

2009/10/04

クラフト・エヴィングのことをちゃんと知らなくて読んだら、さらーっと流しちゃいそう。もう独立した世界の中にいらっしゃるのだと感じた。どこまでがフィクションなのかな。「本当のことは誰にも分からないんだから自由に考えよう」

Posted byブクログ